〜放課後〜
リゼ「お前ら……」
リゼ「なんでRabbitHouseに集まってるんだーーー!!!」
マヤ「だって〜」
メグ「リゼさんが」
千夜「今日から火山の授業をしてくれるって言うことを」
シャロ「ココアが言ってたのよ」
リゼ「ココア、犯人はお前かーー!今日はプールに行くって約束じゃないのか?」
ココア「えへへ〜、今日行くプールって温泉プールでしょ?だから温泉に関連して火山の勉強をしておくのも悪くないかな〜って思って〜」
シャロ「ココアがそんなこと言うなんて珍しいわね…」
メグ「プールにも地学を結びつけるなんて高校生たちおかしくなっちゃったよ〜〜」
リゼ「よし、分かった!そうと決まったら、温泉には火山についてたっぷりと勉強してからいくぞ!」
リゼの地学基礎講座 -固体地球⑥-
リゼ「では、今回からは新しい単元、火山を学んでいく。とは言っても前回までの単元とも関わりがあるので、忘れてしまった人は適宜復習をするように→Story」
シャロ「勉強において定期的な復習は重要よ」
チノ(あの高校の特待生が言っているだけに、説得力がすごいです……!)
リゼ「さて、いきなり質問なんだが、みんなは火山と言ったら、どのような山が思い浮かぶか?」
ココア「ハワイのマウナケア山やキラウエア山は有名だね!」
シャロ「インドネシアのジャワ島にある、スメル山も有名ね」
チノ「トンガにあるHunga Tonga-Hunga Haʻapai(フンガ・トンガ=フンガ・ハアパイ)は最近有名になった火山ですね。」
ココア「チノちゃん発音いいね!」
チノ「ふふん(ドヤ」
シャロ(チノちゃんのドヤ顔、貴重だわ)
千夜「日本は火山大国ね。富士山や桜島などを始めとして、陸上にも海底にもたくさんの火山があるわね。」
リゼ「おお、たくさん挙げてくれてありがとうな!」
マヤ「どれも教科書で見るような有名な火山だな~!」
メグ「そうかな〜、スメル山は初めて聞いたよ〜……」
ココア「スメル山はインドネシアのジャワ島にある火山だよ〜。2021年の12月の噴火が話題になった火山だね〜」
リゼ「さて、今このように火山をたくさん挙げてもらったわけだが、火山には種類があるということは中学でも学んだと思う。火山の種類は主に3つに分けられる。何があったか覚えているか?3つあるのでチマメ隊!1つずつ答えてくれるか?」
マヤ「楯状火山!」
メグ「成層火山と」
チノ「溶岩ドーム、です。」
リゼ「正解!ちなみに溶岩ドームは溶岩円頂丘と呼ばれたりもする。いまチマメ隊に挙げてもらった3種類が特に重要なんだ、忘れないようにな。」
リゼ「そしたら今度はこの種類と火山、そして性質などを対応させてみよう」
ココア「出た!溶岩の種類とかのやつだね!」
シャロ「これも復習ね」
リゼ「ではまずこの表を埋めてみてくれ!」
〜数分後〜
一同「できたー!」
リゼ「よし、確認していくぞ」
シャロ「まずは火山の分類だったわね」
マヤ「楯状火山にはさっき出てきたハワイのマウナケア山とキラウエア山が入れられるな!」
ココア「楯状の名の通り、平べったい形なんだよね!主な岩石は玄武岩だよ!(詳しくはまた今度!)」
メグ「成層火山にはスメル山や富士山が入るね」
千夜「桜島や浅間山もそうよ〜。これらの山の形を思い浮かべればどんな形か想像がつくわね~。主な岩石は安山岩よ。ただ、富士山は玄武岩だったわね~。」
チノ「溶岩ドームには有珠山、昭和新山などが挙げられますね。」
シャロ「ほかには箱根山にいくつかあるわね。あの盛り上がりが特徴よね。主な岩石は流紋岩よ。」
リゼ「いいな!次に火山の種類ごとの溶岩の性質についてまとめるが、できるか?」
チノ「これも中学の理科でやったことと重なるので、できていると思います。」
