~香風家の夜~
チノ「お風呂に誘おうかと思いましたがココアさん、なかなか降りてきませんね……。」
ティッピー「先に入ってしまわんのか?」
チノ「今日は何となく一緒に入りたい気分なんです。」
(しばらくして)
ココア「いや~チノちゃん、ごめんごめん」
チノ「何やってたんですか、ココアさん……。」
ココア「リゼちゃんが今地学の先生をやってるじゃない?私もやってみたいなーって思って、ほら!」
チノ「おぉ……これはすごいですね。」
ココア「でしょ?頑張って授業用のノート作ったんだー♪これでお姉ちゃんから先生にジョブランクアップだよ!」
チノ(先生は姉の上位職なんでしょうか……?)
~RabbitHouseにて~
リゼ「さあ今日も地学オリンピックに向けて授業をしていくぞ!」
マメ「わ~(パチパチ」
リゼ「と、言いたいところだが……今日はココアに授業をしてもらう!」
ココア「!?」
チノ「やりたいって言ってましたもんね(圧」
ココア「実際にやるとはいってないし――」
チノ「言ってましたもんね(圧」
ココア「お姉ちゃん……いや、先生にまっかせなさーい!!」
ココア「と、いうことで授業を始めます。じゃあシャロty――桐間さん、号令ッ!」
シャロ「!...っ、気を付けっ!!礼!」
チノ(気迫が違います……!?)
リゼのココアの地学基礎講座 -固体地球③-
ココア「まずは前回の復習から。奈津さん、条河さん、プレートがどのようなものか教えてくれるかしら。」
メグ「ええっと、リソスフェアとほとんど同じだから……。地殻とマントルの上の方の固いところだね!」
マヤ「剛体っていうんだよなー、流体のアセノスフェアの上に浮かんでる感じのやつ!」
ココア「That's right!!」
シャロ「ざっつ……え!?」
千夜「ココアちゃんがちゃんとした英語を使っているわ!?」
リゼ「二人とも失礼だな!私も驚いたけど!」
ココア「ということで今日は主にプレートについて扱うよ!……じゃなかった、扱うわよ!さっき説明してくれたようにプレートは地殻と上部マントルでできてる、つまり地球表面はプレートによっておおわれてるのよ。その数は10数枚、それらは海洋プレートと大陸プレートに分類できるんだけど誰かこの二種類の重さについて説明できる人はいるかしら?」
チノ「確か海洋プレートの方が重いんでしたよね、海溝で大陸プレートの下に海洋プレートが沈み込んでたと思うので。」
ココア「香風さん、正解!地球表面では各地でプレートが沈み込んでいますが、これを海溝と言いますね。日本のプレート境界を考えてもらえればわかりやすいかしら。」
千夜「ちょうどこんな感じかしら?創作和菓子『大和撫子の地底旅行』をどうぞ!日本のプレート境界を色の違う寒天で表現したのよ~」
チノ「おお……これは」
リゼ「これは……」
ココア「おいしー!!」
シャロ「食べちゃ意味ないじゃないのよー!!」
千夜「まだあるわよー♪」
メグ「わー、和服の袖って冷蔵庫にもなるんだねー(棒)」
ココア「この緑色の文字のところが大陸プレートだね!青文字のほうが海洋プレートだよ~」
チノ(ココアさんの話し方が治ってます……)
ココア「日本の近くの大陸プレートは2枚!東寄りのものから順に、北米プレートとユーラシアプレートだよ!そして海洋プレートは東から順に太平洋プレートとフィリピン海プレート!みんなきちんと覚えておいてね!」
リゼ「それじゃあ高校生組、それぞれ海洋プレートの沈み込む速度はわかるか?」
シャロ「はい、太平洋プレートが1年あたり約10cmでフィリピン海プレートが1年あたり約4cmですね!」
リゼ「シャロ、正解だぞ!」
ココア「リゼちゃんに先生の座を取られた……。リゼちゃん、仕返しだよ!海溝のことを英語でなんて言うでしょう!」
リゼ「えっとーー」
ココア「Ocean trench (チノ注:地ロリではこんなものでないので覚えなくていいですよ。) だよ!ふっふーん、今日の私は英語もできるんだから!」
