動詞

変化の仕組み

ユーゴック語の動詞(述語用法)は、膠着的、時には屈折的に変化します。変化の際には時制によって決定されます。

時制は三種類を持ちます。

  • 現在時制・・・現在における現象
  • 過去時制・・・過去における事象
  • 未来時制・・・未来における事象

相は八種類を持ちます。

  • 無相・・・相が明示されていない。習慣などの意味も持つ。
  • 思考相・・・起こることが確定しておらず、起ころうという予兆も始まっていない段階。
  • 将然相・・・起こることは確定しており、起ころうという予兆はまだ始まっていない段階。
  • 開始相・・・起り始めたところ。
  • 進行相・・・起っているところ最中で、その事象による影響が与えられている。
  • 完了相・・・事象自体は完了した段階。
  • 継続相・・・起った事象によってもたらされた影響が残っている段階。
  • 終了相・・・起った事象によってもたらされた影響もなくなった段階。

態は二種類を持ちます。

  • 能動態・・・行為を及ぼすものの視点に立って述べる。
  • 受動態・・・行為を受けるものの視点に立って述べる。いわゆる受身に近い。

動詞の構造は「語幹+時制語尾+相態語尾」です。時制語尾とは時制を表す語尾のことで、相態語尾とは相と態を両方表す接尾辞のことです。

例)yanbateindis → yanba(語幹)-tei(時制語尾:過去)-ndis(相態語尾:受動、進行相) 「されていた」

時制

時制は時制語尾によって表されます。時制語尾は不規則動詞以外のすべての動詞に適用されます。

現在時制は無標によって表されます。

相・態

第一変化

相と態は相態語尾によって表されます。相態語尾は以下の通りです。

ただし、相態語尾は動詞の語幹がどのように終わっているかによって若干異なる接尾辞を付けます。上記の相態語尾は第一変化のものです。

相態語尾の付き方によって四種類の変化があります。

  • 第一変化(母音変化)・・・動詞が短母音および長母音で終わる。
  • 第二変化(子音変化)・・・動詞が-ng以外の子音で終わる。
  • 第二-ng変化(軟口蓋変化)・・・動詞が-ngで終わる。
  • 第三変化(二重母音変化)・・・動詞がi型二重母音で終わる。

カッコ書きの変化名は別名です。基本的に数字で呼ばれます。

第二変化・第二-ng変化

子音で終わる動詞の大半は第二変化の動詞です。第二変化動詞の特徴として、緩衝母音を使う傾向があります。第二変化の語尾は未来語尾-tasがついている時にも用いられます。ただし、未来語尾-tasに受動態無相の語尾がつく場合は-tasinとはならず-tanとなります。

第二-ng変化は第二変化の亜種です。ngと将然相および終了相のgが連続しないように緩衝母音を挿入します。

第三変化

以下の二重母音をi型二重母音と呼びます。これらで終わる動詞は第三変化します。

  • -ai
  • -ui
  • -ei
  • -oi

その共通の特徴は母音+iで終わっているということです。また、第三変化の語尾は過去語尾-teiがついている時にも用いられます。