ウジャン&なおインタビュー

ろうLGBTQ+の国際同性婚への想い

 アンニョンハセヨ〜!ウジャンとなおは韓国と日本の国際ろうゲイカップルです。

 ウジャンです。韓国の釜山出身です。現在、韓国ろうLGBTQ活動団体で仕事をしています。孤児院育ちです。中学校まで特別支援学校、高校から家族と一緒に生活を始め、ろう学校に転入しました。手話については高校に入ってから先輩たちの手話を見ながら習得しました。

 なおです。香川県に住んでいます。スターバックスのバリスタです。幼稚部から高等部までろう学校です。手話が第一言語です。

〜お二人の出会いは?

ウジャン:出会いはガーラ(ASIA DEAF GALA)というろうゲイ中心の国際的な集まりでした。自分から一目惚れです。なおはガタイが大きく、顔も素敵でクールで、とてもタイプでした。すぐに話しかけたかったけど、自分がシャイでなかなか・・・。話すきっかけがないなぁ〜と思ったら、翌朝、ホテルでのモーニングでたまたま隣のテーブルになおが!うれしくてうれしくて。でも、どうやって話しかけたらいいんだろうって思いました。

なお:第一印象は可愛い子だなぁ、でした。

ウジャン:それで、このイベントではホテルのシェアメイトを選べる、というのがあって、なおに自分の部屋に来てみる?って誘ってみたの。なおはモテるから、自分なんか興味ないのかも、と不安だったけど思い切って誘ってみて。そしたら、いいよーとのことでした。うれしくて飛び跳ねました!それまではマレーシアの子と一緒だったんだけど、部屋を変えてもらってもいい?とお願いして、ふん、私には興味ないのね、いいわよーって言ってくれて。笑

〜イベントが終わった後もやり取りが続いたんですね?

なお:しばらくラインでのやり取りが続きました。

ウジャン:そして、もう好きって伝えたくて、動画で告白したんですね。でも、返事が来なかったんです。もうだめだ〜って思ったし、自分はなおにとって色んな男性の中の一人じゃないかなと不安だったし。

なお:いやいや、それには理由があって。ちゃんと自分が韓国に行って、面と向かってお返事したかったから。すぐ韓国行きのチケットを買って会いに行ったんですよ。

ウジャン:2018年12月から交際開始です。

〜その後、世界でコロナが流行り出して・・・


ウジャン:そう!そのタイミングでコロナ禍!会えなくてしんどかったです。自分はまめに連絡を取りたい人で、朝ごはんや夜ご飯を写メで報告するくらいまめなんです。でも、なおは大雑把でしょう。連絡があまり来ないんです。それでよく喧嘩しましたね。


​〜国際遠距離だからの壁はありましたか?


なお:3年くらい会えなかったし、ウジャンの浮気もあったし、苦しい時期もありました。


ウジャン:浮気したってなおに伝えたら1ヶ月くらい無視されて、でも、それにはそれなりの理由があって・・・。シスヘテロの人たちは国際結婚の証明で特別に会いに行けるのに、自分達はできないんだってとても悔しかった。なんでこんなに差があるのだろうと。


なお:ウジャンに、弁護士とかにお願いして会えるようにしてほしいと言われたこともありました。


ウジャン&なお:いろいろ壁を乗り越えて、やはりお互い好きなんだなと確信したんですね。今はコロナも落ち着いてきて、会えるようになりました。久しぶりに会った時はとても嬉しかったですね。今、幸せです。

ウジャン:自分は韓国ろうLGBTQ団体の仕事をしていて、韓国のLGBTQコミュニティとのつながりがあリます。韓国のLGBTQ手話の発信をしたり、啓発したり、自分にとって大事な居場所です。韓国では国民の宗教とのつながりが強くて、反LGBTQが多いけど、それでも負けたりしません。

〜最後に、日韓ろうLGBTQの人たちに伝えたいことは?


なお:恋愛に距離は関係ないと思います。大事なのは相手を想う気持ちです。距離の問題はいつか解消されます。県外の遠くでも国外の遠くでも気になる相手がいたらすぐアプローチしてください。


ウジャン:日本も韓国も同性婚を目指して頑張りたい。ヨーロッパやアメリカのように同性婚ができる国々では、LGBTQの人たちも国を越えて結婚することができます。同じように、アジアの国々でも国境を超えた恋愛が多く存在しますが、同性の国際結婚はかないません。私たちのように同性婚ができない国同士で多くの困難を抱えてる人も多くいるでしょう。諦めずに政府や世間の人たちに私たちの存在を見てもらうよう声を立ち上げていこう!そして同性婚ができる国を増やそう。


 カムサハムニダ〜!


(2023年7月)