斐伊川水系水鳥プロジェクトの活動

2023/2/1【報告】中海・宍道湖・大山ブロック経済協議会幹事会にて、講演を行いました 


日時 令和5年2月1日(水)

場所 米子商工会議所


先週から降り続いた大雪が、まだ道路や田んぼに多く残る中、中海・宍道湖・大山圏域ブロック経済協議会の幹事会の場をお借りして、生態系ネットワークの取組における民間事業者との連携について、紹介・提案をさせていただきました。


最初に、河川を軸とした生態系ネットワークについて、環境づくりと地域づくりの両面から全国で取組が進められていること、その中でも斐伊川流域は、我が国を代表する大型水鳥が全てそろう潜在性を持った稀有な地域であることを紹介。


水鳥プロジェクトのこれまでの取組を紹介したのち、事業者のみなさまへ、3つのステップに分けて提案し、協力を呼びかけました。


① 生態系ネットワークの取組を知る

② 生態系ネットワークの取組を応援する

③ 生態系ネットワークの取組に参加する

生態系ネットワークとの連携可能性についてのご提案

今後とも、地域の民間事業者のみなさまとともに、生態系ネットワークの取組を進めていきたいと思います。

ご質問、ご提案などございましたら、事務局までお気軽にお問い合わせください。よろしくお願いいたします。

2023/2/10 斐伊川水系水鳥プロジェクト)

2023/1/21【報告】「ハクチョウ ウォッチング TOUR @安来(モニターツアー)」

 ※ここをクリックすると記事を読むことができます。

1月21日(土)。東出雲観光×斐伊川水鳥プロジェクトのコラボ企画「ハクチョウ ウォッチング TOUR @安来」を開催しました。

毎年必ず安来を訪れてくれるハクチョウたちの魅力を、地域の自然や人の暮らしとの関わりと併せて皆さまにお伝えしたい!そんな思いで企画された今回のツアー。その内容をご紹介します。


悪天候が心配された中でしたが、当日は寒いながらも穏やかなお天気に恵まれました。


今回はツアー商品化前のモニターツアーという位置づけで、現地集合・現地解散形式。

午後3時、のき白鳥の里(安来市)に続々と参加者の方が集まって来られました。

募集期間が短かったにも関わらず大人子ども合わせて11名の方にご参加いただきました。


受付を済ませたら、囲炉裏端へ。

全員揃ったところで、東出雲観光さんの進行のもと、まずは参加者の自己紹介です。

多くの方が、ハクチョウは見たことはあるけれど、じっくり見たことはないとのこと。


早速、ハクチョウについて、そして斐伊川水系の自然や文化との関わりについてのお話です。

ハクチョウの生態や、川の上流と下流の繋がりなど

「へえ、そうなんだ」「知らなかった」と、新たな発見がたくさん。


お勉強の後は、ワークショップの時間。

ハクチョウの食べ物の1つであるマコモを使ったリース作りに挑戦しました。

安来市内でマコモ栽培を手掛ける「ふぃーるど」の戸谷さんご夫妻にご指導いただきました。

マコモには水や場を浄化する作用があり、出雲大社本殿のしめ縄にも使われているのだとか。

ちょっと神聖な気持ちになりつつ、綯(な)ってあるマコモを使って、思い思いに野の草をアレンジして仕上げていきます。唯一無二のオリジナルリースが完成しました。


集中した後はちょっと休憩。

囲炉裏の炭火で温めていただいたのは、ハクチョウの形をした米粉パン。

お米もハクチョウの大切な食べ物の1つです(ハクチョウが食べているのは収穫後の落穂や二番穂ですが)。田んぼを大切にすることは、ハクチョウを大切にすることにもつながりそうです。