リゼ「わかった。なら、またチマメ隊に答えてもらおう!」
マヤ「楯状火山を形成する溶岩は粘性が小さく、温度が高く、SiO₂が少ないんだよな!」
チノ「溶岩ドームは粘性が大きく、温度は低く、SiO₂が多いんですよね」
メグ「成層火山はその真ん中だよね~」
シャロ「ちなみに噴火は楯状火山のほうが穏やかで、溶岩ドームのほうが爆発的なのよ」
リゼ「いいな。シャロも補足ありがとうな。ちなみにSiO₂の量に着目すると火山を構成する岩石についても理解が早いんだが…今勉強する時間はないからあとで説明することにしよう。」
図: ココアによる解答
ココア「リゼちゃん!」
リゼ「なんだ?」
ココア「溶岩とマグマって何が違うの?(知っている顔)」
リゼ「なんだその顔は!ま、まあそこを説明しないのも不親切だよな……」
リゼ「マグマと溶岩はモノとしては同じものなんだ。ただ、マグマが地下から地上へ噴出したものを溶岩と呼ぶという違いがある。ちなみに溶岩流という言葉があるが、これは火山から流れる溶岩のことを言う。溶岩流が冷え固まったものをこれまた溶岩という。」
チノ「溶岩という言葉が多くて、少し混乱してしまいそうです……」
ココア「要するに地下にあるか地上にあるかでマグマと溶岩を使い分ければいいってことだね!」
リゼ「そうなるな!世間では混ぜて使われていることもたまにあるが、お前らにはこれからは気を付けてほしい!」
一同「サー、イエッサー!」
ココア「私もマグマについて勉強してきたからちょっと授業するね!」
メグ「わ~ココア先生だ~!」
チノ(勉強していたようには見えないのですが……大丈夫でしょうか……)
ココア「今日の私は一味違うよ~!Let's 行くよーっ!」
チノ(Let's 行くよーっ!……ってなんですか……)
リゼ「仕事奪われたぁ……」
ココア「さっきリゼちゃんが教えてくれたようにマグマというのは地下にあるのですが、このマグマ、どのようにできているか知っている人はいますか?」
チノ「地下の岩石が融けてできていますよね。」
ココア「チノちゃん、それは正解だよ!でもお姉ちゃんもっと詳しいでき方まで知りたいな」
チノ「……」
ココア「わからないかぁ~(しょぼん)」
リゼ「中学理科では時間をかけて勉強していないかもしれないし、そもそも習ってからだいぶ経っているから忘れているかもな」
ココア「じゃあシャロちゃん正解をお願いします!」
シャロ「簡潔に言うならば、1つは沈み込み型のプレート境界で海洋プレート(沈み込んでいる側)が地球内部に水を供給することでできる、もう1つは中央海嶺やホットスポットで地下から上昇してきた物質でできる、といったところね。」
ココア「正解!じゃあ詳しいところを見てみよう!ひとまずはマグマのもととなる物質について勉強してみよう!久しぶりにこの図を使うよ!」
マヤ「第3羽でも出てきた図だな!」
ココア「そうだね!これの鉱物相を見てみよう!」
メグ「地殻の深さは花崗岩と玄武岩だね」
千夜「マントル上部はかんらん石だわ~」
チノ「これは前に勉強した通りですね」
ココア「はい、出ました!マグマのもととなる物質!」
マヤ「海溝では玄武岩質の海洋プレートが沈み込んでいるから、それが融けてマグマができるってことか~?」
ココア「マヤちゃん、残念!マグマは海洋プレートが融けているわけではないんだよ!」
チマメ「うーん……」
リゼ「これは少し難しかったよな、正解はかんらん石だ!」
ココア「ピンポーン!なんで玄武岩ではなくかんらん石なのかという点は一旦置いておいて、かんらん石が融ける仕組みについて説明します!この図を見てください」
