文字と発音

坐字

人工言語ザルツク語においては、固有の文字であるザルツク文字、すなわち坐字を標準表記として用いる。ザルツク語の漢字訳は「坐語」である。坐字はそれぞれの字母が音素を表す表音音素文字に分類され、表音的に表記される。

一般的なパソコンの環境では坐字を表示する手段がないので、以下に定めるラテン文字転写法を適用する。本文法書ではこの転写法によってザルツク語を表現する。

上の表に記載されていない文字は通常のザルツク語の文では現れない。またザルツク語では綴りと発音がおおむね一致している。

また、shは子音二文字で表記される子音である。発音は[ʃ]であり、ドイツ語のschと同じである。

発音の変化

動詞の活用や派生語で、しばしば子音の交替や脱落が起こることがある。また正書法の制定以降の発音の変化については一部綴りと発音の間に乖離が見られる場合がある。

子音の破擦化、摩擦化

子音で終わる語根または語幹に子音が付加される場合は、破裂音だったものが無声破擦音に変化する。これを破擦化と呼ぶ。破擦化は歯茎音であるt, dの二種の子音について起こる。

また、gは摩擦化を起こす子音である。

例)voit-ar「続ける」 + -ge(過去語幹の接辞) → voicge

teld-ar「できる」 + -de(接続法語幹の接辞) → telcde

例のように、tがcに交替している。tとdは語根または語幹の最後に立つとき、しばしばcに集約される。

摩擦化は、k, gがxに変化することを指す。

例)ceg-ar「やめる」 + -ge → cexge

子音の無声化

ザルツク語では、rとlの流音、nとmの鼻音以外の子音が二連続することは原則ない。このことは活用や派生にも反映される。

例)cog-ar「知っている」 + -de → cokde

また、子音の無声化によって特に基本語彙では綴りと発音が乖離している場合がある。

例)defg → /defk/