Googleサイトの活用

1. 使えるようになったGoogleサイト

以前の「Googleサイト」は、デザインや取り回しだけでなく、閲覧対象のコントロールも含めてとても「Webサイトの構築から各種コンテンツの展開とコントロールまでを一気通貫で請け負う」ことのツールとは言えなかったと思います。しかし、最近のアップデートにより、Wordpressの標準的なテンプレートと比較しても取り回しが楽になり、Googleのツールと連携ができる「かなり使えるWeb構築ツール」になったことを知人より教わりました。

教わったことを纏めると、

  • Googleを使うからもちろん何もしなくても初めからSSL対応、
  • テンプレートとしてはWordpressの標準的なものと比較して少し劣る程度、
  • Googleの各種ツールと連携可能(というかできなければおかしい)、

ということでした。

丁度、プロバイダの都合でWebスペースが閉鎖となり、2年ほど閉じていた個人サイトを復活させてみる良いきっかけだと思い、「Googleサイト+(独自ドメイン+URL転送機能+メール転送機能」というパターンでこのサイトを構築してみました。実践してみると思った以上にGoogleサイトが使えるものになっているため、備忘録も兼ねたGoogleサイトの活用術について以下に記しておこうと思います。なお、今後のGoogleサイトの機能変更その他でこの知識も役に立たなくなることがあるかもしれませんが、当分は有効だと思います。

2. Webサイトの構築・運用は難儀なもの

そもそも、Webサイトの運用というものは本当に面倒なものです。Dreamweaverやホームページビルダーなどのアプリケーションを使う場合、「端末依存性」という問題が発生します。さらに、特定のカスタマイズをしようと思えばそれなりの知識が必要となります。

端末依存性を減らす手段としては、「Wordpress」といったブラウザベースのWebプラットフォーム型ツールを活用することも有効です。私も社団法人のWebサイト運用などに活用をすることにより、情報更新に必要なリソースを減らすことに役立てています。

しかし、Wordpressは「あくまでもブログサイト構築ツールである」ということを忘れてはいけません。そのため、まずもってレスポンシブ対応にはプラグインが必要となり、しかもサードパーティーのものを自分で判断して入れなくてはいけません。さらに、Webサーバーも有料のものを準備をし、MySQLサーバーなどのオプションが付帯したものを選択する必要があります。それだけでなく、SSL対応などの処置も必要となり、これはサービスによって有料であるところが多いものです。さらに設定も簡単ではありません。その上、レンタルサーバーは年間1万円程度のコストを見込む必要があります。Wordpressを使う場合には、これだけのコストをかけるだけの価値がある情報発信をする時に選択すべきだと思います。

3. 何のためにWebサイトを構築するのか?ということを再考する

上記においてのべてきたことを簡単に纏めると、(1)端末依存性を回避するだけでなく、(2)ツールにかけるコストと発信する情報の内容を天秤にかける、ということが重要だと言えます。

Webについては、どうしても発信する情報という本質よりもデザインに関する問題が先行しがちです。確かに、「デザインが良くなければ伝わらない」こともあるでしょうが、「最大公約数的なありふれたデザインのレイアウト」を活用しながら「本当に自分が発信したい情報を手軽に省コストでWeb空間に送り出す」ことこそが、今日の社会においては重要なことではないでしょうか?

ただし、今日のWeb空間は草創期の時とは異なり、SSLやTLSへの対応などのセキュリティ面の与件も多く求められる時代になっています。そのような与件を満たすプラットフォームとして、Googleツールは最強の布陣を構えています。これを活用しない手はありません。特に、情報発信項目が限定される小さい規模の会社や個人のWebサイトなどはこれで十分です。

4. 「Googleサイト+(独自ドメイン+URL転送機能+メール転送機能)」を使いこなす

前置きが長くなってしまいましたが、以下に「Googleサイト+(独自ドメイン+URL転送機能+メール転送機能)」方式によるサイト構築について記していきます。

第1に、以下のものを準備してください。

  • 独自ドメイン:「お名前.com」などでドメインだけを取得してください。なお、この時に「URL転送機能+メール転送機能」も併せて取得してください。ちなみに、お名前.comでは「お名前.comメール転送Plus」「お名前.comURL転送Plus」 というサービスがありまして初回登録のコストはかかりません。Webサーバーは、Googleサイトが担ってくれるので借りる必要はありません(ここが重要なのです)。そのため、かかるものは「ドメイン料金」だけです。例えば、.bizドメインの場合は年間300円程度ですから数年単位で契約をしましょう。
  • Googleアカウント:個人のサイトであれば、個人のGoogleアカウントを使うのが良いでしょう。会社であれば、会社のGoogleアカウントがあればそれを活用し、必要に応じてアカウントを作ると良いでしょう。

