沢潟縅鎧雛形(伝聖徳太子玩具鎧)法隆寺旧蔵

沢潟縅鎧雛形(聖徳太子玩具鎧)法隆寺旧蔵

伝聖徳太子玩具鎧(法隆寺旧蔵)。

沢潟縅鎧雛形は高さ14cmほどですが、実物大と同じ作域であるので古式の鎧の形式を知る上で欠かせない資料となっています。愛知県大山祇神社所蔵国宝沢潟縅鎧残欠(『延喜の鎧』)と並び大鎧の祖型として最古の遺物となります。

革札を刻んで重ねたように見せた切付板(きりつけのいた)に縦取緘で縅してあります。縦取緘は挂甲に行う縅し手法であり、大鎧や胴丸には見られない手法であることから平安初期の古式のものであることが分かります。

縅毛は四ツ打で、緋色地に白・萌葱・紅・紺・紅・萌葱・白の逆沢潟に縅してあります。

絵韋については別で詳細を記しますが、鹿鞣韋に団華文(または矢車七曜紋・藻に七曜蛮絵紋などとも)です。六花繋ぎに矢筈の丸が連接し、三匹蝶が埋められている紋です。

品(レプリカ)

復原品(レプリカ)

(笹目良彦『日本の甲冑武具事典』)

品(レプリカ)

(笹目良彦『日本の甲冑武具事典』)

栴檀板

(笹目良彦『日本の甲冑武具事典』)

鳩尾板

(笹目良彦『日本の甲冑武具事典』)

縦取緘の様式

(笹目良彦『日本の甲冑武具事典』)

栴檀板の冠板

(笹目良彦『日本の甲冑武具事典』)

大袖の冠板

(笹目良彦『日本の甲冑武具事典』)