出典:岐阜大学教育学部理科教育講座地学教室HP-岩石~マグマ~(http://chigaku.ed.gifu-u.ac.jp/chigakuhp/html/kyo/chisitsu/kakougan/rock-magma.html)
地球内部における岩石の融解曲線と地温分布(Kushiro et al.,1968による)
ココア「これをかんらん石の融解曲線といいます。この図を見て気づくことはあるかな?」
チノ「水がある条件下での融解温度を見てみると、同じ圧力で水がない条件下よりもだいぶ低くなっていますね」
メグ「しかも水がない条件下では海洋地域の地温勾配が融解曲線を超えていないけど、水がある条件下では超えているんだね!」
ココア「そう!水があるとかんらん石がだいぶ融けやすくなるんだよ~。」
マヤ「海洋プレートが海溝に水を供給するっていうのはどういうことなんだ?」
シャロ「どうやら海洋プレートの断層に沿って地殻そしてマントルの最上部にも水が取り込まれて、そのまま地球内部に運んでいるみたいなの。少し前に広島大学大学院の博士課程の方と静岡大学教授らの研究グループが論文を発表していたわ(https://doi.org/10.1038/s41598-017-14309-9)。従来は地殻が水を含んでいてマントルは乾燥していると予想されていたみたいなの。だけど、今回のモデルでマントルまで海水が含まれているということになったから、それに伴って地球内部に取り込まれる海水の量の予想も多くなったらしくて、1年に2.3×10⁹トンほど水が地球内部に潜っていると計算されているそうよ。まだきちんとは論文を読んでいないから、そのうち読みたいわね。」
リゼ「シャロ、詳しいしちゃんと勉強もしていてすごいな~、尊敬するぞ」
シャロ「はわわわゎゎゎ(りぜせんぱいに尊敬するなんていってもらえたぁ~~~……)」
ココア「今シャロちゃんが説明してくれたようにプレート内部には結構な量の水が含まれているんだけど、これが沈みこみ帯で地球内部に沈み込んでいくと、ある程度の深さで水がプレートから出ていきます!」
千夜「地球の内部は高温だし圧力が高いものね」
ココア「そうそう!そしてこの出て行った水がそこにあるマントルを構成しているかんらん石に吸収されます。そうするとどうなるかな?」
メグ「温度と圧力はそれなりに高いから……かんらん石が融ける?」
ココア「そう!それがマグマです!この図を見て!」
出典:気象庁ホームページ-火山噴火の仕組み(https://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/whitep/2-4.html)
マヤ「これは沈み込み型のプレート境界の図だな!」
メグ「今説明してくれたことがまとまっているね」
チノ「マグマだまりはどうしてできるのですか?」
リゼ「地下深くでできたマグマが上昇していったとき、ある程度の深さまで上昇すると周囲の岩石と密度の差がなくなる。するとそれ以上は上昇できないだろ?だからそこにマグマが溜まっていくんだ。これは地下数kmといったあたりにできるらしい。」
シャロ「ここでゆっくりとマグマが冷やされるとまた後で出てくる深成岩ができたり、マグマの性質が変化したりするのよ。あとはマグマに含まれているガス成分(水蒸気など)がマグマと分離してマグマだまり上部に溜まるの。すると圧力が高まったときに爆発的な噴火を起こすのよ」
チノ「説明ありがとうございます。」
リゼ「次に海嶺やホットスポットでの例を考えてみよう」
マヤ「こっちも水が関係するのか?」
ココア「こちらはまたちょっと違うんだよね~」
ココア「海嶺ってプレートが造られて広がっていく境界じゃん、するとプレートが離れていくとどうなると思う?」
メグ「マントルが上昇するよね」
