このマグネトロンは、第2次大戦末期の1945年頃に日本無線で製造されました。陽極構造は、M-312型マグネトロンと殆ど同じですが、陽極の材質は異なり、水冷されていません。更に、カソードは傍熱型になっていて、M-312型マグネトロンよりも、ピーク時の電流を多く流せるようにしたのではないかと考えています。
この写真とは異なる仕様のM-314型マグネトロンが複数保管されており、同じ型番でありながら、用途に応じて仕様を変更して製造していたものと思われます。尚、M-314型マグネトロンは、軍事用航空機に搭載したレーダーの発振・出力管として使用されていたと言われています。