群馬県伊勢崎市

平塚会館群馬県伊勢崎市境平塚

写真提供:株式会社岡直三郎商店 ⼤間々⼯場 小川益男
撮影日:20226

【設置場所】

〒370-0132 群馬県伊勢崎市境平塚1203-1  平塚会館

 

【設置者(保管者)】

平塚会館

 

【内容】

 『南船北馬集』第15編に、円了が大正6年(1917年)12月4日に平塚会館がある旧境町(群馬県佐波郡、現伊勢崎市)で講演した記録が残っています。そして境町での滞在を次のように記しています。


「境町小学校に移りて夜会を開く。校内の作法室は華族の御殿に類する設備を有し、県下にはもちろん、関東の小学校において、いまだかつて見ざる作法室なり。」(https://toyo.repo.nii.ac.jp/records/2981)


 夜会(講演会)を開いたと思われる伊勢崎市立境小学校のHPには、当時の校舎図面が掲載されていて、そこから当時は行内に作法室があったことが伺えます(右図参照)。


 江戸時代に日光例幣使街道沿いの町場として発展した境町は、円了が講演で滞在したときには、地場産業である絹織物の生産が盛んに行われ、また絹糸の原料となる繭の集積地として、たいへん栄えていました。『南船北馬集』の記事でも、境町が商業都市として繁栄している様子がうかがえます。このような町の経済的な発展と、商家の子弟教育への意識の高さから、円了に「華族の御殿に類する設備」とまで言わせるほどの充実した設備が、小学校に備えられることになったのでしょう。


 本書は境町の滞在時に揮毫したものと思われます。書と同様に、円了が見た境小学校の作法室の華麗さと、その時代の境町の繁栄にも思いを馳せて頂ければ幸いです。


【アクセス】
・東武伊勢崎線 境町駅から自動車で8分、
いせさきしコミュニティバスあおぞらバス停「平塚東」で下車、徒歩10分  
※訪問時は平塚公園管理事務所に開館状況を確認してからお出かけください。


出典:伊勢崎市立境小学校ホームページ「校舎の変遷(開校90周年記念誌より 昭和38年11月23日)」,
http://www.isesaki-school.ed.jp/sakaisyo/gaiyou/gaiyou.htm
(2024年2月7日アクセス)