原本
(例)安全管理 規程(例)
(内航海運業者用)
安 全 管 理 規 程 (例)
(内航海運業者用)
令和 年 月 日
○○○○株式会社
目 次
第1章 総則
第2章 経営トップの責務
第3章 安全管理の組織
第4章 安全統括管理者及び運航管理者等の選解任並びに代行の指名
第5章 安全統括管理者及び運航管理者等の勤務体制
第6章 安全統括管理者及び運航管理者等の職務及び権限
第7章 安全管理規程の変更
第8章 運航計画、配船計画及び配乗計画
第9章 運航の可否判断
第10章 運航に必要な情報の収集及び伝達
第11章 輸送に伴う作業の安全の確保
第12章 輸送施設の点検整備
第13章 海難その他の事故の処理等
第14章 安全に関する教育、訓練及び内部監査等
第15章 雑則
第1章 総則
(目的)
第1条 この規程は、経営トップが定める明確な安全方針に基づき、社内に安全最優先意識の徹底を図り、全社員がこれを徹底して実行すべく、当社の使用する船舶(自社船、定期傭船、運航委託等を含む。)による貨物の運送事業(付随する業務を含む。以下同じ。)を安全、適正かつ円滑に処理するための責任体制及び業務実施の基準を明確にし、もって全社一丸となって輸送の安全を確保することを目的とする。
(用語の意義)
第2条 この規程における用語の意義は、次に定めるところによる。
(1) 「安全マネジメント態勢」とは、経営トップにより、社内で行われる安全管理が、あるべき手順及び方法に沿って確立され、実施され、維持される状態をいう。
(2) 「経営トップ」とは、事業者において最高位で指揮し、管理する個人及びグループをいう。
(3) 「安全方針」とは、経営トップがリーダーシップを発揮して主体的に関与し設定された輸送の安全を確保するための会社全体の意図及び方向性をいう。
(4) 「安全重点施策」とは、安全方針に沿って追求し、達成を目指すための具体的施策をいう。
(5) 「安全統括管理者」とは、経営トップの中から選出した、輸送の安全を確保するための管理業務を統括管理する者をいう。
(6) 「運航管理者」とは、内航海運業法に基づく法令以外の法令に定める船長及び船舶所有者等の職務権限に属する事項以外の船舶の運航の管理に関する統轄責任者をいう。
(7) 「運航管理補助者」とは、運航管理者の職務を補佐する者をいう。
(8) 「運航管理者代行」とは、運航管理者が職務を執行できないとき、その職務を代行する者をいう。
(9) 「船舶所有者等」とは、船舶所有者、船舶管理人及び船舶借入人をいう。
(10) 「運航計画」とは、起終点、寄港地、航行経路、航海速力等に関する計画をいう。
(11) 「配船計画」とは、運航計画を実施するための船舶の特定、当該船舶の回航及び入渠等に関する計画をいう。
(12) 「配乗計画」とは、乗組員の編成及びその勤務割りに関する計画をいう。
(13) 「発航」とは、現在の停泊場所を解らんして次の目的港への航海を開始することをいう。
(14) 「港内」とは、港則法に定める港の区域内(港則法に定めのない港については港湾法に定める港湾区域内、港則法又は港湾法に定めのない港については社会通念上港として認められる区域内)をいう。ただし、港域が広大であって船舶の運航に影響を与えるおそれのない港域を除く。
(15) 「入港」とは、港の区域内、港湾区域内等において、狭水路、関門等を通航して防波堤等の内部へ進航することをいう。
(16) 「運航」とは、発航、速力基準による航行の継続入港(着岸)を行うことをいう。
(17) 「反転」とは、目的港への航行の継続を中止し、発航港へ引返すことをいう。
(18) 「気象・海象」とは、風速(10分間の平均風速)、視程(目標を認めることができる最大距離。ただし、視程が方向によって異なるときは、その中の最小値をとる。)及び波高(隣り合った波の峰と谷との鉛直距離)をいう。
(19) 「船舶上」とは、船舶の舷側より内側をいう。ただし、舷てい、歩み板等船舶側から架設されたものがある場合はその先端までを含む。
(20) 「陸上」とは、船舶上以外の場所をいう。ただし陸上施設の区域内に限る。
(21) 「危険物」とは、危険物船舶運送及び貯蔵規則第2条に定める危険物をいう。
(22) 「陸上施設」とは、岸壁(防舷設備を含む。)、可動橋等貨物の積み卸しの用に供する施設をいう。
(運航基準及び事故処理基準)
第3条 この規程の実施を図るため、運航基準及び事故処理基準を定める。
2 船舶の運航については、この規程及び運航基準に定めるところによる。
3 事故発生時の非常連絡の方法、事故処理組織、その他事故の処理に必要な事項については、この規程及び事故処理基準に定めるところによる。
第2章 経営トップの責務
(経営トップの主体的関与)
第4条 船舶による輸送の安全の確保のため、経営トップは次に掲げる事項について主体的に関与し、当社全体の安全マネジメント態勢を適切に運営する。
(1) 関係法令及び社内規程の遵守と安全最優先の原則の徹底
(2) 安全方針の設定
(3) 安全重点施策の策定及び確実な実行
(4) 重大な事故等に対する確実な対応
(5) 安全マネジメント態勢を確立し、実施し、維持するために、かつ、輸送の安全を確保するために必要な要員、情報、輸送施設等を確実に使用できるようにすること
(6) 安全マネジメント態勢の見直し
(経営トップの責務)
第5条 経営トップは、確固たる安全マネジメント態勢の実現を図るため、その責務を的確に果たすべく、次条以下に掲げる内容について、確実に実施する。
(安全方針)
第6条 経営トップは、安全管理にかかわる当社の全体的な意図及び方向性を明確にした安全方針を策定し、当社内部へ周知する。
2 安全方針には輸送の安全確保を的確に図るために、次の事項を明記する。