ココア「そう、そして、そのマントル、地下から急に上昇しそうな気がしない?」
チマメ「うーん……」
リゼ「とりあえず、そういうことなんだと思っておいてくれ……」
ココア「急にマントルが上昇すると温度は大きく下がらずに圧力が一気に下がるんだ。圧力が一気に下がったとき融解曲線のXからYへ変化するというのはわかるかな?こうなると、この地点で水がないと仮定したとき、もともと融解曲線から考えて融けないかんらん石が、減圧によって融けそうでしょ?これを減圧溶融と言うんです。」
出典:岐阜大学教育学部理科教育講座地学教室HP-岩石~マグマ~(http://chigaku.ed.gifu-u.ac.jp/chigakuhp/html/kyo/chisitsu/kakougan/rock-magma.html)
地球内部における岩石の融解曲線と地温分布(Kushiro et al.,1968による)
チノ「なんとなくわかりました。」
シャロ「マメちゃんも大丈夫かしら?」
マメ「うん!」
ココア「今は海嶺を例に説明したんだけど、この減圧溶融はホットスポットでも起こることなんだよ~。でもちょっとだけ仕組みが違うの。」
チノ「あの~、ホットスポットってなんでしょうか……?」
ココア「いっけない!まだ説明していなった……まあいいや、この後の説明がホットスポットの説明にもなるよ!」
ココア「第3羽でプレートテクトニクスという考え方について学んだと思うんだけど、もう一つプルームテクトニクスという考え方があるんだよね。プルームというのはマントルの熱での対流と考えてね。お味噌汁を想像してほしいんだけど、熱々のお味噌汁ってお椀の底のほうからお味噌のモクモクが浮かんできて、表面で冷やされた部分は密度が大きくなるから沈んでという動きをするでしょ?簡単に言うと地球のマントルも今そのような対流が起こっているとされているの。プルームテクトニクスではこの上昇する流れをホットプルーム、下降する流れをコールドプルームと言うの。ホットスポットというのはこのホットプルーム上にあるとされていて、湧きあがってきたホットプルーム(マントル物質)から減圧溶融でマグマが作られるといわれているよ。ただ、プルームテクトニクスは研究中の分野だから今後の研究に注目だよ!」
メグ「なんとなくわかったかも~」
ココア「それならOKだよ!」
リゼ「ここで補足だが、かんらん石にはいろいろな成分が含まれていて、融解曲線で溶ける温度になったからと言って必ずしもすべてが融けるわけではないんだ。融けやすい成分から融ける。これを部分溶融という。多くの火山ではこの部分溶融でかんらん石から玄武岩質マグマができ、そこから結晶分化作用でさまざまなマグマになる。今回は詳細は省略する。玄武岩質マグマであったり流紋岩質マグマであったりという風に含まれる成分によってマグマの呼び分けも行われるんだ。参考までに知っておいてな!」
一同「サー、イエッサー!」
千夜「ところで~……」
ココア「千夜ちゃんどうしたの?」
千夜「ここまでのお話について、地学基礎の教科書を確認していたんだけど、結構地学基礎の範囲外な気がするんだけど~……」
リゼ「確かにそうかもしれない。ただ地学オリンピックは地学基礎の教科書全範囲が試験範囲なんだ。これは地学基礎の教科書に書いてある地学基礎の内容が範囲というわけではなく、教科書の隅っこに小さく書いてあることや、発展として基礎なし地学の内容に触れていることまで出題範囲なんだ。だからこの内容は知っていて損ではないぞ~。」
千夜「そうなのね。教えてくれてありがとう♪」
リゼ「さあ、まだまだ行くぞ。ここからの授業はまたわたしが担当する。」
リゼ「ここまでマグマに着目したが、火山から噴出されるものとそれによる火山災害について触れていく。」
