11月12日、第11回口頭弁論が約1年ぶりに公開法廷で開かれました。原告は、この間の文書提出命令の確定を経て提出された記録、当事者照会の回答を受けて準備書面と書証を提出しました。
準備書面では、被告が開示したタイムカードや事件管理表からも、業務の内容、責任の範囲、勤務時間等のすべてにおいて、原告と同時期に法テラス奈良法律事務所に勤務していた常勤職員と同一であることが明らかだと主張しました。
また、広島大学法科大学院教授の緒方桂子先生の論文を引用し、非正規労働者の雇用の不安定さと処遇格差は克服すべき課題であり、法的規制の必要性があることを述べました。さらに、「低い労働条件の非正規労働に従事する労働者が増大している現代社会においては、正規労働者と非正規労働者との間の処遇格差の問題は、自らの意思では超えられない社会的な偏見に基づく性差別や思想差別等の問題と共通する人権の問題」であると指摘しています。
人証の申出は、原告が申し出をした4人の内、2人について採用され、次回期日にF証人(元法テラス奈良事務局長)と原告本人の証拠調べが行われることになりました。被告からは人証の申出はありませんでした。
次回は、来年3月4日午後1時30分から午後4時まで証人・原告本人尋問が行われます。原告は、常勤非常勤と雇用形態の違いがあっても、実質的に勤務内容に変わりはなく、それでいて賃金等の処遇に大きな格差がある不当性を証言します。
とはいえ、原告も裁判での尋問はもちろん初めてです。多くの方に傍聴いただいて、背中から原告を力強く後押ししていただけたらと思います。
どうぞよろしくお願いいたします。
応援団 I