(1) 関係法令及び社内規程の遵守と安全最優先の原則
(2) 安全マネジメント態勢の継続的改善
3 安全方針は、その内容について効果的・具体的な実現を図るため、経営トップの率先垂範により、周知を容易かつ効果的に行う。
4 安全方針は必要に応じて見直しを行う。
(安全重点施策)
第7条 安全方針に沿って、具体的な施策を実施するため、安全重点施策を策定し実施する。
2 安全重点施策は、それを必要とする部門や組織の階層グループがそれぞれ策定し、その達成度が把握できるような実践的かつ具体的なものとする。
3 安全重点施策は、これを実施するための責任者、手段、日程等を含むものとする。
4 安全重点施策を毎年、進捗状況を把握するなどして見直しを行う。
第3章 安全管理の組織
(安全管理の組織)
第8条 この規程の目的を達成するため、次のとおり安全統括管理者、運航管理者及び運航管理補助者を置く。
(例)
(1) 本 社 安全統括管理者 1 人
運航管理者 ○ 人
運航管理補助者 若干人
(2) 営業所 運航管理補助者 若干人
2 ○人の運航管理者の責任及び指揮命令系統を明確にするため、運航管理者の序列を定め、又は分担を明らかにする「運航管理者分担表」を定める。
第4章 安全統括管理者及び運航管理者等の選解任並びに代行の指名
(安全統括管理者の選任)
第9条 経営トップは、経営トップに位置づけられ、内航海運業法施行規則第13条の2各号のいずれにも該当する者の中から安全統括管理者を選任する。
(運航管理者の選任)
第10条 経営トップは、安全統括管理者の意見を聴いて内航海運業法施行規則第13条の3各号のいずれにも該当する者の中から運航管理者を選任する。
(安全統括管理者及び運航管理者の解任)
第11条 経営トップは、安全統括管理者又は運航管理者が次の各号のいずれかに該当することとなったときは、当該安全統括管理者又は運航管理者を解任するものとする。
(1) 国土交通大臣の解任命令が出されたとき。
(2) 身体の故障その他やむを得ない事由により職務を引続き行うことが困難になったとき。
(3) 安全管理規程に違反することにより、安全統括管理者又は運航管理者がその職務を引続き行うことが輸送の安全の確保に支障を及ぼすおそれがあると認められるとき。
(運航管理補助者の選任及び解任)
第12条 経営トップは、安全統括管理者及び運航管理者の推薦により運航管理補助者を選任する。
2 経営トップは、安全統括管理者及び運航管理者の意見を聴いて運航管理補助者を解任する。
(運航管理者代行の指名)
第13条 運航管理者は、本社(主たる営業所を含む。以下同じ。)の運航管理補助者の中から運航管理者代行を指名しておくものとする。
2 前項の場合において、運航管理者は2人以上の者を順位を付して指名することができる。
第5章 安全統括管理者及び運航管理者等の勤務体制
(安全統括管理者の勤務体制)
第14条 安全統括管理者は、常時連絡できる体制になければならない。
2 安全統括管理者がその職務を執ることができないときは経営トップが職務を執るものとする。
(運航管理者の勤務体制)
第15条 運航管理者は、船舶が運航している間は、常に連絡がとれる体制になければならない。
2 運航管理者は、前項の連絡の不能その他の理由により、その職務を執ることができないと認めるときは、あらかじめ運航管理者代行にその職務を引継いでおくものとする。ただし、引継ぎ前に運航管理者と運航管理補助者の連絡が不能となったときは、連絡がとれるまでの間運航管理者代行が自動的に運航管理者の職務を執るものとする。
(運航管理補助者の勤務体制)
第16条 運航管理補助者は、管理又は分担している船舶が運航している間は、常に連絡がとれる体制になければならない。勤務中、やむを得ず職場を離れる等その職務を執ることができないときは、あらかじめその旨を運航管理者に連絡し、運航管理者又は別の運航管理補助者が職務を執らなければならない。
第6章 安全統括管理者及び運航管理者等の職務及び権限
(安全統括管理者の職務及び権限)
第17条 安全統括管理者の職務及び権限は、次のとおりとする。
(1) 安全マネジメント態勢に必要な手順及び方法を確立し、実施し、維持すること。
(2) 安全マネジメント態勢の課題又は問題点を把握するために、安全重点施策の進捗状 況、情報伝達及びコミュニケーションの確保、事故等に関する報告、是正措置及び予防措置の実施状況等、安全マネジメント態勢の実施状況及び改善の必要性の有無を経営トップへ報告し、記録すること。
(3) 関係法令等の遵守と安全最優先の原則を当社内部へ徹底するとともに、安全管理規程の遵守を確実にすること。
(運航管理者の職務及び権限)
第18条 運航管理者の職務及び権限は、次のとおりとする。
(1) この規程の次章以下に定める職務を行うほか、船舶の運航の管理及び輸送の安全に 関する業務全般を統轄し、安全管理規程の遵守を確実にしてその実施を図ること。
(2) 船舶の運航に関し、船舶所有者等及び船長と協力して輸送の安全を図ること。
(3) 運航管理補助者を指揮監督すること。
2 運航管理者の職務及び権限は、法令に定める船長及び船舶所有者等の職務及び権限を侵し、又はその責任を軽減するものではない。
(運航管理補助者の職務)
第19条 運航管理補助者は、運航管理者を補佐し、運航管理者がその職務を執行できないときは、第13条第2項の順位に従いその職務を代行するものとする。
第7章 安全管理規程の変更
(安全管理規程の変更)
第20条 安全統括管理者又は運航管理者は、それぞれの職務に関し、関係法令の改正、社内組織又は使用船舶の変更等、この規程の内容に係る事項に常に留意し、当該事項に変更が生じたときは必要に応じ船舶所有者等及び船長の意見を聴取のうえ、遅滞なく規程の変更の発議をしなければならない。