リゼ「ココアに、負けた……?」
メグ「そういえばさっきから海溝って言ってるけど、海溝って何かな?」
ココア「そういえば説明してなかったね、プレート境界についても説明しなきゃいけないの忘れてたよー、エヘヘ」
リゼ「おい」
ココア「プレート境界には主に3つの種類があって、それぞれ『収束する境界』『拡大する境界』『すれ違う境界』っていうんだよー。まず、収束する境界から!ここで海溝が登場するんだよね。収束する境界の現れ方は主に二つで、大陸プレートの下に海洋プレートが沈み込む「海溝」と陸のプレート同士の衝突っていうのがあるんだー♪それぞれの具体例、だれか挙げられるかな?」
千夜「海溝の方は日本海溝や小笠原海溝が思いつくけど……陸のプレート同士の方は思いつかないわ。シャロちゃん、わかる?」
シャロ「アルプス-ヒマラヤ造山帯じゃないかしら?インド・オーストラリアプレートがユーラシアプレートに衝突してた気がするわ。」
ココア「シャロちゃん、大正解!それじゃあ次の『拡大する境界』だね!これは海嶺として見る事ができるよ~。たとえばアイスランドのギャオやアフリカの大地溝帯はこれが地上に露出しているものだね!温泉もあるし、いつか行きたいなー♪」
ティッピー(ビクッ)
リゼ「少し補足すると海嶺はアセノスフェアの物質が噴き出してくるところで、これが冷え固まるとプレートになる。海溝で沈み込んだプレートはこうして循環しているんだな。」
ココア「リゼちゃん補足ありがと~♪」
ココア「そしてプレート境界最後の一つ、『すれ違う境界』として有名なのはトランスフォーム断層(横ずれ断層)じゃないかな。中央海嶺の軸のずれの原因がこれだよ!」
マヤ「ちょうどこんな感じだな!」
出典:地震調査研究推進本部ホームページ(https://www.jishin.go.jp/main/pamphlet/mech/f1-11.htm)
ココア「そうそう!ほかに横ずれ断層の例としてはサンアンドレアス断層も挙げられるよ!サンアンドレアス断層は大規模な横ずれ断層だから航空写真とかで判別できることもあるよ!それじゃあ最後に地震とプレートの関係について軽く解説して終わろうかな~。地震の起こり方を説明できる人ー!」
チノ「大陸プレートの下に海洋プレートが沈み込むときのひずみが解放されて起こるんでしたよね。」
シャロ「あとは海嶺や横ずれ断層で起こる地震もあるわね。ほかには沈み込むプレート内部で発生する地震とか?内陸型の断層地震やスラブ内地震は話の流れ的に今日は扱わないかしら。」
ココア「今日はプレートで起こる地震だけだね!今言ってくれた通り、地震の多くはプレート境界で起こるんだよ!この図がわかりやすいし、問題にも出るから震源分布は答えられるようにしておいてね~♪」
メグ「やっぱりこう見るとプレート境界の地震多いね~。」
マヤ「環太平洋造山帯やアルプス-ヒマラヤ造山帯といったいわゆる新期造山帯ってところの分布と近いんだな!」
ココア「おーっとマヤちゃん、その話はまた今度だよ!」
チノ(生徒に先を越されました...!)
ココア「こんな感じで地震の多い場所の事を地震帯っていうんだけど、結構きれいにプレート境界が見えるよね~」
ココア「それじゃあ今日の授業を終わります。天々座さん、号令ッ!」
リゼ「気を付け!礼ッ!」
一同「ありがとうございましたッ!」
~皆の帰宅後~
ココア「ふいー……疲れた~~。大人っぽい口調にすると疲れるねー、チノちゃん。モフモフ」
チノ「途中から普段通りになっていましたよ。あとやめてください。」
ココア「ええええ!?そんな……頑張って話してたのにぃ……。」
チノ「私は今の方がココアさんっぽくて好きでs――」
(珈琲用タイマーの音)
ココア「えっ?」
チノ「なんでもないです。」
リゼ「チノがココアの事好きだってさ。」
チノ「リゼさん!?」