2024 Spring Workshop #01
2024 春 ワークショップ#1:集団遺伝学入門
2024 春 ワークショップ#1:集団遺伝学入門
講師に大槻久さん (総合研究大学院大学) をお招きして、集団遺伝学の基礎を学び、深層学習技術、心理学との関わりについて検討します。会場での対面形式を中心に行います。
2006 年九州大学大学院理学府生物科学専攻修了 (理学博士)。ハーバード大学 Program for Evolutionary Dynamics ポストドクトラルフェローなどを経て、総合研究大学院大学・統合進化科学研究センター准教授。ご専門は数理生物学。協力の進化理論をはじめ、進化ゲーム理論、人間行動進化学の研究に携わってらっしゃいます。
概要
理論生物学では数式を立てて進化の結果がどのようになるかを調べます。このような数理モデルは初学者の方には非常に分かりにくいものですが、その正体はほとんどが差分方程式、微分方程式で、本質的には時間とともにある量(特に遺伝子の頻度)がどれだけ増えるかを調べることに尽きます。今回はそのようなモデルがどのような考え方に基づいているかを、参加者の皆さんと共に導出することを通じて学び、進化の数理モデルに馴染み、その体系に触れることを目指します。
日時
3月12日 (火) 、3月13日 (水)、3月14日 (木) 9時〜18時
会場
人数上限あり。要申し込み。
方式
対面講義形式を中心に行います。
オンライン配信も予定していますが、あくまで付属的なものとお考え下さい。会場設備の関係で、ホワイトボードがうまく見えない、ネットが不安定になる、などの問題が生じる可能性があることをご承知ください。
内容
古典的な集団遺伝学および1960年代以降の進化生物学に現れる様々な進化の式を学びます。アドバンストな内容である中立進化は扱いません。参加者が主に意欲的な心理学者の方が中心であることを踏まえた難易度にしますが、内容自体は進化学のスタンダードなものです。以下の内容を予定しています。
対立遺伝子モデル
表現型進化とレプリケーター方程式
連続形質の進化モデル
血縁構造と空間構造(時間が許せば)
大槻先生からの注意事項
一緒に手を動かして式を導出し、その式の意味について完全に納得するまで考える、というのが第一目標です。
式を導出後のモデルの解析自体は純然たる数学なので、そこには重きはおきません。
前提知識として、大学初年度の微積分(ただし積分は要りません)と確率統計が分かっていると望ましいです。具体的には以下の概念が何を表しているかを理解しており、実際に簡単な計算ができることが望まれます。
微分、偏微分、テイラー展開、平均、期待値、分散、共分散、確率、条件付き確率
以下の生物学用語はワークショップ前に復習しておくと良いでしょう。
遺伝子、メンデル遺伝、優性(顕性)の法則、適応度、突然変異
当日資料の大槻先生がこちらで公開されています。
参加申込み
参加を希望される方は下記フォームから申し込みをしてください。
問合せ先と中の人はこちら。ワークショップ参加者向けの連絡は、申込時のメールに案内のある discord で行っております。
本企画の実施にあたって慶應義塾大学学事振興基金、日本人間行動進化学会講演会等協賛金の助成を受けています。
報告
終了後、適宜 up します。