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【ご報告と、お願い】

2018年4月9日、福島県南相馬市小高区東町1-10に、ブックカフェ「フルハウス」はオープンしました。

今年の4月9日に、フルハウスは5周年を迎えました。

この5年間は絶え間なく厄災に襲われました。

2019年11月の台風19号と豪雨、2021年2月13日、2022年3月16日と連続して起きた震度6強の福島県沖地震(フルハウスは二度とも「一部損壊」となりました)、2020年4月からはじまった新型コロナウイルスのパンデミックーー。

コロナでお客様が激減した中でも、フルハウスのスタッフは、失望や落胆でたわまず、嫌気や気鬱でぬかるまず、お客様のご来店を信じて、毎日努力を続けてくれました。

努力の持続の動因は、結果や期待ではありません。

努力とは、いま、ここで、この瞬間を成就させることだと思います。

そして、それはお客様が店に足を踏み入れることによって生み出される瞬間です。

その瞬間、フルハウスのスタッフは、お客様をお迎えするホストとなります。

お客様との間で、時間の糸を結び直して、瞬間を担うのです。

この5年間、フルハウスを訪れてくださったお客様おひとりおひとりに感謝いたします。

これからも、フルハウスは、5年、10年と、お客様との信頼を積み重ねていきたいと思います。

改めて、ご愛顧のほどよろしくお願い申し上げます。


5周年の節目に、開店当時からみなさまにお話ししている自宅裏の古い倉庫を、小劇場・ミニシアター「Rain Theatre(レイン・シアター)」として生まれ変わらせるお約束を実現したいと思います。

Rain Theatre と名付けたのは、
心がびしょ濡れになったように感じて震えている人が雨宿りできる場所に、
心の渇きに苦しんでいる人を柔らかな雨で潤せるような場所に、
現実の全ての音や声をうるさく感じている人が、雨音の静けさだけに耳を傾けられるような場所になればいい、と思ったからです。

Rain Theatre のロゴは、原研哉さんにお願いしました。
https://designcommittee.jp/member/hara_kenya.html

文字なのに固定されていない、水、雨、しずくの動きを想起させる、とても美しいロゴです。

わたしは、青色のロゴが来ると予想していたのですが、まさかの赤でした。

Rにかぶった赤い傘マークが抜群にかわいく、我知らず、『Singin' in the Rain(雨に唄えば)』を口ずさんでいました。

ジーン・ケリーのようには踊れませんが……
https://www.youtube.com/watch?v=gAI6hhsDNxc

みなさまに、Rain Theatre の現在に至るまでの経緯をお知らせいたします。

古い倉庫の解体工事・躯体の建設費として 2640万円かかり、工事監理費と設計費を合わせると 2890万円になりました。

クラウドファウンディングで 880万円が集まり(総額 1132万7500円 から、サイト手数料として20%に当たる 226万5500円が差し引かれました)、残り 2010万円のうち、666万円は「福島県創業促進・企業誘致に向けた設備投資等支援補助金」を活用し、1340万円は自己調達資金で支払いました。



2018年から倉庫のままの状態でイベントを行ってまいりました。

演劇や朗読会は、2時間以上に及ぶこともあります。

南相馬市小高区は旧「警戒区域」で、居住人口(3834人、2023年4月30日現在)の約半数が65歳以上です。

ご高齢のお客様から

「この椅子で1時間以上はつらい。腰が痛くて何を観てるかわからなくなる」

「座り心地の良い椅子に変えてほしい」

というご要望を多数いただきました。

この数年、さまざまな椅子の座り心地を試しました。


RainTheatre では、日生劇場、PARCO劇場、KAAT神奈川芸術劇場などで使用しているコトブキシーティングの椅子をオーダーすることに決めました。

◎ 椅子購入費 765万円
https://www.kotobuki-seating.co.jp/products/list/detail.html=TS-1212K


