部長 菱谷 恒一 (北九州市立本城中学校)
一 はじめに
今日的な教育課題の一つとして不登校がある。今なお全国的に増加している不登校について、その対応や効果的な取組を知ることは学校経営を進めていくうえで大変意義あるものと考える。そこで指導部では、「不登校への対応と未然防止」に関するアンケート調査を行い、実態把握を行うことで、中学校における生徒指導上の取組のより一層の充実に資するものとするとともに、不登校生徒への適切な支援につなげ、今後の学校経営の一助となるよう研究を進めてきた。
二 調査研究の結果と考察(三二〇校回答)
(一)今回の調査では、1学期間の調査であるが、中学生の不登校の割合はすでに5.13%であり、昨
年度の全国値を上回ることが予測される状況である。その要因としては、小学校から引き続きの不登
校生徒の増加であると推察される。また、保護者との連携については、98.4%の学校が、連携で
きている。
(二)不登校支援のための対応では、親子のふれあいや家庭教育にかかわる指導・支援が他の支援よりも
著しく低く、SC、SSWの活用が回答した学校のほとんどで行われており、家庭に関する支援につ
いて、専門職員への移行が進みつつある。また、不登校生徒の学習評価の取組では、「自宅での課題や
学習成果物」「生徒が登校時に作成した作品、実技、学習記録、自己評価シート」「定期考査等」が8
割を超える学校で行われている。
(三)未然防止の取組については、「家庭訪問や教育相談」「職員や保護者との連携」「SCの面談」「いじ
めの早期発見・早期対応の徹底」など、8割の学校で従来から行われている取組を地道に行ってい
る。また、課題を解決するために必要なことでは、「人的・財政的支援の必要性」をあげる学校が多
いことから、学校では解決できない切実な課題があると言える。
三 おわりに
中学校は、組織的校内体制の構築、および家庭・小学校・関係機関との連携強化を図るとともに、教員のスキルアップと意識改革に一層取り組んでいかなければならない。そして「教職員の多忙化と負担増」を解消するために、中学校長会は、各自治体へ課題解決のための人的・財政的支援の必要性を強く訴えるとともに、教育環境の整備に向けた働きかけを行わなければならないと考える。