「デザイン・構成・創造」研究分科会 2016年第1回定例研究会

2016/06/01 3:09 に Yoshifumi Tanaka が投稿   [ 2016/06/25 8:00 に更新しました ]
*盛況のうち無事終了しました。ご参加いただいた皆様、ありがとうございました!


日本認知科学会「デザイン・構成・創造」研究分科会 2016年第1回定例研究会

日時 6月25日(土) 13時30分~17時 
会場 石川県金沢市 ITビジネスプラザ武蔵 研修室2 
   〒920-0855 石川県金沢市武蔵町14番31号 
    *近江町市場に近く、アクセスの良いところにあります。 


○プログラム

13:00 会場準備
13:30 開会の辞
13:35 1.村瀬博春(石川県立美術館)「創造性を理解する知-美術鑑賞における、異質なるものとの同定」
14:05 2.畝見達夫(創価大学)「芸術分野における計算創造性研究と進化アート」
14:35 3.近藤健次(北陸先端科学技術大学院大学)「創造性を育むグループワークについての考察」
15:05 休憩(15分)
15:20 4.門松怜史(北陸先端科学技術大学院大学)「動線解析を用いたユーザインタフェースの課題発見支援に関する研究」
15:50 5.荷方邦夫(金沢美術工芸大学)「デザインされた人工物に対する魅力とその評価」
16:20 全体討論&調整時間
16:50 閉会
17:00 会場撤収

17:30~19:30 会場近辺(武蔵が辻~金沢駅前付近)にて懇親会


*当日のタイムテーブルは若干前後する可能性があります。また、発表順などの詳細が変更されることもあります。最新情報をDCCサイトに掲載しますので、ご確認ください。
https://sites.google.com/site/jcssdcc/


○発表概要

1.村瀬博春(石川県立美術館)「創造性を理解する知-美術鑑賞における、異質なるものとの同定」
 美術作品は、時間的なデザイン思考過程の空間的構造化の所産と考えることができる。それゆえ高度な創造性の理解には、この思考過程をトレースすることが必須の前提となる。展覧会の場合は、時系列で制作の軌跡を示すことによって、鑑賞者は暗黙的に作者の思考過程を把握できる。そこで、より端的な理解の方策として異質な創造的作品との同定(identification)を挙げたい。俵屋宗達の「風神雷神図」がバッハの「無伴奏チェロ組曲」により、また長谷川等伯の「松林図」が「モナリザ」によって理解が進展した事例は、異質の卓越した創造性を介して、比較や類推を超越した、創造性を同定する知が発動したことを示唆するものではないだろうか。

2.畝見達夫(創価大学理工学部)「芸術分野における計算創造性研究と進化アート」
 芸術分野における創造性研究は伝統的には哲学分野における美学との関連で語られてきたが、人工知能の発展にともない、H. Cohen のAARON など、マシンによる芸術的創造の挑戦がいくつか試みられるようになった。2004年に始まった計算創造性に関する国際ワークショップでは、人間の創作過程を模擬する人工知能的なアプローチにとどまらず、合理主義的美学に基づく数理モデルや、マシン固有の膨大な候補空間を探索する進化計算的アプローチなどの研究及び実践の成果が発表されてきた。最近の動向を俯瞰するとともに筆者が進めている進化アートプロジェクトについて紹介し、人間の創造性についての議論に繋げたい。

3.近藤健次(北陸先端科学技術大学院大学知識科学研究科博士後期課程)「創造性を育むグループワークについての考察」
 創造性は様々な問題の解決にとって重要であり,多くの組織において課題解決のためにブレインストーミングが利用されており,また創造性育成のためのグループワークも様々なところで行われている.本発表では,まず創造性に関連する最もポピュラーなグループワークであるブレインストーミングに関する先行研究の整理,創造性研究における創造性の概念の整理,グループワークの目的と査定に関する整理,行動変容に関するトランスセオレティカル・モデル(TTM)の整理を行う.次に,創造性に関連するグループワークの体系化を試み,ブレインストーミングの位置づけを明確化し,最後に創造性育成のためのグループワーク・プログラム開発の方向性を検討する.

4.門松怜史(北陸先端科学技術大学院大学知識科学研究科博士前期課程)「動線解析を用いたユーザインタフェースの課題発見支援に関する研究」
 ユーザインタフェースはソフトウェアの価値を決定する重要な要素の一つである。そのためソフトウェア開発現場では、改善につなげるためユーザインタフェースの評価が求められているが、既存手法は評価に高いコストがかかるなどの課題があり、スタートアップ企業など限られたリソースの中では適用が難しい。そのため、本研究ではソフトウェア開発現場でのヒアリング調査によって開発者のニーズを把握した上で、開発者が手軽に利用できるより実用的なユーザインタフェース評価手法として、動線解析手法を用いてユーザのソフトウェア使用状況データを解析し可視化することを目標に手法開発を行っている。

5.荷方邦夫(金沢美術工芸大学)「デザインされた人工物に対する魅力とその評価」
 本研究は,人工物に対する魅力をとりあげ,魅力の評価と構造,魅力が内包する要素の特徴などについて,発表者の近年の研究をまとめて紹介する。また発表者が現在進行中の研究で行っている,上記の研究の応用としてのデザイン支援システムについて,その構想や今後についても,あわせて紹介を行う。発表では,デザインされた人工物に対する魅力の構造(調査),人工物の評価における審美的特徴と内省的特徴の特質(実験),デザインのニーズに対応するデザイン行為のインデックスによる,デザイン支援システムの提案の3つを行う。



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