2 経営トップは、前項の発議があったときは、関係の責任者の意見を参考として規程の変更を決定する。
第8章 運航計画、配船計画及び配乗計画
(運航計画及び配船計画の作成及び改定)
第21条 運航管理者は、当社が運航計画又は配船計画を作成又は改定する場合、これらに関連する安全性の確保等について検討するものとする。
2 運航管理者による前項の検討においては、次に掲げる事項について考慮するものとする。
(1) 使用船舶の性能、使用港の港勢、航路の交通状況及び自然的性質、使用船舶と陸上施設の適合性、運航スケジュール等
(2) 乗組員の適切な労働時間
3 運航管理者は、前項第2号について、船舶所有者等を通じて確認しなければならない。
4 運航管理者は、船舶所有者等から、乗組員の労働時間、作業による心身への負荷その他乗組員の状況に鑑み、運航計画又は配船計画の改定の必要があるとして意見を受けた場合は、その意見を尊重しなければならない。
(配乗計画の作成及び改定)
第22条 船舶所有者等が配乗計画を作成又は改定する場合は、法定職員の乗り組み及び航海当直体制の維持等に関する安全性の確保、乗組員の適切な労働時間等を考慮のうえ、検討するものとする。
2 運航管理者は、作成又は改定された配乗計画について、適切なものとなっているかを確認し、支障があると認められる場合は、船舶所有者等に対して配乗計画を改定するよう助言しなければならない。
(運航計画、配船計画及び配乗計画の臨時変更)
第23条 船舶、陸上施設、港湾の状況、航行経路等が船舶の安全運航に支障があると認められる場合は、船長、運航管理者及び船舶所有者等は、協議により運航休止、寄港地変更、航行経路の変更等の運航計画、配船計画又は配乗計画の臨時変更の措置をとらなければならない。
2 次の各号のいずれかに該当する場合は、船長、運航管理者及び船舶所有者等は、協議により必要があると認められる場合は、運航休止、寄港地変更、航行経路の変更等の運航計画、配船計画又は配乗計画の臨時変更の措置をとらなければならない。
(1) 運航管理者が、船舶所有者等から、乗組員の労働時間、作業による心身への負荷その他乗組員の状況に鑑み、運航計画又は配船計画の臨時変更の必要があるとして意見を受けた場合
(2) 運航管理者が、作成又は改定された配乗計画について、適切なものとなっているかを確認し、支障があると認め、船舶所有者等に対して配乗計画を臨時変更するよう助言した場合
第9章 運航の可否判断
(運航の可否判断)
第24条 船長は、適時、運航の可否判断を行い、気象・海象が一定の条件に達したと認めるとき又は達するおそれがあると認めるときは、運航中止の措置をとらなければならない。
2 船長は、運航の中止に係る判断が困難であると認めるときは、運航管理者と協議するものとする。
3 運航管理者は、台風等の荒天時において、船長からの求めがある場合には、第29条各事項の情報提供を行うとともに、必要に応じ、避航や錨泊による運航中止の措置に関する助言等適切な援助に努めるものとする。
4 第2項の協議において両者の意見が異なるときは、運航を中止しなければならない。
5 船長は、運航中止の措置をとったときは、速やかに、その旨を運航管理者に連絡しなければならない。
6 運航管理者は、船長が運航中止の措置又は運航の継続措置をとったときは、速やかにその旨を安全統括管理者へ連絡しなければならない。
7 運航中止の措置をとるべき気象・海象の条件及び運航中止の後に船長がとるべき措置については、運航基準に定めるところによる。
(運航管理者の指示)
第25条 運航管理者は、運航基準の定めるところにより運航が中止されるべきであると判断した場合において、船長から運航を中止する旨の連絡がないとき又は運航する旨の連絡を受けたときは、船長に対して運航の中止を指示するとともに、安全統括管理者へ連絡しなければならない。
2 運航管理者は、いかなる場合においても船長に対して発航、航行の継続又は入港を促し若しくは指示してはならない。
(経営トップ又は安全統括管理者の指示)
第26条 経営トップ又は安全統括管理者は、濃霧注意報の発令など運航基準の定めるところにより運航を中止するおそれがある情報を入手した場合、直ちに、運航管理者へ運航の可否判断を促さなければならない。
2 経営トップ又は安全統括管理者は、運航管理者から船舶の運航を中止する旨の連絡があった場合、それに反する指示をしてはならない。
3 経営トップ又は安全統括管理者は、船長が運航の可否判断を行い、運航を継続する旨の連絡が(運航管理者を経由して)あった場合は、その理由を求めなければならない。理由が適切と認められない場合は、運航中止を指示しなければならない。
(運航管理者の援助措置)
第27条 運航管理者は、運航管理者と船長の協議に基づき船長から臨時寄港する旨の連絡を受けたときは、当該寄港地における使用岸壁の手配等適切な援助を行うものとする。
(運航の可否判断の記録)
第28条 運航管理者及び船長は、運航中止基準にかかる情報、運航の可否判断、運航中止の措置及び協議の結果等を記録しなければならない。
第10章 運航に必要な情報の収集及び伝達
(運航管理者の措置)
第29条 運航管理者は、(海運代理店業者等を活用して)次に掲げる事項を把握し、(4)については必ず、その他の事項については必要に応じ船長に連絡するものとする。
(1) 気象・海象に関する情報
(2) 港内事情、航路の自然的性質
(3) 陸上施設の状況
(4) 水路通報、港長公示等官公庁の発する運航に関する情報
(5) 船舶の動静
(6) その他、航行の安全の確保のために必要な事項
(船舶所有者等の措置)