なぜ、「独自ドメインを確保するのか?」ということについて理由を解説すると次のようになります。この目的は、「独自ドメイン+URL転送機能+メール転送機能」という組み合わせにより、自分ないしは自社のメールアドレスといったプライバシーをカプセル化するということです。やはり、個人サイトなどになれば自分のメールアドレスをあまり外に曝したくはありません。それならば、「独自ドメインのアドレス」からの転送機能を活用して自分のメールアドレスに蓋をすることが有効です。また、URL転送機能は「https://sites.google.com/view/(任意の名前)/(ページ名)」という「少し長めのアドレスへの手軽なアイコン」の役割を果たします。

第2に、GoogleサイトでWebサイトを構築しましょう。必要なものは、「Webサイトのタイトル」、「発信したい最低限の情報」程度で十分です。随時、時間を見つけて更新していけば良いと思います(コンテンツが揃っているならそれに越したことはありませんが…)。

  • Googleサイトにログインをします
  • 右下の「+」を押して新規ページを作成
  • このようなページ作成画面に移行します
  • ページの作り方などについては、Google先生に教えてもらってください
  • まずは、タイトルと最小限の情報だけを有したトップページを準備しましょう
  • 公開範囲を決めた上で、「公開」ボタンを作成するとページの名前を決めることができますので任意の名前を決めてください
  • デザインとか細かいことは後回しでかまいませんので、既定の形でサイトを構築しましょう。

第3に、取得したドメインの設定を行います。「お名前.com」を事例として簡単に解説をしていきます。まずは、URL転送機能の設定を行いましょう。

  • 「転送元URL」には、取得したドメイン名を入れましょう。転送元には複数のURLを登録することが可能ですので、www無しとwwwありの2種類を登録することをおすすめします。(これにより、閲覧者がwwwをつけていたかいないかという問題に左右されなくなります)
  • 「転送先URL」には、Googleサイトのアドレスを入れましょう。「https://sites.google.com/view/(任意の名前)/」と入れるようになります。
  • 「転送タイプ」の部分がポイントです。「リダイレクト転送」を選択してください。Googleサイトはサーバーの仕様上、フレーム転送がができないのが欠点です。しかし、そのような欠点を吹き飛ばすほどのツールの使い勝手の良さがあります。
  • 初回ですとこの画面の下に「ネームサーバー情報変更」のダイアログボックスがありますので、それにチェックマークを入れてください。ネームサーバー情報を「01.dnsv.jp~04.dnsv.jp」に変更しないと転送ができません。
  • 設定が終わったら確定ボタンを押してください。設定が反映されるのに数時間ほどかかることがあります。

この段階において、「独自ドメイン→Googleサイトへの転送」ができるようになるはずです。

URL転送機能を実装したら、残りは独自ドメインのアドレスから自分のメールアドレスへの転送機能を設定してください。これについては、以下のガイドを参照すると良いでしょう。

以上のステップを経て構築されたのが、今、貴方が見ているこのWebサイトです。うっかり転送タイプを間違えたところで悩みましたが、実際にサイト構築に使った時間は僅かでした。仮に時間がかかったとしても、その後のサイト構築がお手軽なので簡単に失った時間を取り戻すことができます。

Googleサイトは個人のWebサイトとしても有効ですが、管理費節減が必要な中小企業にとっては、よほど凝った情報発信が必要でない限りにおいてメインの情報発信ツールとしてそのまま活用していただけると思います。そのメリットはどこにあるかというと、上記に述べた低コストだけでなく、「社内/社外向けの情報の切り分けができる」ということにあります。閲覧については一般公開だけでなく、Googleアカウントを基準とした特定ユーザーによる閲覧可能領域の設定も簡単にできます。このような切り分け機能は、中小企業のIT化促進を考えていく上でも有効ではないでしょうか?