岩井沢地名由来の石碑(福岡県田村市都路町)
写真提供:都路町観光協会会長 武田義夫様
撮影日:2024年8月6日
【所在地】
福島県田村市都路町岩井沢字平内地 天日鷲神社
【碑文】
鎌倉山東有一村落 名岩井沢 湲間石間清泉
湧出其冷甚如氷 雖大旱時未曽〈原文ママ〉涸 実神
泉也 名之為石清水 蓋村名従是起云 余
遊此地 応村民之儒記其由来
大正元年十一月 井上圓了
【内容】
岩井沢の地名の由来を刻す石碑。碑銘は、撰文、書ともに井上円了によるものです。岩井沢は福島県東部、現在の田村市都路町(旧田村郡都路村)に所在する大字で、同地に鎮座する天日鷲神社の鳥居の左側に、設置されています。
碑文に「大正元年十一月」年記されているよう、円了が全国巡回講演の一環で都路町を訪問したのは、1912年(大正元)11月25日のことでした。その際に、円了は村民から依頼を受け、碑文を制作しました。
このことについて、『南船北馬集』第7編(PDF/テキストデータ)には、次のように記されています。
“午前十時、都路村大字岩井沢に入る。渓底石間に清水の噴出せる所あり、これを岩清水という。村名これより起こる。その傍らに碑を建てんとて、碑文のもとめあり。これに応じて由来を記す。
鎌倉山東有一村落、名岩井沢、渓底石間清泉湧出、其冷甚於氷、雖大旱時未曾涸、実神泉也、名之為岩清水、蓋村名従是起云、余遊此地、応村民之需記其由来、
(鎌倉山の東に一村落がある、名は岩井沢。谷底の石間より清泉が湧き出て、その冷たきことは氷よりもはなはだしい。この泉は大旱のときでも、かつてかれたことはない。まことに神泉である。これに名付けて岩清水という。思うに村名はこれによって起こったのであるという。余はこの地に訪れ、村民のもとめに応じてその由来を記したのである。)”
都路村では、当日中に長岩寺と古道小学校の2か所で講演を行っており、古道小学校校長からは記念品としてめずらしい形をした火鉢が贈られたと記録されています。
【アクセス】
JR磐越東線船引駅から路線バス乗り換え 「岩井沢」バス停から徒歩約4分