2013下期の記録

1.10月27日(日) 「ドライアイスでおもしろ実験」 講師:宮本一弘先生(開成中学・高等学校教諭)

参加者:30名

(1)先生の演示実験

酸性・アルカリ性と酸性・アルカリ性の指示薬の説明

指示薬であるBTB(ブロモチモールブルー)で塩酸、水酸化ナトリウム(苛性ソーダ)水溶液、

食酢、キンカン(アンモニア)の色の変化を観察しました。

酸性(黄色)、中性(緑色)、アルカリ性(青色)を示しました。

(2)皆で実験

pH試験紙

続いてpH試験紙でも酸性、アルカリ性によって色が変わることを皆で確認しました。

pH試験紙に塩酸、食酢、キンカン、苛性ソーダ水溶液をたらしました。

むらさき色の色素

5本の試験管にむらさき色の食用色素(アントシアニン)の水溶液を入れました。

順に、塩酸、食酢、何も入れない、キンカン(虫さされの薬:アンモニア水)、苛性ソーダを

少しずつスポイトで入れました。

色の変化を観察しました。

むらさき色の色素も酸性、アルカリ性で色が変わりました。

ドライアイスの実験

いよいよドライアイスの実験です。

「ドライアイスってどんなもの?」と先生が問いかけると

「二酸化炭素が固まったもの」と大きな声で返事がありました。

二酸化炭素であるか確かめるために、石灰水にドライアイスを入れて

白く濁ることを確認しました。

むらさき色の色素を入れた水溶液を各自に1個ずつ配りキンカン5滴を加えました。

むらさき色が青くなりました。

そこにドライアイスを入れるとどのような変化がおきるか観察しました。

ドライアイスを少し入れるともやもやと白い泡が出てきました。

しばらくすると突然、青からピンク色に変わりました。

すっかりドライアイスが溶けた後、また、キンカン5滴を加えると青に戻りました。

その後、また、ドライアイスを入れました。

まとめ

身のまわりにあるものがどのような性質(酸性、アルカリ性)をもっているか、

いろいろな指示薬で調べられることを学びました。

2.11月24日(日) 「感熱紙で遊ぼう」 講師:前川哲也先生(お茶の水女子大学附属中学校教諭)

参加者:30名

実験の内容

・感熱紙を熱(ドライヤー)で黒くしてみよう

・感熱紙をこすって黒くしてみよう

・感熱紙をお酢で黒くしてみよう

・黒くなった感熱紙を重曹で白くしてみよう

・感熱紙の黒くなる成分をアルコールで取り出してみよう

・アルコールにとけた感熱紙の成分を黒くしたり戻したりしてみよう

・マジック(油性・水性)で感熱紙に書いてみよう

次のことを学びました

・感熱紙が熱で黒くなること

・その秘密は表面に特別な薬品が塗ってあること

・その薬品は、酸で黒くなり、アルカリで色が戻ること。

・その薬品は、アルコールにとけてとりだせること。

3.12月28日(土) 「電気ペンで絵をかこう」 講師:田中義靖先生(東京都立戸山高等学校教諭)

器具:9V乾電池、ミノムシクリップ、電解用電極棒

材料:ペーパータオル、アルミホイル、ろ紙

薬品:フェノールフタレイン、BTB,紫芋色素、ヨウ化カリウム、食塩、硫酸

今回はろ紙に絵をかく。

1.フェノールフタレインに浸したろ紙

アルミ箔にろ紙をのせて、電池プラス側とアルミ箔を接続し、マイナス側と電極棒を接続する。

赤い線で絵がかけた。

極性を逆にして前にかいた絵の上をなぞると黒くこげたようになった。

2.BTB(ブロモチモールブルー)

線は白い線が書けた。

3.BTBを酸性にした液

青色で書けた。

4.紫芋色素水

あまり明瞭ではないがプラス側で赤くなった。

5.ヨウ化カリウム

こげ茶色の線が明瞭にえがけた。

4.1月5日(日) 「スライムをつくってみよう」 講師:夢化学実験隊

1.スライムの作成

(1)洗濯のり(PVA)20mlを計量して220mlビーカーに移す。

(2)食紅使用で作成しておいた着色水30mlを100mlビーカーで計量する。

(3)着色水をPVAの入ったビーカーに移し、両者を割り箸で混合する。

(4)予め小瓶に準備しておいた3mlの4%硼砂水を3回に分けて滴下するが、激しく

攪拌が必要。途中大量の泡が発生するが、固まるまでには5~8分を要する。

(5)この後、掌に移してこね回し、スライムを完成させる。ラメ添加等も行った。

2.シャボン玉にトライ

丸めてスライムにストローを差込んで膨らませる事を試みる。

結果は一部の子供しか成功しなかったが、使用したPVAの重合度不足が考えられる

(市販品にはシャボン玉用のスライムもあります)

