モウソウチクの最高記録

Observed highest records about moso bamboo (Phyllostachys edulis) in Japan

1、開花稈の本数について:328本

モウソウチクは林分の中の数本が咲くという咲き方をすることでよく知られている(局所開花という、これまで部分開花とも言われてきた)。ほとんどの開花記録は数本であるが、稀に100本を超えるようなこともある。

2019年8月に高知県須崎の山岸竹材店の山岸社長がモウソウチクの大規模な開花を発見した。その後、私たちが簡易調査に入り、328本が開花したことを記録。文献調査を行い、開花稈の本数について、実数としてはこれまでの最高記録であったことを以下の論文にまとめた。(写真はKT氏)

小林慧人・小林剛(2019)高知県土佐市のモウソウチク林分で生じた高密度の局所開花. 森林応用研究 28: 11-15.

2、根の長さについて:230cm

根は地下茎とは異なる。根は、地下茎の節と地上茎の根元(稈基)から放射状に伸びており、水分や養分の吸収・輸送と力学的支持の役割を担っている。

一般にモウソウチクの根の長さは40-100cmと言われている (Ueda 1960)。そんな中で、2018年4月にエアースコップで掘りあげた根は230cmもあった。写真の、うじゃうじゃ生えている根の中に1本含まれている。これはすごい記録だということで、以下の報文にまとめた。

小林慧人・藤原道郎(2018)最長記録、230cmのモウソウチクの根を発見. 竹 138: 16-18.

3、稈の齢について

管理されていない状態のモウソウチク林において、稈齢は経験的に10-20年と知られている。このこと自体、きちんと定量的に示した研究事例はこれまでのところほとんどないので、論文に書くときは困っている。。それを示すには、長期的な研究が必要だからだ。

2018年春に京都市某所で◯◯歳で生涯を終えた稈が記録された。もともとは生産竹林であったため、稈に発生年がマーキングされていたのだ。お世話になっている大御所研究者が調査しているところを見学した際、写真を撮ったので以下に示した。その方がいずれ記録を論文で公表すると思うので、公表されたら、上記の◯◯を埋めたい。