分詞、動名詞、派生語

ユーゴック語の動詞は分詞を持ちます。分詞は形容詞または名詞と同等の扱いを受け、時に動名詞の意味も持ちます。

分詞にも時制、相、態の区別がありますが、相の数は以下のように少なくなります。

無相、進行相 → 無相(現在相)

思考相、将然相、開始相 → 未完了相(未通過相)

完了相、継続相、終了相 → 完了相(通過相)

それ以外は通常の述語動詞と同様です。

分詞

amso「与える」の場合

分詞の未完了相、完了相には時制の区別がありません。

分詞は通常通り格変化することができます。

分詞の形容詞的用法

形容詞として使った場合は、その分詞の主語は被修飾名詞になります。

Buumasy rakadadis. 車が走っている。

rakadadis buumasy 走っている車、走行中の車

※現在能動無相分詞の語尾と現在能動態無相の語尾は同じだが、入れ替えたというわけではない。

Kmirimo jikinnan. 林檎は食べられた。

jikingadis kmirimo 食べられた林檎、食された林檎

分詞の名詞的用法

名詞として使った場合は、その分詞の主語は分詞を修飾している属格名詞になります。

Am sem. 私は戦う。

Amn semdis わが闘争

Jimka ttecchanna. 時間は過ぎてしまった。

jimkan ttecchaggadis 時間の経過

現代語では、分詞の目的語を指定することはできません。

分詞の否定形は以下の二通りです。

  • anoの属格形anonを動詞に前置する
  • 接頭辞wi-を動詞に接続

janbadis narro 勉強する者

wijanbadis narro 勉強しない者

anon janbadis narro 勉強しない者

また、名詞的用法の分詞の属格は-inが付けられない場合があります。

動名詞

動名詞は、その動詞を名詞化します。

動詞の示す動作自体は-(o)rで名詞化します。-rによる名詞化は概念的な意味を持ちますが、現代語では現在能動無相分詞-disとは文法的用法ではほとんど同じになっています。-rのによる動名詞の方が古風で荘厳な言い方です。

yanba する

yanbar 行為、行動

paturo 絵を描く

paturor 描画

派生語

動詞に接辞を付けることによって派生語を作ることができます。いくつか種類がありますが、ここでは代表的なもののみを挙げます。また、元の動詞の形が他動詞の能動態の場合は、派生語の主語は話者としてとらえられ、他動詞の受動態若しくは自動詞の場合は派生語の主語は被修飾名詞かが普通です。

-pa「~可能な」

juapa 実現可能な

-fuu「する傾向のある」