福岡県中学校長会 会長 藤井浩彦 (大野城市立大野東中学校)
本年度、会長を務めさせていただくことになりました大野城市立大野東中学校の藤井です。皆様方のお力添えをいただきながら、微力ではありますが、精一杯に努めたいと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。
さて、先日、教員給与特別措置法(給特法)の一部改正法律案が参議院本会議で可決・成立しました。これは、文部科学省の動きや尽力はもちろん、福岡県中学校長会をはじめ各都道府県の校長会や全日中校長会などが力を合わせ、長年訴え続けてきた「教員の処遇改善」に向けた大きな一歩です。今後、「教員定数の改正」や「教員の人材確保」、「基本給与の見直し」、「働き方改革」等と一体的に改革していくことが大切であると考えます。
また、昨年十二月から中央教育審議会において検討されはじめた「次期学習指導要領」の改定については、「深刻さを増す少子化・高齢化」「混迷を増すグローバル化」「多様性の重視」「急速なデジタル化」「高まる不確実性」の中で生きていく子どもたちが、生涯にわたって学び続け、自らの人生を舵取りする力を身につけることの重要性をどのように育てていくかという視点が重要であるとの報道もありました。
このように、変化が激しい教育界において、私たち校長は高い志と粘り強さをもって、教育改革に努めていかなければと思います。
本年度、福岡県中学校長会としましては、県内八地区の教育課題を共有しながら、課題解決に取り組んでいきます。特に、次の三点を重点とします。
一点目は「研修」です。研修につきましては、各地区で行われる校長研修大会、十一月の南筑後地区での県大会、八月の全九州熊本大会、十月の全日中香川大会などがありますので、ぜひ、たくさんの校長先生方に参加していただきたいと思います。また、県の評議員会においても、講師をお呼びしての研修に取り組みながら、私たちの見識を深めてまいります。
二点目は、「調査研究」です。県中学校長会の四つの部会で、学校における今日的課題の現状と分析を行い、課題解決のための方途を探っていきます。その結果を研修大会等で共有するとともに、県教委への要望活動へとつないでいきます。
三点目は、「高校入試制度改革」です。一昨年度より、県教育委員会、公立高等学校長協会、私学協会の皆様方と「福岡県の子どもたちにとってのより良い入試制度等」について議論を重ねた結果、入試日程の調整やウェブ出願の実施等にも繋がっています。これもひとえに関係の皆様方が、中学校現場の声を真摯に受け止め対応していただいているおかげです。心より、感謝申し上げます。本年度も、昨年度から発足した「入試制度改革ワーキングチーム」を中心に具体的な論議を重ね、より良い入試制度のあり方等ついて、引き続き検討してまいります。
学校には「いじめや不登校の問題」「特別支援教育の推進」「教員の人材育成」「部活動の地域移行(展開)」など、課題が山積しております。
そのような中でも、福岡県中学校長会におきましては、県下326校の校長が知恵を出し合い、全日中校長会「新教育ビジョン」に示されている「しなやかさ」と「たくましさ」で、課題解決に向かって取り組んでいきたいと思います。ご理解とご協力をよろしくお願いいたします。