「発達支持的生徒指導」の視点を生かした教育活動
田川郡川崎町立川崎中学校
校長 安部 博智
一 学校の概要
本校は、同じ町内にあった旧三中学校が統合し、令和二年四月に開校した学校です。今年で六年目を迎えますが、当初よりも学級数は一減となり、現在は通常学級九クラス、特別支援学級五クラスの計十四学級、三三五名で構成される中規模程度の学校です。生徒は明るく元気で、行事や部活動に全力で取り組んでいます。
二 特色のある教育活動
本町は、令和五年度から三年間、県の重点課題・研究指定委嘱事業を受け、その課題である「生徒指導提要(改訂版)の内容を踏まえた教育活動」について、四小学校・一中学校が一丸となって取組を進めて来ました。その取組の柱は、『すべての教育活動において発達支持的生徒指導の視点を生かしていく』ということです。この趣旨を踏まえ、本校では様々な取組を行って来ましたが、その一例として朝の十分間の時間を活用した「朝学活」の取組と新たな長期欠席生徒を生まない「グレーゾーン会議」を紹介します。
(一)「朝学活」の取組
〝学校生活の基盤は学級である〟ということを年頭に、学校・学級生活をより良くするために、「課題を見い出し、解決に向けて話し合い、役割分担や協力をして実践していくこと」を通して、「人間関係形成、社会参画、自己実現、見方・考え方、課題解決」といった『様々な困難に対して、自他共に自信や希望を持って取り組める力』を身につけてほしいという目的で、昨年度から週二回の割合で取組を行っています。
取組は基本的に年間の行事との関連を意識した形で行われますが、四月当初には、新しいクラスに慣れ、仲間とのコミュニケーションが深まるように、アイスブレイクを活用した取組を行って来ました。朝から教室内に笑い声が広がり、とても良い雰囲気で一日のスタートを切ることができています。そして、徐々に学級や学校生活の課題についても話し合い活動を進め、「評価・改善」を繰り返すことによって、より良い学級・学校づくりに近づいています。なお、この取組の成果は、授業にも活かされていて、以前に比べ、活発な発言や意見交流が増え、
「主体的・対話的で深い学び」に繋がっています。
(二)「グレーゾーン会議」の取組
本校の長期欠席生徒の割合は非常に高く、開校当初は約25%に上っていました。そこで、発達支持的生徒指導の視点に基づいた〝魅力ある学校づくり〟に努め、現在では約5%を削減することができています。その基盤となるのが、「グレーゾーン会議」です。この会議の対象者は、前年度に20日~40日の欠席をした生徒です。対象となった生徒の状況は、2週間に一度の「グレーゾーン会議」で出欠状況や学校での様子を確認します。そして、どのような手立てが有効かを検討し、具体的なアクションを起こします。また、急に欠席が増えた生徒(特に長期休業後)も対象として挙げ、同様な手立てを取っていきます。この取組を継続して行うことによって確実に長期欠席生徒の削減に繋がっています。
三 おわりに
「させる指導」から「支える指導」へと発想を転換し、様々な教育活動を組織的・継続的に行って来ました。今後もさらに、その視点を踏まえ、子どもたちにとって「安全・安心な居場所づくり」「絆づくり」に努めていきたいと考えています。