第30条 船舶所有者等は、水路通報、海図に関する情報を船長に連絡するものとする。
(船長の措置)
第31条 船長は、次に掲げる場合には(海運代理店業者等を活用して)必ず運航管理者に連絡しなければならない。
(1) 発航前検査(点検)を終え、出港するとき
(2) 運航基準に定められた通常連絡を行うとき
(3) 入港したとき
(4) 事故処理基準に定める事故が発生したとき
(5) 運航計画又は航行の安全に係わりを有する船体、機関、設備等の修理又は整備を必要とする事態が生じたとき
2 船長は、次に掲げる事項の把握に努め、必要に応じ運航管理者に連絡するものとする。
(1) 気象・海象に関する情報
(2) 航行中の水路の状況
第11章 輸送に伴う作業の安全の確保
(危険物等の取扱い)
第32条 危険物その他の乗務員等の安全を害するおそれのある物品の取扱いは、法令に定めるところによる。
(発航前点検)
第33条 船長は、発航前に船舶が航海に支障ないかどうか、その他航海に必要な準備が整っているかどうか等を点検しなければならない。
(船内点検)
第34条 船長は、離岸後速やかに乗組員に対して必要と認める場所を点検させ、異常の有無を確認させなければならない。
2 船内点検員は、異常を発見したときは船長の指示を受けて所要の措置を講じなければならない。ただし、急を要する場合であって船長の指示を受ける時間的余裕がないときは、適切な措置を講ずるとともに速やかに船長に報告するものとする。
3 船内点検員は、異常の有無を船長に報告するものとする。
(飲酒等の禁止)
第35条 安全統括管理者等は、アルコール検知器を用いたアルコール検査体制を構築しなければならない。
2 乗組員は、飲酒等の後、正常な当直業務ができるようになるまでの間及びいかなる場合も呼気1リットル中のアルコール濃度が0.15mg以上である間、当直を実施してはならない。
3 船長は、乗組員が飲酒等の後、正常な当直業務ができるようになるまでの間及びいかなる場合も呼気1リットル中のアルコール濃度が0.15mg以上である間、当直を実施させてはならない。
第12章 輸送施設の点検整備
(船舶検査結果の確認)
第36条 運航管理者及び船舶所有者等は、船舶が法令に定める船舶検査を受検・合格し、運航に問題が無い状態であることを確認しておくものとする。
(船舶の点検整備)
第37条 船長は、船舶の船体、機関、諸設備、諸装置等について、点検簿を作成し、それに従って、原則として毎日1回以上点検を実施するものとする。ただし、当日、発航前検査を実施した事項については点検を省略することができる。
2 船長は、前項の点検中、異常を発見したときは、直ちにその概要を運航管理者及び船舶所有者等に報告し、修復整備の措置を講じなければならない。
3 船舶所有者等は前項の報告を受けた場合、関係者に対し当該状況を通報し、乗組員が行った措置に関する検討又は修復整備を求め、運航管理者はこれを監督する。
第13章 海難その他の事故の処理等
(事故処理にあたっての基本的態度)
第38条 船舶の運航に関わるすべての者は、事故の処理にあたっては、次に掲げる基本的態度で臨むものとする。
(1) 人命の安全の確保を最優先とすること。
(2) 事態を楽観視せず常に最悪の事態を念頭におき措置を講ずること。
(3) 事故処理業務は、すべての業務に優先して実施すること。
(4) 船長の対応措置に関する判断を尊重すること。
(5) 陸上関係者は、陸上で取り得るあらゆる措置を講ずること。
(船長のとるべき措置)
第39条 船長は、船舶に事故が発生したときは、まず始めに、人命の安全の確保のための万全の措置、事故の拡大防止のための措置等必要な措置を講ずるとともに、事故処理基準に定めるところにより、事故の状況及び講じた措置を速やかに運航管理者及び海上保安官署等に連絡しなければならない。この場合において措置への助言を求め、援助を必要とするか否かの連絡を行わなければならない。
2 船長は、自船が重大かつ急迫の危険に陥った場合又は陥るおそれがある場合は、直ちに遭難通信(遭難信号)又は緊急通信を発しなければならない。
3 船長は、第1項及び第2項による措置に支障を及ぼさないことに留意しつつ、船舶所有者等へ連絡するものとする。
(運航管理者のとるべき措置)
第40条 運航管理者は、船舶からの連絡等によって事故の発生を知ったとき又は船舶の動静を把握できないときは、事故処理基準に定めるところにより必要な措置を講ずるとともに、安全統括管理者及び船舶所有者等へ速報しなければならない。
(船舶所有者等のとるべき措置)
第41条 船舶所有者等は、事故の発生を知ったときは、海上保安官署への連絡、保険会社への通報等必要な対応措置を講じなければならない。
(経営トップ及び安全統括管理者のとるべき措置)
第42条 安全統括管理者は、運航管理者等からの連絡により事故の発生を知ったときは、事故処理基準に定めるところにより必要な措置をとるとともに、経営トップへ速報しなければならない。
2 経営トップ及び安全統括管理者は、事故状況、被害規模等を把握・分析し、船舶所有者等と協力して、適切に対応措置を講ずること。また、現場におけるリスクを明確にし、必要な対応措置を講じなければならない。
(事故の処理)
第43条 事故の処理は、事故処理基準に定める事故処理組織により行うものとする。
(通信の優先処理)
第44条 事故関係の通信は、最優先させ、迅速かつ確実に処理されなければならない。
(関係官署への報告)
第45条 運航管理者は、事故の発生を知ったときは、速やかに所管運輸局等及び海上保安官署にその概要及び事故処理の状況を報告しなければならない。
(例1)(事故調査委員会)
