森林生態学方面をあるいており、興味はタケの生態。タケ全般的に関心あり。ですが、もともとはおおよそ全般的に興味を持っています。以下のことを目指したいなとおもってやってきているのかなと思っています。これからのことは徐々に考え中です。
目標
*タケ亜科植物の生態学研究の前線を走ること。
*竹林管理技術集をまとめ、管理目的に合わせた技術提供をできるようにすること。また、タケ利用の歴史文化も合わせてしってもらうこと。
*日本のタケ類の開花状況を追いかけ続け、100年前の人に恥ずかしくないものを後世につなぐこと。
*竹研究の拠点(博物館などの施設でもいいし、ネット上の空間でもいい)を作ること。
*日本のタケ亜科植物の形態分類を自分の身にすること。
*絶滅が危惧される、竹にまつわるすごい人たちの生きざまを今のうちに記録し、後世に残すこと。
*竹を考えまくったことからくる、新たな研究分野の構築(雲をつかむような話ですが、自分の性質としては、これが一番やりたいところではあったりするよう)
〇竹という植物の生活史の理解深化に向けて。
日本国内では、かつて先人が植えた有用植物の竹が利用されなくなり、野生化して繫茂する様子が見られます。放置竹林、放置竹林の拡大などと言われています。そうした竹の分布や生態の実態、またこれまでの竹林管理方法を明らかにし、今後どのように彼らと付き合っていくかを考えたいと思っています。 研究対象としてはなかなか奥深く・面白い生き物です。もともと里山整備活動の中で竹に出会った研究したいというモチベーションから入っているため、こうした興味関心が大きいのかなと思っています。
Kobayashi K, Kitayama K, Onoda Y (2018) A simple method to estimate the rate of the bamboo expansion based on one-time measurement of spatial distribution of culms.(稈の空間分布を一度測定し、竹林の拡大程度を簡便に推定する方法) Ecological Research 33: 1137-1143. LINK
Keito Kobayashi, Mizue Ohashi, Michiro Fujihara, Kanehiro Kitayama & Yusuke Onoda (2022) Rhizomes play significant roles in biomass accumulation, production and carbon turnover in a stand of the tall bamboo Phyllostachys edulis(モウソウチク林において、地下茎は、バイオマス蓄積や生産速度、炭素の回転率の点で重要な役割を果たす), Journal of Forest Research, DOI: 10.1080/13416979.2022.2090669
Kobayashi K (2020) Growth failure and wild animal activity in a moso bamboo Phyllostachys edulis stand in Kyoto, western Japan(京都府のモウソウチク林の成長失敗と野生動物の活動の関係). 景観生態学 25(2)153 - 157.
小林慧人(2024)日本の竹の生態特性と研究の方向性に関する一考、BIOSTORY41:16-20.(生き物文化誌学会発行)
など。
〇タケ・ササ類のユニークな開花現象の理解深化に向けて。
一般に珍しいとされるタケ・ササ類の開花現象が各地で見られています。これの全容理解を目指し、研究を進めています。様々な研究者らと協力を目指しています。 私は分子レベルというよりは、マクロレベルに興味あり。ですが、分子屋さんの仕事にも関心はあります。
Kobayashi, K., Umemura, M., Kitayama, K., & Onoda, Y. (2022). Massive investments in flowers were in vain: Mass flowering after a century did not bear fruit in the bamboo Phyllostachys nigra var. henonis. (花への多量の養分投資が無駄に:ハチクでは1世紀ぶりの一斉開花後に結実が見られなかった)Plant Species Biology 37(1): 78–90.
K Kobayashi, N Nishiyama, H Kashiwagi and S Shibata (2022) Mass-flowering of cultivated Moso bamboo, Phyllostachys edulis (Poaceae) after more than a half-century of vegetative growth(モウソウチク(イネ科)が半世紀以上の栄養成長期を経て一斉開花した),. Journal of Japanese Botany 97(3):145-155.
小林慧人・小林剛(2019)高知県土佐市のモウソウチク林分で生じた高密度の局所開花、森林応用研究28: 11-15. こちら
Kobayashi K, Kitano D (2021) Over 100-year size-density data in a bamboo Phyllostachys bambusoides stand on the banks of the Kizu River, Kyoto Prefecture, western Japan(京都府木津川河岸におけるマダケ林、1世紀以上のサイズー密度データ). Bamboo Journal 32: 55-60.
小林 慧人、西山 典秀、杉本 恵里子、柏木 治次、若山 太郎、久本 洋子 (2024)「三百年計画、竹の開花年限に関する実験」の過去から現在まで: 実生起源のモウソウチクにおける長期植栽試験の実態. 森林総合研究所研究報告 23(3)
小林慧人(2025)竹林の開花現象と開花後の管理、造林時報226.
など。
〇竹笹が日本人にいかにして使われてきたのか:古くから現在までの全容理解に向けて。
各地域の生活の中で古くからいろんな形で使われてきました。1や2と重複するところもありますが、歴史的な背景も含めて網羅的に理解したいと思っています。まだ分かりやすい成果らしきものは挙げられていませんが、関連する情報を集めたり、いろんな方からの問い合わせに対応する中で、目下学び始めという段階です。
〇研究していることを専門の方々以外の人にも伝える
研究について語れるほど深められていませんが、縁のあったところで、研究者でない方々向けにタケの魅力について発信する機会を時折いただき、お話しています。
・「日本の竹とその生態に魅せられて」、国際交流基金サンパウロ日本文化センター主催 「持続可能な都市とコミュニティ」、2021年3月 動画 開催報告
・小林慧人(2023)意外と知らない「竹」のヒミツ~魅せられて、追いかけて~、第211回六稜トークリレー、2023年5月、大阪 どうが
・小林慧人(2023) 最近の国内竹事情とその魅力を探る、NPOふじのくに活動支援センター主催「竹林に係る団体の交流会」、2023年8月、静岡
など。
〇その他
研究対象種の1種であるモウソウチクに関する最高記録に出会ったと思うことが学生の頃に何度かありましたので、記録しています。今となっては特に大した話ではないですが。