井上円了研究センターとイタリアのヴェネツィア・カ・フォスカリ大学アジア・北アフリカ研究所との共催により、国際シンポジウム「日本の近代化と哲学の課題―現代に活かす―」を開催しました
【日程】
2015年11月26・27日
【会場】
ヴェネツィア・カ・フォスカリ大学 カ・ドルフィン講堂
【プログラム】
<26日>
研究交流会 10時00分‐12時00分
キアーラ・ガッレーゼ 「日本法の近代化―1889年の法例について―」
アンドレア・レヴェラント 「近代性の代償―日本の農政・財政政策について(1868~1945年)―」
櫻本正樹 「最近の日本における消費者破産の現状について」
公開講演 14時00分‐17時00分
竹村牧男 「井上円了の教育理念」
齋藤洋 「日本の近代化と嘉納治五郎の思想―井上円了との差異について―」
<27日>
研究交流会 10時00分‐13時00分
パトリック・ハインリッヒ 「国語改革と今日におけるその遺産」
清水高志 「純粋経験論が目指したもの―西田幾多郎、円了、ジェイムズ―」
ライナ・シュルツァ 「井上円了による政治的要請としての宗教」
総括討論
※研究交流会および公開講演は英語で行われます
2015年11月26・27日、ヴェネツィア・カ・フォスカリ大学のカ・ドルフィン講堂にて、井上円了研究センターとイタリアのヴェネツィア・カ・フォスカリ大学アジア・北アフリカ研究所との共催により、国際シンポジウム「日本の近代化と哲学の課題―現代に活かす―」を開催しました。
シンポジウム1日目の午前中はヴェネツィア・カ・フォスカリ大学アルド・トリーニ教授の司会により、同大学のアンドレア・レヴェラント准教授、キアーラ・ガッレーゼ氏、東洋大学の櫻本正樹教授がそれぞれの専門に関して発表し、午後は本学の竹村牧男学長、齋藤洋教授が井上円了博士に関する公開講演を行ないました。続いて2日目は、イギリスで海外特別研究中の本学経営学部の藤尾美佐教授が司会を務め、ヴェネツィア・カ・フォスカリ大学からパトリック・ハインリッヒ准教授、本学から清水高志准教授、チュービンゲン大学からライナ・シュルツァ助教によって各自の専門に関する発表が行われました。
この2日間を通じて、話題は狭義の哲学の枠内にはとどまらず、政治・経済など日本の近代化に関する多面的な問題が議論され、その中で井上円了博士らによる哲学の営みがどのように実践されたのか、いずれの会においても活発な討論があり、発表者全員が参加した懇親会においても研究交流が続けられました。また、今後ヴェネツィア・カ・フォスカリ大学と東洋大学の交流をいっそう進展させていくという点においても一つの成果を得ることができました。