第46条 経営トップは、事故の原因及び事故処理の適否を調査し、事故の再発の防止及び事故処理の改善に資するため、必要に応じ事故調査委員会を設置するものとする。
2 事故調査委員会の構成は、事故処理基準に定めるところによる。
(例2)(事故の原因等の調査)
第46条 安全統括管理者及び運航管理者は、事故の原因及び事故処理の適否を調査し、事故の再発の防止及び事故処理の改善を図るものとする。
第14章 安全に関する教育、訓練及び内部監査等
(安全教育)
第47条 安全統括管理者及び運航管理者は、運航管理補助者、船舶所有者等、乗組員、安全管理に従事する者、内部監査を行う者に対し、安全管理規程(運航基準及び事故処理基準を含み、船舶の運航に関するものに限る。)、船員法及び海上衝突予防法等の関係法令その他輸送の安全を確保するために必要と認められる事項について理解しやすい具体的な安全教育を定期的に実施し、その周知徹底を図らなければならない。
2 船舶所有者等は、乗組員に対し、第1項に準じた教育を行わなければならない。
3 運航管理者及び船舶所有者等は、航路の状況、海難その他の事故及びインシデント(事故等の損害を伴わない危険事象)事例を調査研究し、随時又は前項の教育に併せて乗組員に周知徹底を図るものとする。
(操練)
第48条 船長は、法令に定める操練を行ったときは、その実施状況を運航管理者及び船舶所有者等に報告するものとする。
(訓練)
第49条 安全統括管理者及び運航管理者は、経営トップの支援を得て年1回以上事故処理に関する訓練を実施するよう適切に措置しなければならない。訓練は、全社的体制で処理する規模の事故を想定した実践的なものとする。この場合、前条の操練は当該訓練に併せて行うことができる。
(記録)
第50条 運航管理者及び船舶所有者等は、前3条の教育等を行ったときは、その概要を記録しておくものとする。
(内部監査及び見直し)
第51条 内部監査を行う者は、経営トップの支援を得て関係者とともに年1回以上、船舶及び安全管理規程の遵守状況の他、安全マネジメント態勢全般にわたり内部監査を行うものとする。さらに、重大事故が発生した場合にはすみやかに実施する。
2 内部監査にあたっては、経営トップは、その重要性を社内に周知徹底する。
3 内部監査を行うに際し、安全マネジメント態勢の機能全般に関し見直しを行い、改善の必要性、実施時期について評価し、改善に向け作業する。
4 内部監査及び見直しを行ったときは、その内容を記録する。
5 内部監査を行う者は、特に陸上側の安全マネジメント態勢について、監査の客観性を確保するため当該部門の業務に従事していない者が監査を行う。
第15章 雑則
(安全管理規程等の備付け等)
第52条 安全統括管理者及び運航管理者は、それぞれの職務に応じ、安全管理規程(運航基準及び事故処理基準を含む。)を船舶、営業所、船舶所有者等の事務所その他必要と認められる場所に、容易に閲覧できるよう備付けなければならない。
第53条 安全マネジメント態勢を確立し、実施し、維持するために、それぞれの職務に関し作成した各種文書はそれぞれの職務に応じ適切に管理する。
(情報伝達)
第54条 安全統括管理者は、パソコン、社内LAN等を活用した輸送の安全の確保に関する情報のデータベース化を行うとともに容易なアクセス手段を用意する。
2 輸送の安全に係る運航・整備等輸送サービスの実施に直接携わる部門が、現場の顕在的課題、潜在的課題等を、経営トップへの直接上申する手段(目安箱、社内メール等)を用意する。
3 安全統括管理者は、前項の上申又はその他の手段により得られた安全にかかる意見の把握に努め、その検討、実現反映状況等について社内に周知する。
4 安全統括管理者は、輸送の安全を確保するために講じた措置を(所属団体等を活用して)適宜の方法により外部に公表しなければならない。また、輸送の安全にかかる情報を(所属団体等を活用し)適時、外部に対して公表する。
(連絡等経由)
第55条 運航管理者と船舶との間の連絡等は、必要に応じ、船舶所有者等及び海運代理店業者等を経由することができる。
(運航管理者の指揮)
第56条 運航管理者が行うべき事項は、運航管理者の指揮監督のもと運航管理補助者が行うことができる。また、運航管理者への連絡は、運航管理者の指定する運航管理補助者への連絡でも差し支えない。
附 則
この規程は、令和 年 月 日より実施する。
参考:安全管理規程 作成要領
※届出の際には、作成要領の届出は必要ありません。
※船長が運航管理者を兼務している場合、この作成要領と別表を参照して作成すること。
※なお、安全統括管理者は運航管理者を兼務できるが、経営トップに位置づけられていない運航管理者は安全統括管理者を兼務できない。
第2条関係
1 「(10) 運航計画」
河川湖沼船(以下「河」と略称。各基準も同じ。)の場合は寄港地がない場合が多いので、該当しない語句は削除する。航路の実態に応じて規定する。
2 「(11) 配船計画」
多数の船舶を運航し、かつ、その営業形態から船舶をあらかじめ特定することが困難な航路の場合は次のように規定することができる。
「需要に見合う配船、入渠等に関する計画」
3 「(12) 配乗計画」
上記2のような場合は次のように規定することができる。
「乗組員の編成及び配員に関する計画」
4 「(14) 港内」
(1) 港の実態に応じて規定してよい。例えば航路のすべての港が港則法に定める港の場 合は「港則法に定める港の区域内」と規定する。
(2) 「河」の場合は規定する必要はない。
5 「(15)入港」
入港の形態がない場合、例えば「河」の場合は規定する必要はない。また、運航基準第4条において「入港の可否判断」に代えて「着岸の可否判断」として規定する場合も規定する必要はない。
6 「(18) 気象・海象」
