研究調査法

主査として学生を持ったことはありませんが、オブザーバーとして修士課程から現在に至るまで多くの学部生、大学院生の研究指導に携わってきました。日本の大学では、研究調査法に関する教育システムが圧倒的に欧米と比較すると弱いように思います。残念ながらこの傾向は、現在に至るまで変わっていないと思いますし、むしろ昔よりも研究方法や論文の記述に関する文化の継承がだいぶ劣化しているように思います。

そのため、誰かのお役にたてばと思い、かつて立命館大学大学院政策科学研究科のリサーチ・プロジェクトにオブザーバーとして参加していた頃に、大学院生の皆さんにレクチャーをしていた資料などをアップしておきたいと思います。

あるテーマについて研究調査をしていく上で重要なことは、問題を発見し、それらを課題に整理して、限られた時間などのリソースを駆使してどのように課題解決を達成するかということにあります。そのためには、研究計画をしっかりと纏めていくことが欠かせません。

研究計画書というものは、学士、修士、博士の別を問わずしっかりと考えて書いていけば学位論文の第1章を構成するだけの中身になります。逆にそれだけの見取り図が書ければ、後は工程表に従って一心不乱に努力を重ねていくだけなのです。(とは言えども、研究には様々な予想外の展開がつきものです…)

rits_ps_rp-format.doc

研究計画書のひな形

かつて、研究計画を発表する際の資料のテンプレートを乞われ、簡単なものを作成しましたものです。元々は、在籍していた昔の研究室においてよく作成していたものがベースとなっています。作成の目安として、内容が分厚くなければA3 1枚(A42枚)に収めて15分程度で発表できれば良いと思います。

kato-how-to-make-presentation.pdf

「論文を書き、プレゼンをするということ」

大学院生へのレクチャー用として、研究計画を発表する際に作成するスライド作成のポイントを簡単にまとめたものです。元々は、オブザーバーで出席した演習において即興で作成したものなのですが、少しだけ手を加えています。初めて論文を書く人に役に立つかもしれません。

kato-sist-manual.pdf

『「科学技術情報流通技術基準(SIST)」と学術論文の引用形式』

皆様は、「科学技術情報流通技術基準(SIST : Standards for Information of Science and Technology)」という基準を御存じでしょうか?現在では電子化が進む中で終了となりましたが、科学技術振興機構(JST)が制定している学術論文の執筆・投稿に関する基準です。

今ではハンドブックが出ていますが、当時はハンドブックも無かったので、自分で作って仲間や学生に共有をしていました。もちろん、学生の指導にもよく活用をしました。

一般に、日本国内において学術論文を執筆し、学術雑誌に投稿を行う際には、この基準を参考とすることが求められてきました。参考文献の書誌記述ルールがわからない人には今でも役に立つと思います。