NarrowVPolish

矩形ポリシングシミュレーションプログラムは,試料より小さい円形工具や環状工具を用いて,矩形試料上で工具が指定したパターン軌跡上を移動しつつポリシするさいのポリシング過程をシミュレーションするプログラムです.工具が試料よりはみ出して加工する場合の工具傾斜についても考慮されています.

試料が加工され,工具が摩耗してゆく過程は,Prestonの基礎理論式[加工量や工具の摩耗量が,工具・試料間に作用する圧力と相対速度と加工時間の積に比例する]に基づいて,以下の仮定のもとで計算されます.

(1) 試料は剛体.

(2) 試料は矩形であり,工具は円形,もしくは環状.

(3) 圧力とポリシャ変形量は比例関係.

 

その特長は,以下に示すとおりです.

(1) ポリシャの粘弾性と塑性変形を考慮.

(2) 工具の6種のパターン軌跡と任意軌跡に基づく移動に対応.

(3) 試料とポリシャが非接触状態となり圧力がゼロになった場合にも対応.

(4) ポリシャの回転速度は任意.

(5) ポリシング中の相対速度分布や圧力分布が画面に表示され,それらをハードコピーすることも可能で,試料や工具が加工・摩耗してゆく様子を観察可能.

(6) シリコンウエハなどを化学研磨する場合に加工速度が工具回転速度の増加とともに飽和してくる現象にも補正式を導入して対応.

(7) 工具が試料からはみ出す場合の工具傾斜が自重傾斜と異なる場合にも補正式を導入して対応.

(8) 試料全面の加工量を一様にする最適な工具移動速度制御も計算可能.