このハクチョウ型の米粉パンは、安来市内の「しふぉんながた」さんにお願いして、このツアーのために特別に作っていただいたもの。大好評でした。

一緒に戸谷さんからいただいたマコモ茶を堪能。さっぱりとして優しい甘みのあるお茶でした。


のき白鳥の里は、絣(かすり)織から発展した出雲織の工房としても使われています。

今回は特別に、糸車で木綿から糸を紡ぐ様子を拝見したり、三代目の青戸さんから絣織についてのお話を伺ったりすることができました。


日没まで1時間を切りました。いよいよハクチョウ観察に出発です。

車に乗り合わせ、ハクチョウのいる田んぼを探しながら移動します。

明るいうち、ハクチョウたちは田んぼでご飯を食べたり、休んだりしています。

遠目で刈株の田んぼの上に白いものがポコポコたくさん見えたら、ハクチョウの群れの可能性大です。

そーっと車で近づきます。ある程度の距離を置いて車を停めて、静かに観察。のんびりとしたハクチョウたちを見ていると、こちらも穏やかな気持ちになってきます。


そろそろ日没。今度は彼らがねぐらとして使っている冬水田んぼの近くに移動です。

今回のツアーで、日没時間を気にしながら動き出した理由。

それは参加者の皆さまにハクチョウたちのねぐら入りを見ていただきたかったから。


暗くなってくると、あちこちの田んぼでご飯を食べていたハクチョウたちが、そのねぐらを目指してどんどん集まってくるのです。

夕暮れ空をバックに次々とねぐら入りするハクチョウの群れ。

羽音が聴こえるほどの距離で、自分の真上を飛んでいく姿。

目の前の冬水田んぼに着水する様子。

ヒリッと寒い空気の中に響くハクチョウたちの声。

そのすべてを体感していただきたかったのです。


すっかり日も暮れて寒さも増してきた午後6時頃、観察終了です。

のき白鳥の里に戻って、温かいマコモ茶でほっと一息。

最後にアンケートにご協力いただきました。

「ねぐら入りを見たのは初めて。感動した。」

「着水する姿が美しかった。」

「見ごたえがあった。」

参加者の皆さまからのお声の一部です。


ご参加いただきました皆さま、ご協力いただきました皆さま、ありがとうございました。

参加者の皆さまから寄せられたご意見などを参考に、

今後のツアー化に向けて東出雲観光さんと検討してまいりたいと思います。どうぞお楽しみに!

2022/12/10・11・17【報告】「雁が音を聴くツアー」2022

 ※ここをクリックすると記事を読むことができます。

この冬も、出雲観光協会の主催で「雁が音を聴くツアー」を開催しました。

 

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毎年秋になると、北の国から斐伊川流域にガンたちがやって来ます。

遠く何千キロもの旅を経て、再び北へ帰る春までの間、この斐伊川流域が彼らの住処となります。

明るいうちは、広い田んぼでご飯(主に落穂や二番穂)を食べたり、のんびり休んだりしているマガンたち。

日没が近づく頃、ねぐらである宍道湖に向かって一斉に飛んでいきます。

このツアーはそんな彼らの日々の営みの1コマを見に行こう!というちょっとニッチな企画です。

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2022年は1210()11()、そして17()3回の開催となりました。

18日(日)は今季初の寒波襲来のため、やむなく中止)

 

夕方4時前。集合時間になると、参加者の皆さんが集合場所である「道の駅 湯の川」に集まって来られます。「受付場所がわかりにくいよ」という1回目の参加者の方のお声から、2回目以降は迷子にならないように「雁が音ツアー受付」の文字を掲示。試行錯誤しながらツアーも進化していきます。

 

今年のツアーの進化は他にも。

参加者の皆さんにお土産をご用意しました。

大人の方には、鳥たちの冬の大切な餌場である出雲市内の田んぼで栽培された減農薬のお米からとれた酒粕を。

お子さんには、雁のV字隊列をイメージしたゴマがアクセントの和菓子を。

出雲市内のお店(酒粕:富士酒造、和菓子:なぎら長春堂)にお願いして、このツアーのためにご用意いただいたオリジナルのお土産です。

 

道の駅でマガンについての基礎知識を頭に入れたら、いざ出発です。 

スタッフの車について、皆さんご自身の車で斐伊川の堤防に向かいます。

川のどちら側の堤防に向かうかは、マガンたちが日中、どちら側の田んぼにたくさん降りているかで決めています。

堤防から、ご飯を食べたり休んでいるマガンたちを観察できる日もあれば、あたり一面1羽もいないこともあります。

すべてはマガンたち次第。当然ねぐらへのフライトの様子も、その日その日で全く違います。

今回も3回とも、全く違った風景を見せてくれました。 


「渡り鳥の習性がわかって面白かった。新しい発見。」

「自分が住んでいる場所の近くで、雁の群れの飛行が見れるのを初めて知った。また見に来たいと思える経験だった。」

「雄大な自然の中の営みが良かった。ガンの編隊を初めて見ることができて良かった。」

「ふだんはあまり見ることができない、ねぐらに帰るガンをじっくりと観察できました。」

「感動した。」

参加者の皆さまからの声です。


今年のツアーでは、もう1つのオプションをご用意しました。

参加者の方に願いごとを書いていただいた短冊を乗せたハクチョウの折紙。

12月18日(日)、スタッフが斐川町にある求院(ぐい)八幡宮に奉納してまいりました。

この求院八幡宮はハクチョウ伝説のある神社として知られています。

  求院八幡宮: https://www.instagram.com/gui_hachimanguu/?hl=ja

 

祝詞奏上の間、本殿の外をゴウゴウと吹き荒ぶ風の音に圧倒されていたのですが、全てを終えた時、ピタリと風がやみ、シーンと静かになっていることに気付きました。とても神秘的でちょっと鳥肌。


皆さんの願いごとが叶いますように。

 

*おまけ*

18()は今年初の寒波襲来の影響で、やむなくツアーの催行を断念したわけですが、寒波による強くて寒い風が吹く中も、マガン達は彼らの営みを止めることはありません。

その日も彼らは河口に向かって群れで飛んでいきました。

気になって見に行ったものの車を降りた瞬間全身が凍るような強く冷たい風に襲われ、すぐに車に戻った自分。

空を飛んでいくマガン達の姿を見て、あらためて自然の逞しさを感じたのでした。

2022/10/29~30【報告】島根県奥出雲町の文化祭(横田会場)に参加しました!


