環境科学研究科は、2014年に、青葉山新キャンパスに本館を建設した。鉄筋コンクリート5階建て5000m2の建物である。講義室、事務室と文系の教員と学生居室を備えた建物であるが、このとき、予算不足により、3階部分は、骨格だけ作り、内部の造作は、後回しとされた。その後2016年に、一定の整備を行い、会議室、研究室としての基本的な機能は整備された。本館自体、自然光の取り入れや、自然換気のためのチムニーの設置や、窓の開閉など、環境に優しいいくつかの工夫はされている。
この建物や各部屋の造りは機能的で無駄がない。それはとっても素晴らしいことなのだけれど、もうちょっと遊び心というか、ふわっとする空気感があってもいいのかもしれない。建物に入ったときの緊張感を和らげるとともに、会議室や、研究室での白熱する尖った議論をおだやかに収める工夫はできないものであろうか。
ひとことでいえば“やすらぐ空間”を造りたかった。しかし限界はある。既に文科省標準仕様で造られている、この無機質な空間をどう親しめるものにしていくか。予算にも限界がある。時間もあまりない。あとは知恵を絞るしかない。建築学専攻の石田壽一教授、藤山真美子助教に相談した。心やすらぐ、ほっとする建物にしてください。できれば、地域連携を進める環境科学を体現できるものにしていただけませんか。あいかわらずの、わがままで抽象的注文である。それに、十二分に答えていただきました。詳細は 藤山氏の寄稿 に譲ることにして、まずは関係各位に御礼を申し上げたい。
この3階はまだ発展途上、“十四番目の月”である。この先ももっと楽しくなる。
1Fホールのマガジンラックに常備されている『環境科学研究科 NEWS LETTER No.21』で詳しくご紹介しています。
ぜひお手に取ってご覧下さい。