投稿日:2024/11/19
開催日時 2024年11月17日(日)13:30~16:45(開場13:00)
開催場所 鹿児島県立奄美図書館研修室2(オンライン中継有)
参加人数 27名
(総評)
今回の研究発表会は本来9月15日に想定されていたが、奄美地方への台風接近のため中止となった経緯をもつ。研究発表会を沖縄以外で開催するのは初の試みとなった。日本の大学の学期中という事情からZoomでの参加者が多かったものの、国内外から数多くの会員が集まった。発表や講演についての参加者の議論も盛り上がり、当初の終了予定時刻だった16:30を過ぎて、会場である奄美図書館の閉館時刻が迫る中であわただしく締めくくられた。
*司会 藤城孝輔(岡山理科大学)
13:30 開会の挨拶 世良利和(沖縄映画研究会代表)
本会代表の世良利和が奄美の言葉で開会の挨拶を行った。
たどたどしくも奄美の言葉を使いこなす世良代表
13:35 【研究発表】大嶺可代(沖縄県立芸術大学芸術文化研究所共同研究員)「財団法人阪急学園池田文庫所蔵の奄美・沖縄関連視聴覚資料について」
東京からオンラインでつないで発表することになった大嶺会員は、財団法人阪急学園池田文庫のデータベースを紹介し、検索で見つかった沖縄および奄美に関する所蔵資料について論じた。宝塚歌劇団の公演『ひめゆりの塔』(1953年)をはじめ演劇・映画関連資料や物産展などのイベントに関する資料を発掘するとともに、その歴史的な価値を検討した。
世良代表に対抗してうちなーぐちで挨拶した大嶺会員
14:05 【研究発表】世良利和(法政大学沖縄文化研究所国内研究員)「 映画『神々の深き欲望』と奄美」
世良会員は、八重山で撮影された今村昌平監督作『神々の深き欲望』(1968年)をとりあげ、製作過程の調査結果を通して本作と奄美との関わりを論じた。物語の下敷きとなった小説や出演者の沖山秀子の出自といった角度から、本作を奄美映画としてとらえる意義が示された。
2台のパソコンを駆使して発表するハイテク世良代表
14:40 【講演・上映】山下菜萌子(鹿児島県立奄美図書館司書)「令和5年度奄美日米文化会館パネル展の解説及び関連映像の上映」
会場の奄美図書館で司書をしている山下氏は、同館で2023年12月9日から2024年1月24日にかけて行われた令和5年度郷土コーナー企画展「文化の殿堂「奄美日米文化会館」~戦後の図書館はここからはじまった~」を紹介し、米軍統治下の奄美における図書館の設置と変遷の歴史を明らかにした。本発表のベースとなった山下氏の共著論文「奄美日米会館の文化活動:鹿児島県立奄美図書館「奄美群島日本復帰70周年記念 令和5年度郷土コーナー企画展」を用いた考察」(『図書館学』125号所収)の筆頭著者である別府大学の工藤邦彦教授や、国際医療福祉大学の豊浩子准教授、『全記録 分離期・軍政下時代の奄美復帰運動、文化運動』(2003年)の著者である間弘志氏らも講演後に発言し、有意義な議論が交わされた。
戦後奄美の図書館をめぐる複雑な歴史をわかりやすく解説する山下氏
決して一枚岩ではなかった奄美復帰運動について熱弁をふるう間氏
その後、 図書館が所蔵する以下のニュース映画が山下氏の解説とともに上映された。
『奄美日米文化会館の映像』(1953年、5分)
『県政ニュース№5』(1953年、5分)
『奄美大島』(1953年、11分)
16:45 閉会の挨拶 名嘉山リサ(和光大学)
名嘉山会員の手短な挨拶により、会は盛況のうちに幕を閉じた。