「モビリティの認知科学」
■主旨
モビリティは,今後の社会の豊かで健全な発展のための鍵概念であると言ってもよい。
このような中,学会誌『認知科学』Vol. 25,No.3において,「車,運転あるいはモビリティをめぐる認知科学」なる特集が企画された。
本研究会では,モビリティの中でも,特に,自動車に焦点を絞り,ドライバーの運転の認知に関わる諸問題を,
認知心理学,計算機科学,人間工学,制御工学など,様々な研究分野からのアプローチを通して,探求する。
■実施概要
日時: 2018年12月22日(土)
場所: 国立情報学研究所 1208室・1210室
https://www.nii.ac.jp/about/access/
※週末は正門が閉まっているため、「時間外出入口」(共立女子大学に面した小さな出入口)から入館していただき、
守衛室にて「学習と対話研究会に来た」と伝え、名簿に名前をご記入ください。
※参加無料
■プログラム
13:00〜13:10
主旨
三輪和久(名古屋大学)
13:10〜13:55
招待講演1
「人間と共生する知能化自動車をめざして〜制御工学的視点から見た運転知能とその活用〜」
鈴木達也(名古屋大学)
本講演では、まず、システム科学的視点から見た運転知能の形式知化に関する取り組みを紹介する。
次に、人間との共生を見据えた未来の自動車に求められる新たな知能の側面について紹介し、
特に制御工学的視点から取り組んだ具体的な事例を交えてその実現可能性について講演する。
13:55〜14:40
講演1
「認知モデリングを用いたドライバの状態推定」
松室美紀 (立命館大学)
ユーザが課題を遂行する際の認知過程をモデル化し,コンピュータシミュレーションを行うことにより,
UI評価や設計,ユーザの状態推定を行うことが可能である。
本講演では,その手法と自動車運転に関連するいくつかの研究を紹介する。
14:40〜14:50
休憩
14:50〜15:35
招待講演2
「運転者のヒューマンエラーの特徴と対策」
篠原一光(大阪大学)
交通事故の原因として人的要因が占める割合は非常に大きく,
交通心理学や人間工学ではその分析と対策に関する研究が行われてきた。
前方不注意,操作ミス等の運転時に特徴的なヒューマンエラーと対策について議論したい。
15:35〜16:20
講演2
「人工物としての車,自動運転:高齢ユーザの視点から」
原田悦子(筑波大学)
自動車は,多くのユーザ=ドライバにとって,過剰学習をされた人工物である。
そこに自動運転という要素が加わった時,ユーザの視点からどのような変化があり,
どういった「デザイン上の配慮」が必要になるのか,検討していきたい。
16:20〜16:50
全体討論