『ゴールドラッシュ』

『ゴールドラッシュ』

新潮社、1998年11月25日

新潮文庫、2001年5月1日 解説・川村二郎


【装幀】

原研哉

【初出】

『新潮』1998年11月号


【帯推薦文】

五木寛之

少年の心の闇は深く、

横浜黄金町の闇はなお暗い。

柳美里はその闇を切り裂く

究極の答を求めて、

黙示録的世界の底へ下降し、

見事にひとつの物語を

たずさえて浮上した。


秋元康

明け方四時に

ページをめくりだし、

終了したのは

仕事が始まる午後一時だった。

自分は何も間違っていないと呟く

父殺しの少年に、

僕自身をオーバーラップさせた。


村上龍

柳美里はこの最新作で

近代の向こう側へと

ジャンプしようとした。

その試みの成否を

わたしは問わない。

彼女の勇気ある跳躍に

敬意を表したい。


川村湊

小森陽一


【文庫帯推薦文】

平野啓一郎

オウム事件や、阪神・淡路大震災といった大事件が次々起きた90年代、もう近代文学は終わったのではないか、という一種の停滞感があった。

そんな閉塞感のなかで『ゴールドラッシュ』は現実の世界を力強く描くことで、おもしろい作品を生み出せる可能性を示してくれた。

『골드러시』Sol,1999(韓国版)

『Oro rapace』Feltrinelli,2001(イタリア版)

『Gold Rush』Editions Philippe Picquier,2001(フランス版)

『Gold Rush』Welcome Rain Publishers,2002(アメリカ版)

『淘金熱』人民文学出版社,2006(中国版)

『Zlata mrzlica』Cankarjeva založba,2007(スロベニア版)

『Zolotaia likhoradka』Hyperion Publishing House,2014(ロシア版)

『Gold Rush』be.bra verlag GmbH,2015(ドイツ版)