「河」の場合には「海象」を「水象」とし、水位を規定する必要がある場合は「風速(・・・)、視程(・・・)、波高(・・・)及び水位」と規定する。
第3条関係
内航海運業は、不定期航路が多いことから、運航基準は様々な航路を統合した基準を作成する。
第8条関係
1 安全統括管理者は、事業者が複数の輸送事業を兼務で営んでいる場合、輸送事業ごとに安全統括管理者を選任するのが通常と考えられるが、安全統括管理者の要件に適合するのであれば、複数の事業の安全統括管理者を1名の安全統括管理者が兼務しても差し支えない。
2 運航管理補助者が1人の場合は第1項(例)中「若干人」を「1人」と規定して差し支えない。
3 本社がすべてを管理している場合は、第2項は設けない。
4 運航管理者が営業所に置かれている場合は、第1項(例)中「本社」を「○○営業所」とする。
5 第3項の運航管理者分担表では、各運航管理者の分担を明確にすること。
第9条関係
(例)に準拠した内容を規定すること。
安全統括管理者は要件に該当すれば社長が兼務しても差し支えない。
第10条関係
(例)に準拠した内容を規定すること。
原則として運航管理者は、船長その他の船舶乗組員以外の者を選任することとするが、常時運航している船舶が1隻のみである場合は、船長が運航管理者を兼務して差し支えない。また、航路距離が短く、常時運航している船舶数が2~3隻であって、一船の船長が他船の運航について管理可能であれば、船長が運航管理者を兼務しても差し支えない。
第12条関係
(例)に準拠した内容を規定すること。
第13条関係
1 運航管理者が営業所に置かれている場合は、第1項中「本社」を「○○営業所」とする。
2 本社の運航管理補助者が1人の場合は第2項を規定する必要はなく、第1項を「運航管理者は、本社の運航管理補助者を運航管理者代行に指名しておくものとする。」と規定する。将来の増員を考えて(例)のとおり規定しておくことは差し支えない。
第14条~第17条関係
(例)に準拠した内容を規定すること。
第18条関係
(例)に準拠した内容を規定すること。
船員法非適用船を使用している場合は、第2項中「法令に定める」を「従来の」とする。
第21条関係
(例)に準拠した内容を規定すること。
「河」の場合は、第2項第1号を次のように規定する。
「使用船舶の性能、○○河(○○湖)の自然的性質等」
第22条関係
(例)に準拠した内容を規定すること。
第23条関係
(例)に準拠した内容を規定すること。
「河」の場合は「陸上施設、港湾」を「又は陸上施設」とし、寄港地がない場合は「寄港地変更」を削除する等航路の実態に応じて規定する。
第24条関係
(例)に準拠した内容を規定すること。
第25条関係
(例)に準拠した内容を規定すること。
「河」その他運航基準において「入港の可否判断」に代えて「着岸の可否判断」として規定している場合は、第2項中「入港」を「着岸」とする。
第29条関係
(例)に準拠した内容を規定すること。
「河」の場合には(2)は「○○川の状況」又は「○○湖の状況」とし、(4)及び(5)は削除する。
第31条関係
(例)に準拠した内容を規定すること。
1 船員法非適用船舶の場合は、第1項中「発航前検査」を「発航前点検」、「始業点検」等とする。
2 「河」の場合は、第2項(1)中「海象」を「水象」とする。
第32条関係
その他の船員乗務員等の安全を害するおそれのある物品とは、刀剣、銃器、兵器、荷造りの不完全なもの、破損しやすいもの等をいう。
第33条関係
1 船員法非適用船舶の場合は、同適用船舶に準じて点検個所、点検要領を定めた点検簿を作成し、同点検簿に従って発航前点検を行うよう規定する。
2 「発航前点検」は「発航前検査」又は「始業点検」としても差し支えない。
第35条関係
「アルコール検知器を用いたアルコール検査体制」の確実な実施のため、社内規定等において、各事業者におけるアルコール検査の実施方法等について具体的に示したアルコール検査要領等を整備すること。
第37条関係
1 点検簿には点検者、点検個所等を定めておくものとする。
2 船舶点検実施要領を定めている場合は、第1項を次のように規定する。
「船長は、船舶点検実施要領に基づいて船舶の船体、機関、諸設備、諸装置等の点検を実施するものとする。」
3 第33条を発航前点検としている場合は、第1項中「発航前検査」を「発航前点検」とする。
4 「その他の輸送施設」とは、桟橋、浮桟橋、岸壁等をいうが、内航海運業者自身の管理物でない場合は、定めなくてよい。
第38条関係
(例)に準拠した内容を規定すること。
第39条関係
(例)に準拠した内容を規定すること。
1 「河」の場合は、第1項中「海上保安官署等」を「警察官署等」とする。
2 通信波の関係等により、船舶から直接、海上保安官署等へ連絡できない場合は、第1項中「及び海上保安官署等」を削除してよい。
3 無線設備がない場合は、第2項を次のように規定する。
「2 船長は、自船が重大かつ急迫の危険に陥った場合又は陥るおそれがある場合は、直ちに遭難信号を発しなければならない。なお、(携帯)電話がある場合は、併せて「118番」(「河」の場合は「110番」)へ通報しなければならない。」
第40条関係
(例)に準拠した内容を規定すること。
第45条関係
(例)に準拠した内容を規定すること。
「河」の場合は「及び海上保安官署」を削除する。また、警察官署に事故報告をすることとなっている場合は「海上保安官署」を「警察官署」とする。
第46条関係
(例1)は、事故調査委員会を設置する場合の規定例、(例2)は比較的組織が小さく事故調査委員会を設置するまでもない場合の規定例である。
第47条関係
