2006年2度目の来日

2006年12月、2度目の来日

2006年12月4日・5日・7日・8日に渡り、宮城県仙台市の電力ホールにてニコライ・トカレフ氏とのピアノデュオが6公演も開催された。 ローゼンブラット氏にとっては2度目の来日、今回オレグ・シンキン氏は来日していない。演奏会は、トカレフによるソロ、お二人の連弾と2台ピアノという3つの演奏スタイル。プログラムは以下の通り。

プログラム 全曲ローゼンブラット作曲

パガニーニの主題による変奏曲

2つのロシアの主題によるコンチェルティーノ

タンゴ

ビゼー作曲「カルメン」の主題によるファンタジー

アヴェ・マリア

‘不思議の国のアリスの冒険’より「To Be a Pig or Not To Be a Baby」、「Can Can」

宮城ファンタジー (新曲初演)

アンコールは「鉄腕アトムファンタジー」

ローゼンブラットとの夕食会

2006年12月2日(土曜日)の夕方6時から、ローゼンブラットにゆかりのあるコアなファン集団によって夕食会が開かれた。場所は東京・池袋の渋めな隠れ家的京風居酒屋「遊食 東山庵」。

私は、よりによって45分も遅刻をしてしまったが、すでにソロの新譜「ユモレスク・エチュード」が披露され盛り上がっていた。さすがはコアなメンバー、皆さん楽譜をパラパラと見ただけで曲が理解できてしまうらしく、何とも羨ましいかぎりだ。この作品は、現時点においてまだ公開されていないということだった。

彼は更にユニークな話を語った。(以下、通訳してくれた高橋健一郎さんからの話。) 旧ソ連ではかつてはホロヴィッツなどあまり知る人も多くないような状態だったが、その当時からローゼンブラット氏はホロヴィッツが大好きであったこと、ロシアのピアニストではギレリスが一番好きであること、演奏者は音を出す前からある種のエネルギーに満ちているものであって、そういうエネルギーを感じさせない演奏者は、いかに指が達者であったとしてもあまり好きではないこと(実際にロシアの若手のピアニストの名前を挙げていた)など色々語り、また酒と女が趣味であったというゲンリヒ・ネイガウスの逸話なども披露してくれた。

私は、ローゼンブラット氏に‘猫が着物を着た風呂敷’と‘静岡の煎茶’、マグネットマニアのオレグ氏には‘マグネット’を贈った。ローゼンブラット氏は、私にロシアの‘ホフロマ塗りの小物’をくれた。地が黒くて光沢のあるところがロシアらしい。

この後、宿泊先が池袋メトロポロタンホテルということだったので、近くまで皆で見送った。このニ日後からコンサートが続くというハードスケジュールの中、快くお付き合い下さったローゼンブラット氏に心から感謝したい。