日時 令和4年10月29日(土)~30日(日) 

場所 横田公民館(横田コミュニティセンター)

 

 前回の仁多町での文化祭に続き、生態系ネットワークの取組をたくさんの人に知ってもらうため、横田コミュニティセンターにスペースをお借りし、奥出雲町の芸術文化祭に参加しました。


 今回も奥出雲町内の「幼児園の近くで見たよ」「電柱にとまっているのを見た」等のコウノトリ目撃情報や、「居着いてくれると嬉しい」といったコウノトリを歓迎する声などを多くの参加者からいただきました。

 同町では世界農業遺産の登録に向けた取組も進められています。コウノトリたちが、きっと登録を後押ししてくれることでしょう。


 ご参加いただいたみなさま、本当にありがとうございました。

 今後とも、斐伊川水系水鳥プロジェクトの取組を応援いただきますよう、よろしくお願いいたします。

 

2022/11/11 斐伊川水系水鳥プロジェクト) 

横田コミュニティセンターにて。今回も多くの人が来てくれますように。

奥出雲町などで近代まで続いた「たたら製鉄」が、上流から下流まで、大型水鳥もくらせる斐伊川水系の環境をかたちづくってきたことを、パネルを使って紹介しました。 


奥出雲町でのコウノトリの目撃情報、今回も多く寄せられました。

「通学途中に学校の近くで見た」「友達に教えてもらってカメラ持って駆けつけた」といった目撃情報、「初めて見た、飛ぶ姿はとても雄大だった」と、出会いの喜びを伝えてくれた方もいらっしゃいました。 


今回も求院八幡宮のハクチョウにまつわる言い伝えを紹介し、奥出雲から折り紙に願いごとを書き、ハクチョウを折ってお供えしてもらいました。 


「等身大パネル」の前で、記念撮影。決めのポーズ、いただきました!

仁多会場に続き、今回折ってもらった折り紙も、全て求院八幡宮におそなえしました。

みなさんの願いが、届きますように。

2022/10/1~2 【報告】島根県奥出雲町の文化祭(仁多会場)に参加しました!


日時 令和4年10月1日(土)~2日(日)

場所 奥出雲町民体育館

 

 気持ちよく晴れた10月最初の週末、生態系ネットワークの取組をたくさんの人に知ってもらうため、斐伊川水系の水源地でもある奥出雲町で毎年この時期に行われる芸術文化祭に参加しました。

 参加者からは「近所の田んぼでコウノトリを見たよ」といった情報提供や、「うちの田んぼにも来てくれてほんと嬉しい」「雲南市からだけじゃなく県外からも来ているの?」といった喜びや驚きの声をいただいています。

 また、出雲市斐川町にある「求院八幡宮」に奉納するため、折り紙に願いごとを書いてもらってから、みなさんと一緒に「ハクチョウ」を折りました。

 

 ご参加いただいたみなさま、本当にありがとうございました。

 次回は10月29日(土)、30日(日)、同町横田地区の文化祭に出展します(会場:横田コミュニティセンター)。

 お近くにお住まいのみなさまも、そうでない方も、ぜひとも会場にお越しください!

 

2022/10/14 斐伊川水系水鳥プロジェクト) 

奥出雲町民体育館前にて、2日間、よろしくお願いします。 

展示パネル。斐伊川水系の生態系ネットワークの取組を、大型水鳥の迫力ある写真といっしょに説明しました。


近年奥出雲町でも目撃情報が増えているコウノトリ。参加者から教えていただいたコウノトリの目撃情報を地図に落としていきました。

スマートフォンで撮ったコウノトリの写真や動画を見せてくれた方も多く、奥出雲町でもコウノトリがなじみ深いものになりつつあると感じました。


求院八幡宮のハクチョウにまつわる言い伝えを紹介し、奥出雲の皆さんの願いごとを折り紙に書いていただき、ハクチョウを折ってお供えしてもらいました。

ハクチョウ折り紙には、お子さんだけでなく大人も苦戦していましたが、スタッフが、一つずつゆっくりと折り方を説明しながら進めましたので、みなさん初めてとは思えないほどの出来ばえで折りあがりました。


コウノトリをはじめとする大型水鳥の大きさがわかる「等身大パネル」の前で、記念撮影。 


今回折ってもらった折り紙は、全て求院八幡宮に奉納いたしました。

みなさんの願いが、届きますように。