長崎県松浦市

海につり山に耕し地にほりて 民のかまどは福々の島(長崎県松浦市)

写真提供:校友会長崎県支部 上薗茂樹様(2018年3月撮影)

設置場所

長崎県松浦市福島町大山公園内

内容

歌碑 「海につり山に耕し地にほりて 民のかまどは福々の島 甫水道人」

円了巡講日誌より

明治39年9月4日 晴れ。汽車にて伊万里至り、これより和舟にて福島に移る。北松浦郡内の一孤島なり。宿坊は尊光寺にして・・(中略)5日 雨。福島滞在。夜に入りて天ようやく晴れ、明月輝を流し、羽化登仙の趣あり。また、福島の生産業につきて、

「海につり山に耕し地にほりて 民のかまどは福々の島」と題す。


碑文より

明治初期排佛毀釈の時代において佛教復興に盡され 哲学堂を建設し東洋大学の創始者でもある文学博士井上円了先生は 明治39年8月4日当地に巡講の折り 人情豊かにして風光明眉な風土と農漁業と石炭産業の盛んな福島が 渾然となった実態に着目せられ 碑文のごとき一首を賦して歎賞せらる

明治以来百年の永きに及んで 豊かに栄えてきた誇るべき歴史を永く後世に伝え 併せて本町永遠の発展を祈念して この地に歌碑を建立するものである

昭和45年11月吉日

福島町

碑面筆者井上信子 井上博士の長男の御令室


設置者(保管者)

松浦市教育委員会


取材記録

福島町は長崎県の東北部 玄海国定公園地域に浮かぶ棚田と『つばきの島』です。円了が島を訪れた明治39年は炭鉱で栄えていました。現在は鉱業に変わり、観光にも力を入れた風光明媚な穏やかな島です。(取材日2008年1月31日)


アクセス

博多から高速バスで「伊万里」で下車。

「伊万里」から「福島港」まではバスで福島大橋を渡る方法と「今福港」からフェリーで渡る方法があります(約40分)。

住所:〒848-0408 長崎県松浦市福島町里免