ココア「火山噴出物のことだね!」
リゼ「そうだ。ここまでに火山噴出物として何が出てきたか?」
マヤ「まずは溶岩だよな」
チノ「あとはガス成分ですか?」
リゼ「正解。ガス成分は火山ガスと呼ばれるんだ。成分はH₂O(水蒸気)、CO₂(二酸化炭素)、SO₂(二酸化硫黄)、H₂S(硫化水素)などだ。主成分は水蒸気だな。」
メグ「結構危険そうなガスだね」
千夜「実際火山ガスは危険なのよ……火山ガスによって住み慣れた地域を離れて避難生活しなければいけなくなるということも起きるの」
リゼ「しかも火山ガスは人の目で見ると無色透明なので、存在に気づけないこともあってなおさら危険なんだ。火山の近くでは気象庁や自治体などの行政が発表する情報に気を付ける必要があるな。」
リゼ「ほかに火山噴出物として挙げられるのが火山砕屑物というものだ。具体的には火山灰、火山礫、火山岩塊、火山弾、軽石などがある。これらはマグマや山体などが爆発的な噴火で吹き飛ばされたものだ。特に火山灰、火山礫、火山岩塊の三つは下の表のように大きさで名前が分けられているんだ。」
リゼ「ちなみに火山弾は溶岩の塊の表面が固まったもの、軽石は火山ガスが抜けることで穴の開いた構造となっている火山噴出物のことを言う。今回は詳しくは触れないけど、一度画像検索をしてみてみるとイメージで記憶しやすいぞ!」
ココア「火山砕屑物と火山ガスが原因となって起こる災害もあるよね」
リゼ「そうだな。火砕流と火山泥流というものがある。火砕流は火山砕屑物と火山ガスが山の斜面を流れ下る現象で、その速さは時速100km以上になることもある。噴火の際に山が雪もしくは氷河におおわれていると融けて水となったのちに、火山砕屑物と混ざり流れ下ることがある。これを火山泥流と呼ぶ。これも時速100km以上になることもあるのでとても危険だ。」
千夜「江戸時代にはお寺の石段を登るのが間に合わなくて火山泥流に巻き込まれたと思われる事例もあったわよね」
リゼ「あと気を付けなければいけないのは溶岩流だな。2021年には富士山の溶岩流の想定が改定された。それによれば山間部の谷に沿って、神奈川県まで溶岩流が流れるかもしれないとされている。溶岩流は火砕流や火山泥流に比べて速度は遅いが、様々なものを飲み込み進む。」
リゼ「最後に火山灰による災害だ。これは長期間にわたることも多い。具体的には農作物や交通機関、電力をはじめとするインフラに影響を与えたり、直接健康に被害を与えることもある。というのも火山灰はガラス質の粒子を含むので、目や肺を痛めることがあるんだ。風で長距離流されることもあるので、注意が必要だ。」
ココア「こういった災害、私たちはどう備えたらいいの?」
リゼ「まず、今あげた災害は火山災害のハザードマップなどに想定がある。自分の住んでいる地域や滞在する地域のハザードマップをあらかじめ確認しておくことが大切だ。あとは災害発生時必ず想定通りになるとは限らないから、ハザードマップを過信せずに情報収集をすることが大切だな。ちなみに国や自治体のwebサイト、メディア、その他いろいろなところで災害対策と銘打ってどんな対策が必要かの情報は発信されている。だからこれも一度調べて確認してみてほしい。」
シャロ「とりあえず、NHKの「災害列島 命を守る情報サイト(https://www3.nhk.or.jp/news/special/saigai/basic-knowledge/)」を紹介するから一度見てみてね。」
リゼ「よし、最後にまだ教えていない火山地形と世界での火山の分布を勉強したらおしまいにしよう。早く温泉行きたいからな!」
シャロ「結構長い時間になってますけど、温泉の閉館時間はまだ大丈夫そうですね!」
ココア「温泉温泉!」
