補助詞

補助詞はユーゴック語の品詞の一つで、文中での名詞の格および節の役割を決定します。英語で言う前置詞と接続詞に相当する品詞です。

補助詞は名詞及び節に前置され、補助詞句を構成します。

Am ansum en Nester. 私はネステルに住んでいる。

Zam je bwemn he kar paturoteidis. それは彼が描いていた絵です。

典型的な補助詞

大多数の補助詞は名詞の前にしか置けません。以下のような補助詞が代表的です。

  • en

場所(~で):en Kyoto 京都で、en Nester ネステルで、 en hakba 学校で

時点(~の時に):en zan jimka その時間に、en Nirfuusa 25 8月25日に

条件(~の時に、~ならば):en yethias 本当ならば、en he mang an ansum 母が居なければ

言語(~語で):en Sukarmakku 日本語で、 en Yuugokku ユーゴック語で

  • fo

部分(~の中の、~の内の):o fo guktue 王のうちの一人、toona taas man fo syastitue シャスティ達の中で最も美しい女性

同格表現:Toitaa fo ktese 預言者トイター、Tsafiur fo guk en Kenskeu Irkisケンスケウイルキスの主ツァピウル

話題(~について):syuntas fo HahurisnTaarib ハフリスンターリブにまつわる話

  • di

方向、与格(~へ向かって):di hakba 学校へ、di aam あなたの元へ

状態の移行(~に):chemn di mesyernar 作家になる

  • adi

出発点、出身(~から):adi Skeniu スケニウから、adi friitaa 家から

比較対象(~よりも):hvain adi bwii あそこよりも熱い

期間および時間の出発点(~から、~以来):adi amn torbadis 私の誕生以来、adi zan heimo あの事件以降

含有(~からして、~も含めて):adi syumro 心から、adi acchem 序盤からして

  • asrar

期間内(~中に):asrar ihyta 休暇中に、asrar fiithedis 試合中に

空間内(~の中で):asrar septorin 建物の中で、asrar amn osk 私のお腹の中で

引用(~によれば、~によると):asrar karn ehoyo 彼の弁明によると、asrar Wikipedia ウィキペディアによると

節を扱う補助詞

上記の補助詞は原則として名詞しか導くことができませんが、動詞句などを扱える補助詞も存在します。よく使うのは以下の通りです。

補助詞he

heには代表的な二つの用法があります。一つは関係節的用法で、もう一つは従属節の形成です。

関係節的用法では、heの後に文を続けることによってその文で前の名詞句を修飾できます。

man he ansum en dii ここに住んでいる人間

kittab he Oomang itrahhe オーマングが書いた本

manやkittabのように先行詞にできる名詞は関係節文中の主格か対格に限られます。

従属節の形成では、文を名詞にしたり、動詞を動名詞にしたりできます。「~こと」と訳すことができます。この用法の場合は、mooやjimkaやdianなどの名詞を先行詞のようにheに前置することによって節の格を先行詞の格変化によって明示することができます。

he kar ikaphupna di hakba 彼が学校に行ったこと

(mooaa he kar ikaphupna di hakba 彼が学校に行ったことは、mooree he kar ikaphupna di hakba 彼が学校に行ったことを)

jimka he Toitaa teggen di Skeniu トイターがスケニウに到着した時

(jimkaa he Toitaa teggen di Skeniu トイターがスケニウに到着した時は、jimkaree he Toitaa teggen di Skeniu トイターがスケニウに到着した時を)

補助詞にmooやjimkaが続く場合は通常省略されます。enは時間も場所も表しますが、省略された場合は文脈で判断します。

en jimka he Oomang itrahhe din kittab オーマングがこの本を書いたとき

→ en he Oomang itrahhe din kittab オーマングがこの本を書いたとき

また、heの後に母音から始まる語が続くとh'となり、発音が省略されます。

h'Oomang itrahhe din kittab オーマングがこの本を書いたこと

補助詞zen、te、fi

補助詞zenは確定条件および起こりうるを表します。「~すれば」と訳せます。

Kas ikaphupna di Sukarmrein zen kas chemnna di narchegen 彼女は成人したので、スカルムレイの元まで行きました。

また、原因を表す補助詞karam(~なので)も似たようなことを表すことができます。

補助詞teは仮定を表します。「もし~ならば」と訳せます。

Naa din naara derbanjerigga te Suste an tirsum. もしスステが居なければ、この国はとうに滅んでいただろう。

teは後ろに母音から始まる語が続くとt'となり、発音が省略されます。

補助詞fiは動詞句を副詞化します。主文の動詞よりも前か後ろかどうかは、以前の場合は将然相、同時の場合は現在相(または進行相)、以降の場合は完了相によって表現します。

Bwins janbadis fi teggenna di hakba. 彼らは学校に到着してから勉強している。

fiは後ろに母音から始まる語が続くとf'となり、発音が省略されます。