「これ以上は死ぬぞ」
「ふ、そうなればお前にも大義が出来よう」
「!お前まさかそれが狙いで…!?」
「どうかな。今咄嗟に思いついたことかもしれん」
文と豊前姫の戦いを視ることは出来ない。
人の目ではもう捉えられない超高速戦闘だ。
私に出来ることは精々流れ弾に当たらないようにしつつ、文の邪魔にならないよう椛・茉依と協力して露払いするだけ
「あいつら…何か話しているみたい」
「戦いながら?戦う前は話すことは一切ないという風な様子だったけど」
「私たちの前では話せないということかもね。それだけ深い付き合いってことね」
「そんな関係なのに戦うしかないというのは悲しいわね」
「敵対した以上、どちらかが倒れるまで終わらないわ。それがこの社会よ」
豊前姫の妖気はどんどん弱くなっていく。黒天狗は減り、天狗たちの洗脳も解けてきていた。
「もはや、分身を作る力さえ無いか。ならば、我が命を以て、せめて貴様たちを道連れにしてくれる!!」
豊前姫から強大な妖気が溢れ出てくる。