No.4 固体地球 <論述・小問>(★★☆☆☆)
問1 アセノスフェアではその前後と比べて地震波速度が変化する。どのように変化するか、またなぜか。簡潔に説明せよ。
問2 マントル・地殻の主要な構成元素を多い順に4つ並べた組み合わせとして最も適当なものを以下の1~8のうちから選びなさい。
1.O, Si, Al, Fe
2.Fe, O, Si, Mg
3.Mg, Fe, Al, Ni
4.Si, O, Ar, Fe
5.O, Mg, Si, Fe
6.Fe, Ar, Ni, Al
7.Si, O, Al, Fe
8.Mg, Ni, Si, O
問1の解答例: アセノスフェアではその前後と比べて地震波速度が低下する。なぜならアセノスフェアは構成する岩石が、流動性を持った相対的に柔らかい岩石であるから。
解説: 今回は高校地学基礎であれば正解とされる解答を作成した。アセノスフェア(70-300km)は上部や下部に存在する、リソスフェアやメソスフェアと比べると柔らかい層になっている。地震波速度は硬い層で速くなり、柔らかい層では遅くなる。この地震波が遅くなる柔らかい層(のうち、アセノスフェア)を低速度層と呼ぶ。(Story 第3羽参照)
問2の解答: マントル...5 地殻...1
解説: マントルの組成で特徴的かつ有名な点にマグネシウム(Mg)を多く含むということがある。この時点で2, 3, 5, 8に絞ることができる。ニッケル(Ni)は核に5パーセントほど含まれているとされているが、ほかの部分にはそこまで多くは含まれていない。よってNiが含まれるものは除外してよい。これで2, 5に絞り込める。2は鉄が最も多いことになっているが、鉄はマントルに7%ほど含まれていて、最も多いといえるほどは含まれていない。このようなことから正解は5。
地殻の組成の考え方は、地上の岩石にSiO₂が多く含まれているということから考えられると思う。SiO₂が含まれるということでOはSiよりも多いと推定できる。この時点で1, 2, 5に絞り込める。5はマントルの組成であることが分かっているので除外。2はFe・Mgが含まれていることになっているが、Feは近くにおいてはそこまで多くない。Mgが上位4番に登場するのも地球全体とマントルのみ。このようなことから正解は1。