沖縄映画研究会　第12回
研究発表会　報告書

投稿日：2023/05/24

開催日時　2023年2月23日（木祝）14時～16時30分

開催場所　沖縄県立美術館講座室＋オンライン中継

参加人数　23名（会場15名＋オンライン8名）

（総評）

　今回も新型コロナウイルス感染拡大対策に配慮して会員向けにオンライン環境を整備しつつ、対面の研究発表会を実施した。講演と研究発表はそれぞれ軍国主義の日本と米統治下にUSCAR（米国民政府）によって制作された映画に関するものであり、映像に見られるイデオロギーの違いをめぐる議論が行われた。Blu-rayやMP4ファイル、パワーポイントなどを目まぐるしく切り替える発表はハイブリッド配信において大きな困難を伴ったが、松井大貴会員の技術面での活躍により破綻なく無事に研究会を配信することができた。

＊総合司会　世良利和（代表／岡山大学大学院非常勤講師）

14:00　開会の挨拶　藤城孝輔（運営委員長／岡山理科大学講師）

　藤城運営委員長が怪しげなうちなーぐちを交えつつ挨拶を行った

14:05 【講演】「映画『海の民・沖縄島物語』をめぐって～出演した元第2高女・大城君子さん（97）～」仲松昌次（フリーディレクター）

　仲松会員は宣伝映画『海の民・沖縄島物語』（1940年）に関してみずから制作したNHK「沖縄の歌と踊り」の番組を紹介し、映画のなかに登場する女性、大城君子氏から取材を通して聞き取った撮影当時の状況について報告した。

14:55 【上映】『起ちあがる琉球』（米国民政府・琉球政府、1953年）

　米統治時代にUSCARによって制作された宣伝映画『起ちあがる琉球』をハイブリッド形式により上映した。

15:40 【研究発表】「起ちあがっていない琉球―沖縄ディアスポラ向けに制作された『起ちあがる琉球』」名嘉山リサ（事務局長／和光大学准教授）

　名嘉山会員は、今回上映した『起ちあがる琉球』を分析する発表を行い、同作が海外に移住した沖縄人コミュニティーに向けて、琉球政府移住基金への寄付を募るという特定の意図を持っていたことを明らかにした。

16:10　会員報告および総会　藤城孝輔