SIG-DCC研究会「コモディティ化するクリエイティヴィティとその後」

投稿日: 2019/10/31 2:27:01

2019年度のSIG-DCC主催研究会を下記の要領で行います。皆様のご参加をお待ちしております。

SIG-DCC研究会「コモディティ化するクリエイティヴィティとその後」

日時:2019年12月21日(土)13:00-17:30

会場:成城大学 大会議室(3号館3階)

主旨:

1990年代の「創造的認知」アプローチの登場以来、認知科学において創造性の研究が盛んにおこなわれるようになった。「創造的認知」アプローチでは、創造性を特殊な才能の発露や、特別なスキルを習得したエキスパートだけが持つものとしてではなく、人間が共通して持っているごくありきたりな認知過程から生み出される、と考える。そして、以前からおこなわれてきた心理学における創造性研究やエキスパート研究とも連動する形で、様々な実証的研究がおこなわれてきた。

近年、教育のみならず産業政策においても、クリエイティブ人材の育成や恒常的にイノベーションを生み出すことのできるシステムの開発が謳われるようになってきており、いまや「創造性」はごく普通の人々でも身につけているべき素養と見なされつつある。

このように社会の中で「創造性」が「ごくあたりまえもの」となった現在、認知科学における創造性研究は何を目指しているのか、そしてこの「あたりまえの創造性」の研究は今後どのように展開していく可能性を持つのか、考えてみたい。

今回の研究会では、芸術やデザインなど、特殊な才能や技術を持つ人々だけが創造性を発揮すると思われてきた活動を、ごく一般的な人々がおこなっていくための支援に関わる研究、またごく普通の人々が気軽に始める「創造的活動」(今回は手芸)についての研究を中心に、「コモディティ化するクリエイティヴィティ」へのアプローチと「その後」の研究の展開について議論する。

プログラムと登壇者:

13:00-13:10 主旨説明 (田中吉史@金沢工業大学)

13:10-13:40 松本一樹(東京大学):他者作品の創造的な受容はいかに達成されるか?:非熟達者を対象とした作品鑑賞実験から見えるもの

13:40-14:20 高木紀久子(東京大学):一般大学における新しい芸術の形の可能性ー芸術の実践授業の探索的検討ー

14:20-14:30 休憩

14:30-15:00 荷方邦夫(金沢美術工芸大学):一般ユーザを対象とするデザイン支援(仮)

15:10-15:40 青山征彦(成城大学):なぜアクセサリーを制作するのか:継続的な活動を動機づけるものをめぐって

15:40-16:00 休憩

16:00-17:30 全体討論

終了後、会場近隣で懇親会を開く可能性があります。こちらも奮ってご参加下さい。