1 「河」の場合は、「船員法及び海上衝突予防法等の関係法令」を削除し、「都道府県が条例で定める水上交通関係規則」を追加する。
2 船員法非適用船舶の場合は「船員法及び」を削除する。
第48条関係
船員法に定める操練が適用される場合の規定例である。
別表 船長が運航管理者である場合
条項
常時就航している船舶が複数の場合
常時就航している船舶が1隻の場合
第8条(安全管理の組織)
第1項
(例)(1)本社(○○丸)運航管理者(船長)1人
左に同じ
第13条(運航管理者代行の指名)
第1項
「運航管理者は、船長又は本社の運航管理補助者の中から運航管理者代行を指名しておくものとする。」
「運航管理者は、先任の航海科員(海技従事者)又は本社の運航管理補助者の中から運航管理者代行を指名しておくものとする。」
第15条(運航管理者の勤務体制)
第2項
「前項の連絡の不能」を「下船」とする。
左に同じ
第18条(運航管理者の職務及び権限)
第1項
(2)中、「船舶所有者等及び船長と協力して」を削除する。
第2項
削除する。
第23条(運航計画、配船計画及び配乗計画の臨時変更)
「船長、運航管理者及び船舶所有者等は」を「運航管理者(船長)は」とする。
第24条(運航の可否判断中止)
第2項
第4項
第5項
削除する。
第25条(運航管理者の指示)
運航管理者(船長)は運航を中止する場合、安全統括管理者を経由して経営トップへ連絡しなければならない。
〃
第27条(運航管理者の援助措置)
削除する。
〃
第29条(運航管理者の措置)
本文を次のように規定する。
「運航管理者は、次に掲げる事項を把握しておくものとする。」
第31条(船長の措置)
削除する。
第36条(船舶検査結果の確認)
削除する。
第37条(船舶の点検整備)
第2項
削除する。
第39条(船長のとるべき措置)
第1項
「運航管理者及び」を削除する。
第48条(操練)
「運航管理者」を削除する。
(注) 常時就航している船舶が1隻の場合、条文中「運航管理者は、・・・・」を「船長は、・・・」としても支障ない場合があるが、運航管理者の職務権限と船長の職務権限を明確にするという見地から上記のとおり例示したものである。
附 則
附 則
この規程は、令和 年 月 日より実施する。
参考:安全管理規程 作成要領
※届出の際には、作成要領の届出は必要ありません。
※船長が運航管理者を兼務している場合、この作成要領と別表を参照して作成すること。
※なお、安全統括管理者は運航管理者を兼務できるが、経営トップに位置づけられていない運航管理者は安全統括管理者を兼務できない。
第2条関係
1 「(10) 運航計画」
河川湖沼船(以下「河」と略称。各基準も同じ。)の場合は寄港地がない場合が多いので、該当しない語句は削除する。航路の実態に応じて規定する。
2 「(11) 配船計画」
多数の船舶を運航し、かつ、その営業形態から船舶をあらかじめ特定することが困難な航路の場合は次のように規定することができる。
「需要に見合う配船、入渠等に関する計画」
3 「(12) 配乗計画」
上記2のような場合は次のように規定することができる。
「乗組員の編成及び配員に関する計画」
4 「(14) 港内」
(1) 港の実態に応じて規定してよい。例えば航路のすべての港が港則法に定める港の場 合は「港則法に定める港の区域内」と規定する。
(2) 「河」の場合は規定する必要はない。
5 「(15)入港」
入港の形態がない場合、例えば「河」の場合は規定する必要はない。また、運航基準第4条において「入港の可否判断」に代えて「着岸の可否判断」として規定する場合も規定する必要はない。
6 「(18) 気象・海象」
「河」の場合には「海象」を「水象」とし、水位を規定する必要がある場合は「風速(・・・)、視程(・・・)、波高(・・・)及び水位」と規定する。
第3条関係
内航海運業は、不定期航路が多いことから、運航基準は様々な航路を統合した基準を作成する。
第8条関係
1 安全統括管理者は、事業者が複数の輸送事業を兼務で営んでいる場合、輸送事業ごとに安全統括管理者を選任するのが通常と考えられるが、安全統括管理者の要件に適合するのであれば、複数の事業の安全統括管理者を1名の安全統括管理者が兼務しても差し支えない。
2 運航管理補助者が1人の場合は第1項(例)中「若干人」を「1人」と規定して差し支えない。
3 本社がすべてを管理している場合は、第2項は設けない。
4 運航管理者が営業所に置かれている場合は、第1項(例)中「本社」を「○○営業所」とする。
5 第3項の運航管理者分担表では、各運航管理者の分担を明確にすること。
第9条関係
(例)に準拠した内容を規定すること。
安全統括管理者は要件に該当すれば社長が兼務しても差し支えない。
第10条関係
(例)に準拠した内容を規定すること。
原則として運航管理者は、船長その他の船舶乗組員以外の者を選任することとするが、常時運航している船舶が1隻のみである場合は、船長が運航管理者を兼務して差し支えない。また、航路距離が短く、常時運航している船舶数が2~3隻であって、一船の船長が他船の運航について管理可能であれば、船長が運航管理者を兼務しても差し支えない。
第12条関係
(例)に準拠した内容を規定すること。
第13条関係
1 運航管理者が営業所に置かれている場合は、第1項中「本社」を「○○営業所」とする。
2 本社の運航管理補助者が1人の場合は第2項を規定する必要はなく、第1項を「運航管理者は、本社の運航管理補助者を運航管理者代行に指名しておくものとする。」と規定する。将来の増員を考えて(例)のとおり規定しておくことは差し支えない。
第14条~第17条関係
(例)に準拠した内容を規定すること。
第18条関係
(例)に準拠した内容を規定すること。
