1F 正藍染 東北大学学章
1F 正藍染 東北大学学章
手漉き和紙工房 潮紙 塚原英男さんが営む工房は、山形県との県境が眼前に迫る川崎町今宿の笹谷地区にあります。笹谷地区の歴史は古く千年の歴史を持つ笹谷街道とそれにまつわる史跡が周辺に多数あり、一本道を挟み込むように20軒ほどが所在する集落です。
住人の敷地には住居家屋と納屋や馬小屋が渡り廊下で繋がれている昔ながらの農家の建築様式も残っています。そして、集落の全戸が一本道沿いに玄関口を向けており、その目の前には、年中、満々と水が流れる水路があります。また、家屋内には、もう一本、別の水路が引き込まれていて、昔はそれぞれの水路を上・下水専用の水路として使っていたそうです。
塚原さんは、沿岸部の障害者施設で紙漉きを指導していましたが、東日本大震災でその施設が被災。その後、個人で工房を構えることになり、津波に流されずに残った施設の機械、がれきの中から見つけた道具を譲り受けました。
そんな時、笹谷の豊かな自然環境に惹かれ、リノベーションした古民家に工房が誕生しました。
すぐ裏手にある畑で、和紙の原料となる楮の木と紙となる繊維の繋ぎの役割を果たすトロロアオイも育てています。馬小屋を漉き場として改装、雪に閉ざされる厳冬期以外の時期は仙台市内の自宅から通って和紙作りを行っていらっしゃいます。