研究科長応接室にはさまざまな客人が来る.表敬であったり,打ち合わせ,時には辛らつなご批判の訪問もある.応接室には,おしりが沈み込んでしまうような,昔ながらの応接ソファーセットではなく,地味な色調の大きめの机といすが配置されており,それはそれで,機能的,実務的ではあるのだが,白い壁で囲まれた応接室は,やはり,冷たい印象がぬぐえない.ここにいると,まあだいたいは,ビジネスライクな話となる.そもそもそういうことを話すところなのだ.しかしなあといつも思っていた.
映画ゴッドファーザーの有名な最後のセリフ.
It is not personal, It’s business. (これはビジネスなのだ!)
そりゃ,そうだけど,なんとかならんもんかねえ....
ということで,世界地図と東北を,寄せ木細工で作ってみた.
世界地図のほうは,ダイマクション地図といって,もう70年以上前に考案された地球を多面体上に投影する作図法で,各大陸の面積がほぼ正確に反映されていること,陸地を分割することなく,平面に展開できること,などの特徴がある.東北の地図は,これは普通の地図である.特徴とすれば,十和田湖や,田沢湖,それに猪苗代湖といった東北を代表する湖を描いていない.言い方を変えると,穴はあいてはいない.素材の木材は原則東北産だ.
世界地図と東北,Think Globally, Act Locally,世界を見て,地域を考える,環境問題を語るときの常套句.面積が同じで,切れていない陸地,みんな平等,同じ土台に起っている,穴もない...へ理屈はいくつも出てくるので,そうやって場が和めば良い.
だからさあ,そんなことよりさっさと仕事かたづけてしまいましょうよ,と話が先に進めば,これの目的は達成するのだ.
製作:株式会社スリーエイト
”Fuller_projection.svg” by Eric Gaba, Wikimedia Commons user Sting, CC BY-SA 2.5 , via Wikimedia Commons