船員法非適用船を使用している場合は、第2項中「法令に定める」を「従来の」とする。
第21条関係
(例)に準拠した内容を規定すること。
「河」の場合は、第2項第1号を次のように規定する。
「使用船舶の性能、○○河(○○湖)の自然的性質等」
第22条関係
(例)に準拠した内容を規定すること。
第23条関係
(例)に準拠した内容を規定すること。
「河」の場合は「陸上施設、港湾」を「又は陸上施設」とし、寄港地がない場合は「寄港地変更」を削除する等航路の実態に応じて規定する。
第24条関係
(例)に準拠した内容を規定すること。
第25条関係
(例)に準拠した内容を規定すること。
「河」その他運航基準において「入港の可否判断」に代えて「着岸の可否判断」として規定している場合は、第2項中「入港」を「着岸」とする。
第29条関係
(例)に準拠した内容を規定すること。
「河」の場合には(2)は「○○川の状況」又は「○○湖の状況」とし、(4)及び(5)は削除する。
第31条関係
(例)に準拠した内容を規定すること。
1 船員法非適用船舶の場合は、第1項中「発航前検査」を「発航前点検」、「始業点検」等とする。
2 「河」の場合は、第2項(1)中「海象」を「水象」とする。
第32条関係
その他の船員乗務員等の安全を害するおそれのある物品とは、刀剣、銃器、兵器、荷造りの不完全なもの、破損しやすいもの等をいう。
第33条関係
1 船員法非適用船舶の場合は、同適用船舶に準じて点検個所、点検要領を定めた点検簿を作成し、同点検簿に従って発航前点検を行うよう規定する。
2 「発航前点検」は「発航前検査」又は「始業点検」としても差し支えない。
第35条関係
「アルコール検知器を用いたアルコール検査体制」の確実な実施のため、社内規定等において、各事業者におけるアルコール検査の実施方法等について具体的に示したアルコール検査要領等を整備すること。
第37条関係
1 点検簿には点検者、点検個所等を定めておくものとする。
2 船舶点検実施要領を定めている場合は、第1項を次のように規定する。
「船長は、船舶点検実施要領に基づいて船舶の船体、機関、諸設備、諸装置等の点検を実施するものとする。」
3 第33条を発航前点検としている場合は、第1項中「発航前検査」を「発航前点検」とする。
4 「その他の輸送施設」とは、桟橋、浮桟橋、岸壁等をいうが、内航海運業者自身の管理物でない場合は、定めなくてよい。
第38条関係
(例)に準拠した内容を規定すること。
第39条関係
(例)に準拠した内容を規定すること。
1 「河」の場合は、第1項中「海上保安官署等」を「警察官署等」とする。
2 通信波の関係等により、船舶から直接、海上保安官署等へ連絡できない場合は、第1項中「及び海上保安官署等」を削除してよい。
3 無線設備がない場合は、第2項を次のように規定する。
「2 船長は、自船が重大かつ急迫の危険に陥った場合又は陥るおそれがある場合は、直ちに遭難信号を発しなければならない。なお、(携帯)電話がある場合は、併せて「118番」(「河」の場合は「110番」)へ通報しなければならない。」
第40条関係
(例)に準拠した内容を規定すること。
第45条関係
(例)に準拠した内容を規定すること。
「河」の場合は「及び海上保安官署」を削除する。また、警察官署に事故報告をすることとなっている場合は「海上保安官署」を「警察官署」とする。
第46条関係
(例1)は、事故調査委員会を設置する場合の規定例、(例2)は比較的組織が小さく事故調査委員会を設置するまでもない場合の規定例である。
第47条関係
1 「河」の場合は、「船員法及び海上衝突予防法等の関係法令」を削除し、「都道府県が条例で定める水上交通関係規則」を追加する。
2 船員法非適用船舶の場合は「船員法及び」を削除する。
第48条関係
船員法に定める操練が適用される場合の規定例である。
別表 船長が運航管理者である場合
条項
常時就航している船舶が複数の場合
常時就航している船舶が1隻の場合
第8条(安全管理の組織)
第1項
(例)(1)本社(○○丸)運航管理者(船長)1人
左に同じ
第13条(運航管理者代行の指名)
第1項
「運航管理者は、船長又は本社の運航管理補助者の中から運航管理者代行を指名しておくものとする。」
「運航管理者は、先任の航海科員(海技従事者)又は本社の運航管理補助者の中から運航管理者代行を指名しておくものとする。」
第15条(運航管理者の勤務体制)
第2項
「前項の連絡の不能」を「下船」とする。
左に同じ
第18条(運航管理者の職務及び権限)
第1項
(2)中、「船舶所有者等及び船長と協力して」を削除する。
第2項
削除する。
第23条(運航計画、配船計画及び配乗計画の臨時変更)
「船長、運航管理者及び船舶所有者等は」を「運航管理者(船長)は」とする。
第24条(運航の可否判断中止)
第2項
第4項
第5項
削除する。
第25条(運航管理者の指示)
運航管理者(船長)は運航を中止する場合、安全統括管理者を経由して経営トップへ連絡しなければならない。
〃
第27条(運航管理者の援助措置)
削除する。
〃
第29条(運航管理者の措置)
本文を次のように規定する。
「運航管理者は、次に掲げる事項を把握しておくものとする。」
第31条(船長の措置)
削除する。
第36条(船舶検査結果の確認)
削除する。
第37条(船舶の点検整備)
第2項
削除する。
第39条(船長のとるべき措置)
第1項
「運航管理者及び」を削除する。
第48条(操練)
「運航管理者」を削除する。
(注) 常時就航している船舶が1隻の場合、条文中「運航管理者は、・・・・」を「船長は、・・・」としても支障ない場合があるが、運航管理者の職務権限と船長の職務権限を明確にするという見地から上記のとおり例示したものである。