タイトル:「アートと対話」
企画:阿部慶賀(岐阜聖徳学園大学)
日時:10月7日(日)13:00~17:00
会場:成城大学3号館312教室
(正門を入って前方の高い建物の入り口すぐの教室)
当日資料集pdfはこちら(24MB)
成城大学アクセスマップ
http://www.seijo.ac.jp/access/
成城大学キャンパスマップ
http://www.seijo.ac.jp/about/map/
※参加費は無料です。
企画趣旨:
アートは静かに観るもの、という固定観念をもっている人は少なくない。
しかし、アートは静かに観るべきとは限らず、鑑賞者の間でのコミュニケーションから
発見と情報に富む鑑賞体験が得られる場合もある。
例えば、対話型鑑賞と呼ばれる鑑賞法は、
そこに参加する個々の鑑賞者がもつ思考を持ち寄り、意味や価値を構成する効果がある。
また、他者とのコミュニケーションを通して、批判的思考が生じることも期待できる。
アートの鑑賞は、視知覚と事前知識だけで成立するものではなく、
さまざまな知覚、視点や知識、他者や環境との相互作用から生じる、
多面的・双方向的な活動であり、そこには認知科学が得る示唆や、
逆に認知科学から貢献できる余地や課題が少なからずあると考えられる。
そこで今回は、コミュニケーションをテーマに
鑑賞プログラムを提案し続けている若手アーティストの佐藤悠氏に話題提供を依頼した。
氏の鑑賞プログラムには、予め鑑賞の視点を与えるキーワードを提示し、
長時間の鑑賞とインタビューを行い、
さらにそのインタビューを他の鑑賞者と共有する「饒舌な常設」や、
作品を前にした親子が糸電話で作品から得た着想やアイデアを交換・共有する「糸でんわ鑑賞」、
解が定義できないアートへの向き合い方について、あえて「知ったか」ぶりすることを肯定することで
鑑賞者の側から受け身にならずにアートに接近するよう促すプログラム「知ったかアート大学」など、
創造性支援のヒントにもなる試みが含まれている。
(詳細は佐藤悠氏ホームページ http://yusatoblog.blogspot.com/ をご参照ください)
佐藤氏のこれらの活動と、その活動の場づくりに携わった学芸員、
そして鑑賞場面を対象として研究を続けてきた認知科学者のそれぞれから話題提供し、
両者が協同して新たな課題や情報を構成することを目指す。
発表者・プログラム(敬称略)
13:00~13:10 開会趣旨説明
13:10~13:40 話題提供 佐藤 悠 (アーティスト)
13:40~14:00 話題提供 阿部 美里 (学芸員・アートエデュケータ)
「アーティストワークショップ「佐藤悠の『はなし』『伝える』美術館」にみる対話型鑑賞とその課題」
休憩(10分)
14:10~14:40 話題提供 田中 吉史(金沢工業大学)
「美術初心者は絵画から何を読みとるか?-絵画鑑賞中の発話に基づく探索的な検討」
14:40~15:10 話題提供 石黒 千晶(玉川大学 脳科学研究所)
休憩(10分)
15:20~15:30 話題提供 阿部慶賀(岐阜聖徳学園大学)
15:30~16:00 指定討論 岡田 猛(東京大学)
16:00~16:30 総合討論