赤絲縅胴丸(八艘飛び鎧)厳島神社所蔵

赤絲縅胴丸(源義経の八艘飛び鎧)厳島神社所蔵

赤絲縅胴丸鎧(厳島神社所蔵)

源義経が奉納した鎧と伝わる鎧ですが、現在は鎌倉後期から南北朝時代のものと考えられています。全体的に大鎧の特徴を持ちながらも胴は右脇に引き合わせがあり、草摺が7間5段に分かれている胴丸の鎧、大鎧と胴丸の特色を兼備した特殊な鎧です。このような独特な鎧は平治合戦絵巻や後三年合戦絵巻などに見られます。このような現存する特殊鎧はこの1領のみです。特殊さから「八艘飛びの鎧」とも称されています。

黒漆塗の鉄札と革札の平小札を一枚交じりに赤絲(八畦の茜染組絲)をもって縅し、耳絲・畦目は啄木。菱縫は紅猿鞣で施しています。使用されている小札はおよそ2,700枚と言われ、小さい小札のため長側5段、大袖は7段あり横に44枚の小札を使用しています。胴廻り116.5cm、袖の高さ35.5cm。絵韋は枝菊文。『平治合戦絵巻』や『蒙古襲来絵巻』あるいは南北朝時代の『後三年合戦絵巻』にも画かれています。

(笹目良彦『日本の甲冑武具事典』)

(笹目良彦『日本の甲冑武具事典』)

栴檀板

冠板が片山式

(笹目良彦『日本の甲冑武具事典』)

押付の化粧板

(笹目良彦『日本の甲冑武具事典』)

『平治物語絵巻』に描かれた大鎧式胴丸

(笹目良彦『日本の甲冑武具事典』)

後三年合戦絵詞』に描かれた大鎧式胴丸

(笹目良彦『日本の甲冑武具事典』)

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