リゼ「こら、まだ早いぞ。まずは火山地形についてだ。すでに教えたものは楯状火山、成層火山、溶岩ドームの3つ。ちなみに分布も今回の授業を応用すれば大まかに予想できるんだ。溶岩の種類が変化する話は今回簡単に触れたからな!」
マヤ「減圧溶融でできる溶岩は高温の状態で地上に出てくるから玄武岩なんだよな。つまり楯状火山は減圧溶融が起こる環境の近くにできるってことなのか?」
メグ「海溝でできるものはマグマだまりで冷やされるから結晶分化作用?っていうもので安山岩質や流紋岩質になるのかな~?とすると、その近くには成層火山や溶岩ドームができるのかな?」
リゼ「その通り。もちろん例外もあるので、これがすべてとは言えないがな~。さて、まだ紹介していない火山地形、それが溶岩台地とカルデラだ。」
マメ「聞いたことある!」
チノ「あります!」
リゼ「なら話は早い。まず、溶岩台地は粘度の低い溶岩、これまた玄武岩質溶岩が流れ出て重なることでできる台地だ。ちなみにこれの形成にはかなりたくさんの溶岩が必要だとされていて、ホットスポットでの上昇流の比でないほどの大規模な上昇流によって噴き出た溶岩で作られたのではないかともいわれている。」
千夜「カルデラは九州の阿蘇山が有名ね」
リゼ「そうだな。マグマが大量に噴出したとき、マグマだまりに空洞ができ、山体が陥没することでできる地形だ。もともとの山体の中腹が頂点になった外輪山ともともとの山頂付近が外輪山の中央にある中央火口丘で構成される。といってもわかりにくいから、インターネットでカルデラと検索してみるといいぞ。便利な時代だから使い倒さないとな!」
一同「サー、イエッサー!」
リゼ「最後!火山の分布だ!まずは分布の地図を見てみよう」
出典:内閣府-防災情報のページ(https://www.bousai.go.jp/kazan/taisaku/k101.htm)
マヤ「すごい見覚えのある分布だな!」
チノ「地震の震源分布に近い図ですね。」
リゼ「そうなんだよ。特に海溝周辺部の話になるけれども、地震もマグマの発生も海溝付近で起こることだから、それらの分布が似たものになるんだ。」
シャロ「それ以外の火山もマグマの発生するような地点ですね。」
リゼ「そうだな。マグマができないと火山はできない。このように火山が分布している地域帯状だから火山帯と呼び、太平洋周辺域の火山帯を環太平洋火山帯という。」
ココア「用語系でいうと、ほかにも日本列島が典型例の島弧-海溝系というものもあるね。日本列島は海溝で発生したマグマによる火山やそのうち勉強する"付加体"というものでできた、"島弧"というものなんだよね。」
シャロ「マグマはプレートがある程度沈み込んだ先で発生するから、海溝と火山は真上から見ると平行に位置してるように見えて、これを火山前線と言うということも大事よね。」
リゼ「この図のことだな!」
出典:神奈川県温泉地学研究所-日本の温泉(https://www.onken.odawara.kanagawa.jp/modules/study/index.php/content0005.html)
リゼ「よし、最後駆け足になってしまったが、今日の授業はおしまい!」
ココア「温泉!温泉!!」
リゼ「じゃあ授業を終わります。気を付け!礼!」
一同「ありがとうございました!」
~授業後~
ココア「あれ、シャロちゃんと千夜ちゃんとチマメちゃんは?」
リゼ「ココアが準備している間に先に温泉プールへ向かったぞ~」
ココア「じゃあリゼちゃん一緒にいこ!」
リゼ「いいぞ!荷物をまとめたらな!」
ココア「ところでリゼちゃん、今日行く温泉プールってどんな火山の温泉なの?」
リゼ「ん?あそこは非火山性の温泉じゃないのか?」
ココア「え?」