名詞

格変化

ユーゴック語は以下の三つの格を持ちます。

  • 主格・・・文の主語になります。
  • 属格・・・名詞を修飾します。
  • 対格・・・文の直接目的語になります。動詞が自動詞の場合は対格の名詞は現れません。

これら格を表すためにユーゴック語の名詞は格語尾によって格変化をします。しかし、格語尾はしばしば省略され、SVO語順によって格が表される場合が多いです。

kei → kei-aa, kei-n, kei-ree 「山」

tera → tera-a, tera-n, tera-ree 「猫」

sakt → sakt-aa, sakt-in, sakt-ree 「宗教」

paasonar → paasonar-aa, paasonar-in, paasonar-ee 「支配者」

acheetaa → acheetaa-raa, acheetaa-n, acheetaa-ree 「先祖」

※ハイフンは便宜上付け加えたもので、文中ではハイフンは書かれません。

代名詞

代名詞には屈折的な格変化が存在します。これらは省略することはありません。

人称代名詞

人称を表し、人に対して使います。ユーゴック語では人称とその数によってそれぞれの代名詞が用意されています。

複数形の代名詞の対格は属格と常に同形です。

また、一人称複数では聞き手を含むかどうかが区別される。

そのほかの重要な人称代名詞は以下の通り。

  • ran・・・一人称単数代名詞に分類される。王言葉という特殊な言葉遣いで用いられる一人称。「朕」のように高貴な印象を与える。
  • amnu・・・再帰代名詞に相当する。主格形を持ち、主語として使った場合は改まった一人称代名詞としても使われる。通常は主語と同じものを指す。
  • mi・・・一人称単数代名詞に分類される。男性的な言い方で、砕けた表現。「俺」「おいら」のような意味を持つ。

指示代名詞

物や話題に対して使います。指示代名詞は対格が-reeによって表され、時には省略されます。

そのほかの代名詞

代名詞の内、屈折的な格変化が残っているのは以上の代名詞のみです。これ以外に以下のような代名詞があります。

-osk、-ost系の代名詞

接尾辞として疑問詞に付加することで、それぞれ不定代名詞、全般代名詞を作ります。

ar

arは「すべて」「すべての」の意味を持つ代名詞です。

「ar+名詞」で、「すべての~」の意味になります。格変化はその名詞になります。

ar naara すべての王国。

「ar fo+名詞」で、「~のうちすべて」「~中」の意味になります。格変化はarが担当します。

ar fo naara 王国のすべて。