みやぎ東日本大震災津波伝承館は、東日本大震災と同じ悲しみと混乱を繰り返さないために、震災の記憶と教訓を永く後世に伝え継ぐことを目的とした施設です。館内には津波の歴史や被害の様子が記された展示物があり、訪れる人々に津波に対する理解と命を守ることの大切さを伝えています。施設内は7つの展示エリアに分かれており、当時の映像や写真、震災を経験した方々のメッセージ、震災の大きさや被災範囲を示したパネルなどを通じて、東日本大震災について学ぶことができます。また、毎週土曜日には「3.11みやぎ語り部講話」が行われており、実際に東日本大震災で被災された方の生の声を聴くことができます。
館内見学の様子
みやぎ東日本大震災津波伝承館では、コンセプトパネルの見学やシアターでの映像学習を行いました。コンセプトパネルでは、観測史上最大級の津波により石巻市南浜地区で被災し、巻き込まれながらも一命を取り留めた方が身につけていた衣類や撮影した写真のパネルが展示されています。コンセプトパネルからは、震災時の安全な避難ルートの確認や避難訓練など、地域・学校・家族それぞれが取り組む必要があることを学びました。
シアターでは、東日本大震災の事実をもとに、科学的視点から津波の恐ろしさを伝え、命を守ることを最重要事項として捉え、津波から“逃げる”ことの重要性を徹底して訴える映像が上映されます。シアター内で見る映像は臨場感に溢れており、地震計測から津波の襲来までを体験することができます。また、テレビでは見ることのできない貴重な映像であり、津波を目の当たりにしながらも状況把握に徹した方のインタビューなどを視聴することができます。映像学習からは、当時の津波の映像や被災された方の証言を通じて、津波がどれだけ恐ろしいものであるかを実感しました。
みやぎ東日本大震災津波伝承館の館内見学では、津波だけでなく、地震や津波火災などの自然災害から命を守るための方法を学ぶことができました。
語り部講話の様子
3.11みやぎ語り部講話は、東日本大震災の記憶と教訓を伝え継ぐため、みやぎ東日本大震災津波伝承館を県内の震災伝承の拠点として機能強化するほか、次世代の語り部などの震災伝承の担い手を育成する目的で実施されています。今回は、実際に東日本大震災で被災した石巻市出身の岩倉侑さんのお話をお聞きしました。岩倉さんは、被災した経験をもとに、進学先の愛知県名古屋市で災害の想像を絶する恐ろしさと被害に備える必要性を伝える活動を続けています。講話では、震災当時の避難方法やその後の生活の話に加え、小学生ながらに被災し、様々な支援を受けた正直な感想もお話しいただきました。特に、「語り部の話が全て役に立つとは限らない、今の備えが正しいかどうかを教えてくれるのは『最近に発生した災害だけ』」というお話が心に残りました。このお話を聞き、今後私たちは、災害復興支援活動として最近の災害を糧に活動していきたいと強く感じました。
みやぎ東日本大震災津波伝承館での学習を通して、震災について改めて考える機会となりました。伝承館の周りには一切の建物がなく、震災前は住宅街だったとは考えられない風景が広がっていました。本施設での展示物や岩倉さんのお話、施設職員の方々の真剣な眼差しから、災害の恐ろしさや震災の経験を伝えていくことの重要性を感じました。
災害に対してどれだけ対策を講じていても、自然は人々の想像を超える力を持っており、いつ自然災害が起きても不思議ではないことも学びました。災害が起きたときに自身の命を守り、大切な人を助けるために、ここで学んだことを今後の活動に活かしていきたいと思いました。
みやぎ東日本大震災津波伝承館
〒986-0835 宮城県石巻市南浜町2丁目1-56
℡ 0225-98-8081