3.はずむボール試作

スライムを丸棒状に延ばし、1/3をカットして小形容器に移し、食塩を10ml程度

添加する。変化を観察しながら指で混ぜる。

水が分離してきたらボール状に丸めて弾力を試してみる。

作成したボールはポリ袋に保管する。

4.分解反応

ビーカーに付着して残っていたスライムに食酢を添加する。

スライムが分解して元のPVA液に戻ることが観察された。

(付記)

スライム(英:slime)本来はどろどろ、ぬるぬるしたものを指す言葉であった。

1985年に第8回科学教育国際会議でマイアミ大学からPVAと硼砂の反応の紹介があり、

日本では1986年に科学教育研究協議会で大槻勇(宮城二女高)が披露を行った。

使用するPVAは重合度:1700以上、鹸化度:99%以上が好適といわれている。

重合度が低いとスライムの強度が不足し、鹸化度が低いとDidiol反応が阻害されるため

である。

5.2月9日(日) 「ろ過の原理を学ぼう」 講師:兼 龍盛先生(江戸川学園取手 中学・高等学校教諭)

(1)片栗粉と砂糖(グラニュー糖)を観察

片栗粉は小さい、細かい、手にくっつく くっつくのは細かいから。

(2)片栗粉と砂糖を分けるにはどうしたらよいでしょうか?

ピンセットを使う?・・・

(3)次にコーヒーフィルターの上に片栗粉と砂糖をのせて透明プラコップの上におく。

上から水を注ぐ。もやもやと何か落ちてくる。これは何か?

片栗粉、砂糖、両方の3つが考えられる。どうして見分けるか。

(4)コーヒーフィルターをどけて「もやもや」の出た水にうがい薬を入れる。

色は変わらないで褐色のまま。

(5)片栗粉を入れたコップにうがい薬を入れる。

色が変わった。 よって「もやもや」は砂糖の溶けていく状態でした。

「化学は小さいものを見ることが第一」「しかし、小さいものはなかなか見えないので

想像力が大事。想像力で考える」

6.2月23日(日) 「正しく使おう防虫剤」 講師:前川哲也(お茶の水女子大学附属中学校教諭)

(1)洋服の敵はどんな虫?

(2)防虫効果のあるクスノキ

クスノキの葉を実際に自分たちでもんでみた。独特のにおいがする。

これが虫よけに役立つのかな。

(3)3種類の防虫剤をみわけよう。

今回は固形の防虫剤であるショウノウ、ナフタレン、パラジクロロベンゼンの3種類。

①水に入れてみよう。

ショウノウを水に入れるとくるくると動き回る。ほかの二つは沈んでしまった。

②食塩(塩化ナトリウム)をまぜた水(食塩水)に入れると差が出るかな?

ナフタレンは浮き、パラジクロロベンゼンは沈む。

これで3つの防虫剤を見分けることができました。

(4)ショウノウとパラジクロロベンゼンの混ぜ合わせ

ポリ袋にショウノウとパラジクロロベンゼンを入れて袋の上からもんでみる。

どちらも固体なのに液体になってしまった。このようになると洋服がシミになる。

洋服を虫から守る防虫剤ですが使い方に気をつけましょう。

7.3月16日(日) 「うがい薬でおもしろ実験」 講師:宮本一弘(開成中学校・高等学校教諭)

(1)おーいお茶とうがい薬のイソジン水(10倍希釈)をそれぞれ入れたコップを皆に配る。小筆を添えて。

(2)紙皿の上のご飯と生ジャガイモにイソジン水を塗る。うがい薬は褐色いろなのだが、色が変化し

ご飯はくっきりと、ジャガイモは薄く紫色に変化した。

(3)デンプンのり水溶液にイソジンを添加すると紫色になる。

(4)紙にイソジン水を塗ると塗ったところが紫色になる。紙にもデンプンがあるのだ。

紙が製造されるとき、デンプンで処理されることがあります。紙の繊維同士をしっかり結びつける、

インクのしみを防ぐ、ペンの滑りをよくするなどのためです。

ノートやコピー用紙は紫色になり、キッチンペーパーはならない。

(5)紙にイソジン水で絵をかいてみた。そこにお茶を含んだ筆でなぞると?

アッ 絵が消えた。

(6)デンプンのりにうがい薬を加えて紫色になった水をPETボトルに入れる。

それに「おーいお茶」を加える。加えるとやはり色が消える。

その理由は「おーいお茶」にはビタミンCが入っているから。

ビタミンCはお茶の色あいをよくするためなど酸化防止も兼ねて入っている。