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ALEXANDER ROSENBLATT

筆者(加藤麗子)とローゼンブラット氏

アレクサンドル・ローゼンブラットは、1956年7月31日モスクワ生まれのユダヤ系ロシア人。音楽家の両親の一人息子として育ち、少年のころはピアノが大嫌いで、絵を描いたりサッカーをして遊んでいたという。名門モスクワ音楽院をピアノ専攻で卒業、1980 年代より作曲活動も開始。現在では視覚的にもエンターテイメント性の高い作品を創作することで注目を浴びている。ジャズ、ロック、ラテン、ロシア民謡、西洋クラシックなどのジャンルを越えて「クロスオーバー」していく曲想は大変ユニークでウィットに富んでおり、筆者は彼を「現代版モーツァルト」と称しているほどだ。作曲家ではラフマニノフなどのロシアを代表する伝統的な大家を大変尊敬し、ピアニストではホロヴィッツ、ジャズ界ではオスカー・ピーターソンがお好きだとか。彼が作曲する作品の編成は多岐におよび、ピアノソロ、ピアノデュオ、室内楽、合唱、オペラ、ピアノ協奏曲、オーケストラ、ブラスバンド、ミュージカル、氷上バレエ音楽、映画音楽、サーカス音楽など様々である。

2005 年3月11日には、日本の加藤麗子&岡本美緒里のミュージック・パフォーマンス・デュオ【 M.P.D.】の熱狂的なラブコールに、ローゼンブラットの主宰するモダン・ピアノ・デュオ【 M.P.D.】が応える形で、東京での初来日公演が実現した。「一夜限りのファンタスティック・グルーヴ・セッション」 となり、ライヴは熱狂的な興奮(圧巻!)の渦の中、幕を閉じた。偶然にも 3月11日はローゼンブラットの愛娘の誕生日、彼にとっては憧れの日本のコンサートをこの日に迎えることができて二重の喜びだったようだ。ここでは、エピソードなども交えながらローゼンブラットとローゼンブラットの大親友オレグ・シンキンの話題をお届けする。

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