* The date and time are Japan Standard Time (JST).
登録フォーム(Registration form):
https://forms.gle/KUEzZ6vDQj1xaW3f8
登録締め切り(deadline for registration):
6月14日 17時(5pm on 14 June)
注:この回は第一部,第二部ともに日本語での講演を予定しています.
Note: Both the first and second parts will be given in Japanese.
大阪大学理学部・大学院で数学を修めた後、大阪大学で助手、講師を務めました。1993年に奈良女子大学に異動し30年以上にわたって数学教育・研究に携わり2024年3月に大学を定年退職しました。在職中は数学カフェをはじめとする様々な地域の科学普及活動を行ってきました。また2011年度12年度に附属中等教育学校(中・高6年一貫学校です)と2021〜23年度附属小学校の校長を兼務し、生徒や児童たちと楽しい時間を過ごすことができました。現在は気楽に数学を楽しむとともに、定年をきっかけに以前から興味のあった数学のコンテンツをYouTubeで公開する活動を始めました。
専門は低次元位相幾何学、特に三次元多様体論、結び目理論、力学系、位相的データ解析。
After studying mathematics at the Faculty of Science and Graduate School of Science at Osaka University, I served as a research assistant and then as a lecturer at the same university. In 1993, I transferred to Nara Women’s University, where I was engaged in mathematics education and research for over 30 years until I retired in March 2024. During my tenure, I was involved in various local science outreach activities, including organizing mathematics cafés. I also served concurrently as the principal of the secondary school (a six-year integrated junior and senior high school) attached to N.W.U. during the 2011 and 2012 academic years, and as the principal of the elementary school attached to N.W.U.from 2021 to 2023. These experiences gave me the opportunity to spend enjoyable time with students and children. Currently, I am enjoying mathematics at my own pace and, prompted by my retirement, have begun creating and sharing mathematics content on YouTube—something I had long been interested in. My research subjects areas are low-dimensional topology, particularly 3-manifold theory, knot theory, and topological data analysis that are related to low-dimensional topology.
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数学における生きづらさを感じたことはあまりないという意見が、若い方からあった。一方、数学科において、孤立しているように見える方は、一定の割合でいるため、そのような方々は、生きづらさを感じているのではないかとの意見があった。
また、大学院生の時に、数学の才能がなく向いていないのではないかと思い悩んだが、いろいろな方の励ましのおかげで数学が続けてこれた、という話があった。
演習の時間に、学生と一対一で話してみると、非常に基礎的な部分でつまずいている場合もあり、そのような学生をつまずいている部分まで立ち戻って、引き上げることが必要だと思うが、時間の関係で難しく感じるという話もあった。
第二部の講演において、セミナーにおいて、学生が固まってしまう状態というのは、何かを生み出そうとしている状態だと考えているというのは、興味深く感じた。ただ、そのような認識を持っていない学生が、他の学生が固まっている状態を見た時に、頭を使っている状態だということをなかなか認識してもらえないという話もあり、なかなか難しいなと感じた。
「貧困」という用語を用いるのはcatchではあるが、正確な定義を理解せず誤解や先入観に基づく話の発散が発生するので、このような使い方をするのが適切なのかどうかと感じた。ただし数学としては、定義して概念や用語を用いているので差し支えは全くないが。 水問題での、降水量は十分あるのに農業や飲用の水が不足している、という学術的な概念に方向性が似ていると感じた。うまく発展していくと良い。
第一部は,小林先生の実体験を含んだ話で,その当時の幾何学研究の活動が生き生きと伝わってくる素晴らしいもであった.第2部では,先生自身の様々な立場の教員としての経験に基づく鋭い考察をいくつもご紹介いただいた.特にこれから教員の立場になる人にとってとても有意義な話だった.
小林毅先生が「生きづらさ」の主要要因に、教育や情報の格差(と仮説)をあげていました。(リスクヘッジを覚悟で)えらいなぁと私は感服しました。
本講演参加が私によかった点は、改めて、私も教育や情報の格差が受けた側だと、再確認できたことです。ただ私自身はつらさを感じてなかった。何故なら、その格差と分断孤立化を覚悟で、トップ国立大学や研究職を必死で目指した立場なので、解決や悩み共有など期待してなかったからでしょう(昭和日本らしいです)。
実際、80--90年代うまれの数学者に、少数派や格差や低所得層への学内抑圧を、私は何度か議論を学生からしてきました。だが反応はというと、白い目線やガン無視、面倒な人間あつかい、馬鹿にされたり、鼻から見下しを私は繰り返されました。
ただ私は数学力も精神面も強い方だったので、何とか数学社会に勝ち切り、生き残れました。
しかし現在の若手学生や研究者のことが頭によぎります。数学がそれほどできず弁が立たない(格差側の)数学徒には、相当の抑圧に感じます。私でも反論術や少数派・格差の勉強も大変でしたし、孤立感を強かったです。
たしかに今の時代は、「生きづらさ」「格差」を通じて、共通認識や問題共有の場が広がっていると感じました。ただ、分散化した集団内の認識のみでは解決に至らず、そして日本の現実は悪化していると私は直感していますし、本講演で(参加者の少なさからも)さらに確信しました。
第2部とtea timeの関係が難しいといつも感じます.BRで論じたことが全体に広がる前に,退出して終われる方も多いですね.
数学的な基礎力が乏しい学生が、数学に興味を持ち始めたときにその興味をそがないような工夫はどうすればよいのかを考えさせられた。
もう少し時間が取れると良いですね