認定心理士資格取得の体験記です。認定心理士に興味がある方、認定心理士を目指している方は、ぜひ、ご覧ください
(^_^)。
■なぜ認定心理士を目指したか
私は、うん十年前に某大学の人文学部人文学科人間行動コースを卒業しました。人間行動コースでは、社会心理学や人間行動学、文化人類学を学んでいました。
その後はずーっとサラリーマンをやっていますが、最近になって再び心理学を勉強したくなり、放送大学に選科履修生(1年間の学生)として入学しました。
その際、放送大学のホームページで、日本心理学会が認定する認定心理士という資格があることを知ったのです(詳細は「認定心理士資格の概要」をご参照ください)。
「せっかく心理学を学ぶなら資格も取得したい!しかも日本心理学会の認定資格なら信頼度も高そう!」
認定心理士は、心理学の複数の領域で、所定の単位(大学や大学院の単位)を取得することで申請できます。複数の大学の単位を合算することもできます。
大学時代に社会心理学や人間行動学を学んでいた私は、「もしかしていま申請したら認定されるんじゃないの!?」と甘い期待を抱きつつ、認定心理士について調べてみました。
■既有の単位が活用できる
認定心理士の申請には、 最低でも6つの領域で、それぞれ所定の単位を取得し、合計では36単位が必要です(※1)。
「た、足りない……(T_T)」
私の場合、社会心理学や、人間行動学の中でもコミュニケーション理論を扱った講義、そして卒論が社会心理学系だったのでその単位も加算することができ、合計単位は足りました。しかし、カバーできていない「領域」が結構あったのです。
そこで、カバーできていない領域を中心に、放送大学で心理学を学んでいくことにしました。不足していたのは、4領域、15単位(放送大学の科目数で9科目相当)です。
それでも、既有の単位を申請に当てられたのはラッキーでした。
(※1:2016年12月時点)
■放送大学の授業
放送大学には、放送授業と面接授業があります。
放送授業は、テレビやラジオ放送を利用しますが、最近は多くの科目でインターネット配信しているので、とても便利です。
面接授業は、いわゆるスクーリングで、全国にある学習センターに集まって授業を受けます。心理学実験が認定心理士の必須単位となっているため、単位の無い方は受講必須です。レポート作成があります。
■勉強の進め方
私は、勉強が仕事や家庭に影響しないように、面接授業とうまく組み合わせながら半期に受講するのは2~3科目とし(放送大学は2期制です)、2年半で不足単位数を取得しました。
受講数を抑えたため、じっくりと勉強できたし、なんとか単位認定試験も落とさずに来れました。
時間配分は、インターネット配信を利用したので、完全に自由。その代わり、自主的、計画的に進めなくてはなりません。
1週間で1章とし(1科目は15章から成る)、土曜日に放送を見ながらテキストにマーカーを引き、翌週の平日の通勤時間にテキストを読み直しながら、理解を深めました。
テキストを、放送大学の期が始まる前に書店で購入して、勉強を早めにスタートすることで、半期で2科目をこなせました(テキストは自分で購入しても、放送大学で購入してもよい。自分で購入した場合は、放送大学の科目登録時に「テキスト不要」にします)。
なお、放送大学の単位認定試験は、選択式やテキスト持ち込み可の記述式が大半なので、テキスト丸暗記までは必要はありませんが、キーワードを頭に入れておくことと、内容をしっかり理解しておく必要があります。
■申請書類の準備が大変なことに
放送大学での勉強と並行して進めたのが、申請書類の準備です(詳細は「認定心理士資格の概要」をご参照ください)。
申請に際しては、卒業証明書や成績証明書の添付が必要なので、卒業した大学に申請して取り寄せる必要があります。また、科目によってはシラバスの添付が必須なので、持っていなければ卒業した大学から取り寄せます。他にも、履歴書用の証明写真や返信用の葉書などが必要です。
申請書類には、科目の内容や教官の氏名・職名を記載するのですが…私の場合、ここで大変な苦労をしました。
なにせ、うん十年前のことなので、科目の内容がいまひとつ思い出せません。教官の氏名も、卒業大学の成績通知表を見ても苗字しか書いていないし、職名も書かれていません。
■大学に頼ろう
そこで、卒業大学の教務課に、メールで目的を伝え、当時のシラバスのご提供と教官の氏名・職名の確認をお願いしました。
シラバスについては、当時のものはそもそも存在せず(当時はシラバスという言葉すら存在しなかった)、数年後のものが大学図書館にあることが分かりました。近所の図書館で手続きを取り、図書館経由で入手することができました。
教官の氏名・職名は、教務課から教えていただきました。
こうして、科目の内容については、数年後のシラバスの同じ授業の内容を記載したり、記憶を頼りに何とか記入し、教官の氏名・職名も無事、記入できました。
うん十年前の卒業生の依頼にもしっかりと対応して下さり、大学って本当に頼りになるところだなって思いました。
■申請から認定まで
8月下旬、放送大学の単位認定試験の合格通知が届いてからすぐ、放送大学に成績・単位修得証明書を発行してもらい、申請書を仕上げました(卒業大学の卒業証明書、成績証明書は少し早めに入手しておきました)。
申請書には、大学の担当教官の証明印を押してもらわないとなりません。放送大学に押印を依頼したところ、私の場合、放送大学で取得した単位よりも卒業大学で取得した単位の方が多いとの理由で、卒業大学に押印してもらうようにと返されてしまいました。
しかし、うん十年前のこと(毎度ここがネックになる)、担当教官は既に他大学へ異動されています。この場合、理由を書けば押印がなくてもよいことになっているので、押印なしで進めることにしました。
結局、9月下旬に日本心理学会へ申請書を送付できましたが、日本心理学会から、12月12日の認定委員会で審査される旨、葉書にて回答がありました(認定委員会は年に約6回しかないのでタイミングによっては少し待たされます)。
そしてついに、12月17日に「認定されました」との通知が来ました。仕事をしながらの2年半の勉強、申請書類作成の苦労、その全てが報われた瞬間です。ただ一言、「やった…!!!」
12月21日に認定料を納付したので、近いうちに、認定心理士認定証と認定心理士証(IDカード)が届くはずです。あと少し、楽しみに待つことにします。
2016年12月24日記