東京電気製「仏国型オーヂオン・バルブ」
箱正面
箱側面
電気試験所や海軍主導で、最初期の日本製3極管の実用化に成功したと言えると思います。陸軍にしても、通信技術に有用な3極管は必要でした。陸軍は、1919年に東京電気が製品化した商品名「仏国型オーヂオン・バルブ」を採用することにしました。この「仏国型オーヂオン・バルブ」(型番:UF-101)は、フランスのTM管を模した3極管で、日本で最初の高真空3極管でした。当時の東京電気では、検波・増幅用の3極管を「オーヂオン・バルブ」と称していて、de Forestのオーディオンを範とした「米国型」、TM管を範とした「仏国型」と称して区別していました。
写真の箱(展示予定はありません)に、「仏国型オーヂオン・バルブ」が入っていました。箱の正面には、「オーヂオン・バルブ」の商品名が記載されていて、側面には用途が記載されています。無線送信の用途も記載されていますので、小型の送信管としても使用されていたことが分かります。