赤韋縅鎧(赤木家鎧)岡山県立博物館所蔵

赤韋縅鎧(赤木家鎧)岡山県立博物館所蔵

岡山県立博物館所蔵の赤韋縅鎧は備中国赤木氏に伝来の鎧です。赤木氏は信濃国の豪族で、承久の乱(1221年)の功績により新浦地頭として備中国に移りました。鎌倉時代に改変が加えられていますが平安時代のものと推定されています。

大型の三目札(敷目札)を用いています。幅広で大形の黒漆塗の三目札の鉄札と革札が交ざっており、胴の正面から射向にかけて鉄交ぜとなっております。太い赤韋で縅され、赤韋縅の鎧は現存唯一の遺例です。

草摺は前後4段、左右5段。草摺の前裾を分割していません(通常草摺の前後は5段で前裾は分割されています)。胴高(前)40cm、胴高(後)44cm、草摺高27cm、兜鉢高13.3cm。

絵韋は詳細は別で紹介いたしますが、牡丹襷霰地に撫子円文。兜吹返に藻獅子文韋。

粒の粗い星の小ぶりな兜鉢は鎌倉後期のものと思われ、南北朝時代に𩊱(しころ)が取り替えられたようです。兜の重さは7kg。鉄板10枚張です。

鎧櫃(唐櫃)は、高47cm、縦横は58.0cm・61.2cmです。岡山県立博物館が6億円で購入したとされています。