No.1 固体地球<地球の構造>(★★☆☆☆)
問1 地球の構造について述べた文章として最も適切なものを1つ選びなさい
1.海洋地殻は主に玄武岩で構成されており、大陸地殻よりも重く厚いため大陸地殻の下に沈み込んでいる。
2.地殻を構成する元素として一番多いものはケイ素であり、二番目に多いものはアルミニウムである。(重量で比較)
3.核を構成する元素としては、鉄が最も多く約90%を占めており、銅が次に多く約7%を占めている(重量比)。また、物質の状態によって深さ約3500kmを境界に外核と内核に分けられている。
4.地殻の下の深さ約2900㎞までをマントルといい、地球の体積の約80%を占める。
5.上部マントルと下部マントルの境界をモホロビチッチ不連続面といい、モホロビチッチ不連続面では地震波速度が急激に変化する。
問2 地震に関して述べた次の文章のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
1. 地震の規模はマグニチュード(M)で表す。マグニチュードが1増えると地震のエネルギーは32倍になると定義されているため、2増えると約1000倍になるといえる。
2. ある場所における地震動の大きさを震度という。現在、震度は7まで定義され、10段階に分けられている。
3. 地震波はP波とS波に分けられ、P波が伝わる速度はS波よりも速い。また、P波は気体中を伝わることが出来ず、S波は液体と気体の中を伝わることが出来ない。
4. ある地点(観測点)におけるP波が到着してからS波が到着するまでの時間を初期微動継続時間(PS時間)といい、この初期微動継続時間を用いて観測点から震央までの距離を求めることが出来る。
5. 日本で発生する地震は全て、プレート境界で発生する海溝型地震と、断層の活動によって生じる内陸型地震の2種類に分けられる。
問題1 解答: 4
問題1の解説: 正解は4の「地殻の下の深さ約2900㎞までをマントルといい、地球の体積の80%近くを占める。」である。1は大陸地殻よりも「厚い」というところが誤り。また、2は、地殻を構成する元素は酸素、ケイ素、アルミニウムの順に多いので誤りである。3は、まず核の構成元素(重量比)として2番目に多いものが銅となっている点が誤り。核を構成する元素は鉄が最も多く約90%を占め、その他ニッケルが約5%を占めている。さらに、外核と内核の境界を約3500kmと述べているが、正しくは約5100㎞である。また、5はモホロビチッチ不連続を上部マントルと下部マントルの境界と述べているが、正しくは地殻とマントルの境界であることから誤りであると分かる。
問題2 解答:2
問題2の解説:正解は2の「ある場所における地震動の大きさを震度という。現在、震度は7まで定義され、10段階に分けられている。」である。震度は現在0~7までの10段階に分けられている。1は、マグニチュードが2増えると1000倍になるという定義から、1増えると√1000≒32倍と本来は計算するところを、そこの論理構造を逆にしてしまっているため誤り。また、3は「P波は気体中を伝わることが出来ず」と述べているが、P波は固体・液体・気体中を伝わることが出来るので誤りだと分かる。S波は実際に固体中しか伝わることが出来ない。4は、観測点における「初期微動継続時間を用いて観測点から震央までの距離を求めることが出来る」と述べているが、正しくは震央ではなく震源、つまり求めることが出来るのは観測点から震源までの距離である。よって4も誤り。因みに、この観測点における初期微動継続時間を用いて観測点から震源までの距離を求める公式を「大森公式」という。5は、日本で発生する地震は海溝型地震と内陸型地震、そしてプレート内部で発生するプレート内地震などに分けられるため誤りである。