沖縄映画研究会 第11回研究発表会 報告書
投稿日:2022/12/18
開催日時 2022年9月10日(土)14時~17時
開催場所 那覇市ぶんかテンブス館3F研修室+オンライン
参加人数 26名(会場12名+オンライン14名)
(総評)
今回は新型コロナウイルス感染拡大対策に配慮し、会員限定の少人数で3年ぶりに対面の研究発表会を実施した。さらにZoomによる配信中継を併用することで、ハイブリッド形式で会員が参加できるようにした。2022年は沖縄の日本復帰50周年ということもあり、復帰前夜における日米の政治性やイデオロギーに焦点をあてた内容となり、活発な議論が行われた。一方、運営側がハイブリッド形態に不慣れだったこともあり、スムーズな進行については今後に課題を残すかたちとなった。
*総合司会 藤城孝輔(運営委員長/岡山理科大学)
14:00 開会の挨拶 世良利和(代表/岡山大学大学院非常勤講師)
世良代表がうちなーぐちで挨拶を行った。
14:05 【研究発表】「反70年安保闘争米軍協力映画『ある兵士の賭け』(1970年)」名嘉山リサ(事務局長/和光大学)
名嘉山会員は復帰前の沖縄でロケが行われた石原裕次郎主演の日米合作映画『ある兵士の賭け』を取り上げ、アメリカ側の資料に基づいて製作の背景となる日米の政治的思惑を掘り下げた。
発表者の名嘉山会員
14:35 【上映・トーク】「死蔵された記録映画 日本発見シリーズ『日本発見 沖縄県』(岩波映画製作所、1962年)/ 記録映画の保存、修復、活用」松信秀明(東京光音)
松信会員は東京光音が修復したドキュメンタリー番組『日本発見シリーズ 沖縄県』を上映し、同作の修復作業を事例に死蔵フィルムの修復について論じた。さらに松信会員と共同でYouTube配信を行っている山内隆治氏がオンラインで参加し、番組が作られた時代背景について解説を行った。
発表者の松信会員
Zoom越しに話をする山内氏
15:45 【講演】「映画は「復帰」をどのように描いたのか」仲里効(批評家)
講演のなかで仲里会員は、南方同胞援護会によって企画された広報映画『沖縄の声』(1969年)の復帰運動との関係性および同作に登場する女性や混血児の政治的含意について、参考映像の上映を行いながら分析を行った。
講演を行う仲里会員
16:50 閉会の挨拶 藤城孝輔