2月6日からご寄付のお願いをはじめ、3ヶ月間で148名・社のみなさまから、378万円のご寄付を賜りました。

これからご寄付いただけるとお申し出くださっている方(会社)のお金と、自己調達資金を加えて、椅子の購入と設置工事(足元灯の設置工事含む)は完了しました。

シートの色は、雨のイメージで、深い青を選びました。

5月11日に、飯舘村の綿津見神社の多田仁彦宮司に清祓式を執り行っていただきました。

そして、5月12日に、「常磐線舞台芸術祭2023」の記者発表を行いました。

実行委員の柳美里、平田オリザさん、小松理虔さん、古川日出男さん、相馬行胤さんが(和合亮一さんはスケジュールが合わず、ビデオメッセージで)誕生したての Rain Theatre で、常磐線舞台芸術祭について語り、記念撮影に応じました。

客入れの音楽として(芸術祭のスタッフと報道関係者しかいませんでしたが)「Singin' in the Rain」と「悲しき雨音」を流しました。

奇しくも、5月12日は、2000年に54歳で死んだ東由多加の誕生日でした。

この2曲は東がいちばん好きな音楽だったので、東と劇場の誕生を祝って流しました。


「『つなぐ、』がテーマ JR常磐線沿線の舞台芸術祭、7月31日-8月13日 柳美里さんらが抱負」福島民報
https://www.minpo.jp/news/moredetail/20230513107144

「柳美里さんの小劇場完成 演劇や音楽ライブ、映画上映などに活用」福島民友新聞
https://www.minyu-net.com/news/news/FM20230513-776956.php

「柳美里さんらのグループ 常磐線沿線などで芸術祭開催へ」NHK
https://www3.nhk.or.jp/lnews/fukushima/20230512/6050022644.html

「柳美里さんらが発起人 7月にJR常磐線沿線で芸術祭を開催」福島中央テレビ
https://www.youtube.com/watch?v=4F5ZUdmQzuE

「震災で分断された心を『つなぐ、』 柳美里さんら福島で舞台芸術祭」毎日新聞
https://mainichi.jp/articles/20230512/k00/00m/040/192000c

「『わき起こる場所に』芥川賞作家・柳美里さんら 常磐線沿線で舞台芸術祭 7月に開幕」テレビユー福島
https://www.youtube.com/watch?v=sFgAeAgJHPE 


まだ、許可申請を出している消防署・保健所・建築事務所の検査を受けるというハードルが残っています(検査日はまだ確定していません)。

並行して、ポスターボックス・ポスター額の設置工事、離れの楽屋整備なども進めていかなければなりませんが、6月半ばには、小劇場としてはオープンできる見通しです。

しかし、映画上映機材の購入資金が不足しております。

映画館ではフィルムでの映写上映に取って代わり、現在ではほぼ全てがデジタル・シネマ・パッケージ(DCP)です。

そのための上映・音響設備が高額です。


◎ 映画上映機材購入費 1200万円
https://connect.panasonic.com/jp-ja/products-services/projector/PT-RQ13KJ

◎ 照明・音響機材費 850万円

2050万円が不足しています。

銀行に融資の相談をしましたが、敷地建物購入費、ブックカフェ改装費のローンを返済中のため、新たな融資は難しいと断られました。


福島県の相双地区に心や思いを寄せてくださる方、

過疎地域での演劇・映画・文芸の種蒔きをごいっしょしてくださる方、

長年柳美里の小説を読み続けてくださっている方に、ご支援のお願いをいたします。

手数料が惜しいため、クラウドファウンディングという方法は取りません。


あと一歩です。

どうか、映画館の誕生に、お力添えください。


2023年5月15日

一般社団法人OSPA

【ご寄付のお申込み】

★パソコンで申し込み:
以下のURL(Google Form)からご入力をお願いします。
https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSfbT1cay

★その他:
パソコン、スマートフォンからの申込みが難しい方は、
以下のお電話、FAX 、お手紙にてお名前、ご連絡先をお知らせください。

メール:ospa.odaka@gmail.com

電話:080-8207-1129(担当:柳 丈陽 やなぎ たけはる)

FAX:0244-26-5081

住所:〒979-2121
  福島県南相馬市小高区東町1-10 柳美里宛



※「Rain Theatre」は、一般社団法人 Odaka Society for the Promotion of the Arts(OSPA =オスパ、代表理事・柳美里)が運営します。

※ご法人様からのご寄付の場合、損金計上額の範囲内で経費としてご計上いただけます。広告費としての経費計上も可能です。